
こんにちは。
今なお飛行可能な大戦機関係の本を読んでいて思いました。
大二次世界対戦で活躍した、各国の航空機のその後について伺いたいのですが、
まず、敗戦国になってしまった主な国ドイツ・日本・イタリアなどがあります。
その中でもドイツの
フォッケウルフ Fw190は2万機以上、
メッサーシュミット Bf109は3万機以上、
と膨大な数が生産されながら現存し、しかも飛行可能なのが、わずか数機。
やはり、敗戦国の定めか破壊、略奪、は勿論、他国への転売諸々これは仕方ない
運命だと思います。
一方、勝戦国のアメリカやイギリスも、未だに飛行可能なものが上記で挙げた程では
ありませんが、やはり数少ないです。特に爆撃機。
イギリスの爆撃機、ランカスター、ハリファクス、ウェリントンなどは、
どれも多数生産されたにも関わらず、現存するのは1機のみ、機体だけや機首だけ、酷いのに
なると残骸だけというのを見た事があります。
アメリカは、今でも飛行できるB-17を初め、双発爆撃機が他に比べ多数現存してます。
一万機以上生産されたのにもかかわらず、飛べるのがたった一機だけというB-24爆撃機。
要は、勝戦国となった国々ではこんなにも大量生産された戦闘機・爆撃機が
なぜ、こんなに激減する運命になったのかを知りたいのです。
終戦直後の保管所には地平線までズラリと
P-47、P-51や
B-24、B-17などが並んでいる写真をみると不思議でなりません。
時代遅れになれば「それら」はただの「ゴミ」としか国や軍は見ていないのでしょうか?
もし、そうであればどんな使われ方をされたのか?その辺を知りたいのです。
どうか、宜しくお願いします。
No.3ベストアンサー
- 回答日時:
保管しておくには金が必要、スクラップにするのにも金が必要、要はそういうことです。
軍用機の場合、新鋭機に比べて性能の劣る旧型機を後生大事に保管しておいても、実戦に出撃させるわけにはいきません、悪戯に損害を増やすだけですから。
出撃させることの無い軍用機を保管しておいても、限られた軍の予算を無駄にするだけですから、航空博物館等が展示用に少数機を保有するだけになります。
また、飛行可能な機体が少ないもう一つの理由として、第二次世界大戦後の航空機のジェット機化という技術的な影響もあります。
第二次世界大戦で使用された機体は、戦後になってそのほとんどが生産中止になり、メンテナンス用の部品の生産もそのほとんどが中止されました。
仮に、その後も、レシプロエンジン搭載の機体が航空機の主流であり続けていれば、似たようなサイズの部品を流用したり、ほぼ同出力のエンジンに交換することで飛行可能でしたでしょうが、大戦後は、ジェットエンジンが実用化されたために、同じようにプロペラを回して飛ぶ機体であっても、エンジンはターボプロップと呼ばれるジェットエンジンが使われるようになりました。
大戦中に使われたレシプロエンジンと戦後のターボプロップエンジンとでは、大きさや重さ、燃料の消費量に大きな違いがあり、そう簡単にはエンジンを交換するというわけにはいきません。
エンジンの重さが違うと、機体の前後のバランスが崩れてしまいますし、ターボプロップは燃料消費量がレシプロに比べて多いので、同じ距離を飛べるようにしようとすると、燃料の搭載量を増やす必要がありますが、その燃料の重さの違いでも機体のバランスが変化し、場合によっては非常に操縦のしづらい機体になってしまいます。
そういう急速な航空技術の変化が、飛べない軍用機を沢山生み出す結果になったのだと思います。
初めまして。
デビスモンサン空軍基地には見渡す限りモスボールされた航空機が保管されていますが、
さすがに仰る通り、あれだけの数を管理するとなると冷戦時代と違って今の軍の予算では
カバーしきれず、廃棄の運命になるのは自然な流れですね。
軍用機のレシプロからジェットへの転換と言うのも大きな要因でしょうね。
既存の機をベースに後退翼に換装したレシプロ機や、混合動力機というレシプロとジェット
の2つの動力を一つの機体に込めた試作機など。「より速く、より強力に」の
旗の下、回答者様の説明の様な機体が、その転換期の間に試行錯誤、様々な試作機が製作された結果たどり着いた答えがジェットエンジンのみを動力とした機体。
それが主流になるに連れて一部を除き、レシプロ機は、もはや無用の長物と化し
