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接触改質とは、石油中のナフサ留分の低いナフテンや直鎖パラフィンを
高オクタン価のガソリン成分(芳香族やイソパラフィン)に転化する
触媒プロセスのことですが、この触媒改質反応の主反応の例にはどのような
ものがあるのでしょうか。

この反応にはPt/Reのバイメタル触媒などが使用されているそうですが、
具体的な主反応がどのようなものなのかがよく分かりません。

どなたかお詳しい方がいましたらご教授いただきたいと思います。

A 回答 (3件)

昨日の回答(A-No.1)を読み返したところ、うっかりPtとPdを混乱していました。


第5周期と第6周期の遷移金属は往々にして性質が似ているもので(--;)
またReについてオレフィンのメタセシス反応の触媒などと書きましたが、
Rheniformingと呼ばれる本反応でのReの役割は違うようです。
もう少しまともなPt-Re/Al2O3の反応機構について今回記述します。

もともとナフサの接触改質にはアルミナ担持Pt触媒が用いられていましたが、
触媒の寿命をのばす研究の過程でReの添加が効果的であることが見いだされました。
Reだけでは触媒として働きませんので、本触媒の主役はPtです。

Ni,Pd,Ptは条件次第で水素化と脱水素化の双方を触媒します。
簡単な例としてCH2=CH2の水素化を例に取りますと、
エチレンや水素は固体金属表面に酸化的付加して
CH2CH2 H H
| |  | |
M-M  M-M
のような状態になります。触媒上で水素が移動し、
CH3

CH2


の状態を経てエタンが還元的脱離します。
脱水素化反応はこの逆です。
パラフィンから芳香環が形成されるためには、
何度かの脱水素化反応を経た後、分子内で
環化反応が起きる必要があります。
またパラフィンR1-R2から
R1 R2
| |
M-M
が形成された後、脱水素化が進行してR1側に
2重結合が形成され、R2がR1側へ移動し、水素化して脱離すれば
イソパラフィンが形成されます。

A-No.2のedogawaranpoさんが解説されたように、触媒表面での
移動付加反応は反応温度により異なります。
また脱水素化反応は、高温ほど促進されます。そのため
触媒反応を長時間行うとPt表面にタールの膜が出来て
触媒の失活を招きます。この失活を防ぐ役割をReが担います。

Reの反応への関与については
Puddephatt, R. J. et al. Coord. Chem. Rev. 1995, 143, 457-500.
という論文に詳しく考察されていますが、
様々な可能性が列挙されていて結論がありません。
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プラチナビゼーション(でしたか?)の場合.


脱水素による炭化の途中で(生成物を)引き抜く
引き抜かれた物同士の反応
の2つに大きく分けられると思います。後者は.反応温度に依存します。つまり.何が起こるかさっぱりわからないのです。だから.タールが生成して白金が劣化したりします。

ただ.ロジウムを混ぜる話の頃の話を聞いていますので.最近は変わったかもしれません。
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ReとPdがアルミナなどに担持された不均一系触媒の反応のようですが、


不均一系触媒の反応機構というのは非常に複雑で、
断定的なことを書くと色々反論が出てきそうですが......

恐らく異性化をもたらしたのは、Pdでしょう。
Pdへオレフィンや芳香環が配位してπ錯体を形成し、
錯体上で結合が移動するなりし、
再び脱離した時には異性体へ変化します。

そしてReの役割ですが、メタセシス反応による
不均化を進行させることでしょう。

この辺の反応の対応する均一系触媒でのメカニズムについては、
有機金属化学の教科書に大体出ています。
本当の不均一系触媒のメカニズムとなると、固体物理やら色々な
バックグラウンドが必要で、一言では説明できません。
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