戦時中は活躍した機体も単なる廃棄物になり、新兵器の標的にされたり、あるいはリサイクルされ再び資源になったりとで今や現存するのはごく僅か。
それら上記の事を踏まえて、私が質問で「過去、大量に存在した航空機が消えたのか?」に
当てはめると「こういう事だったのか!」と合点がいきました。
このたびは、こうなるに至った経緯や試作機のご説明など、まことにありがとうございました。
No.4
- 回答日時:
アメリカなどは趣味で軽飛行機扱う人が多いので戦闘機や軽爆撃機がもっと残っててもいいように思いますが、
そもそも当事の軍用機は設計寿命がすごく短く構造的に弱いんです。
フライアブルで残そうと思ったら、逆に飛ばしているうちにすぐに機体が弱ってしまいます。
あと部品調達の問題があります。当時の規格の部品など当然ほとんど存在しません。
飛行状態を維持するとなるととうぜん年々多数の部品を交換していく必要があります。
ですが代替部品が手に入らないと手作りせざるをえなくなりますし、そうなると当事の設計資料と職人と莫大な費用が発生してきます。もともとそのつもりで作っていないので、結局飛べる状態で50年以上維持というのは各所に無理があるんですよ。
初めまして。
>そもそも当事の軍用機は設計寿命がすごく短く構造的に弱いんです。
これは初耳でした。
と、言う事はアメリカに現存する今なお飛行可能な大小問わずの機体は
世界に幾つかある収集家が軍の払い下げなどを集め部品調達の難しい中、自作したり、
何とかかき集めなどして修復された機体なんでしょうね。以前、ジェット機が主流に
なり持て余した大戦機を破格の値で軍が売っていたという話を聞いた事があります。
とはいっても50年以上前の話ですが。
こうなると、オリジナルで飛行可能な零戦が2機?現存するのですが、戦時中の機体でも、外板がべコベコだったり、エンジンの故障が頻発と「こんなんで大丈夫なのか?」と
いったシロモノの写真や文献を見ました。その生き残りがエンジンを換装やあらゆる部品の交換をしたとはいえ、いまだに飛べるというのは、ご回答から察するにまさに「奇跡」としか言い様がないですね。何でもオフの時は普通の格納庫ではなく、空調や湿度が管理された
特別な格納庫に収容されているそうです。
以上を踏まえてのこれは私独断の考えですが、続々と登場する新型、その上ジェット機の開発まで進んでおり「使い捨て」の思想で軍は設計したのかなと思い浮かびました。
大戦機の短命設計という新しい発見があり、質問してよかったと思いました。
ご回答、ありがとうございました。
No.2
- 回答日時:
ボーキサイトからアルミを取りだすのと、アルミ製廃棄戦闘機からアルミを取りだすの、どちらが効率が良いですか?
兵器なんて不要になったら良い金属ゴミなんですよ
初めまして。
それもそうですね。鉱物から抽出するより加工済みの、しかも良質の廃棄物から抽出した方が
早いですね。以前、ある動画サイトで巨大な爆撃機が、まるできゅうりの輪切りの様に
されて粉砕機にかけて粉々になって再び金属チップへ加工される工程を見た事があります。
冷戦で建造され余剰となった航空機はアメリカの飛行機の墓場と言うところで保管されて
ます。言ってみれば「資源の墓場」という言い方にもなりますね。
つまり、物事を捉える角度を変えればこういう捉え方も有るんだなと思いました。
非常に面白いご回答、ありがとうございました。
No.1
- 回答日時:
>>終戦直後の保管所には地平線までズラリとP-47、P-51やB-24、B-17などが並んでいる写真をみると不思議でなりません。
東京オリンピックのころ、○○車両基地にはズラリと新幹線の0形などが並んでいる写真をみると不思議でなりません。
と言うのと同じで、古いものは博物館に一つ残して、あとは巨大ゴミ、と言うことでしょう。1946年の映画『我等が生涯の最良の年』(The Best Years of Our Lives)下記、にはかつての爆撃手が、処理される運命の埃だらけのB-29の座席に座って空想に耽る場面がありますが、1946年には、戦後処理の一部としてもう片付けが始まっていたことを物語っています。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%88%91%E7%AD%89% …
なるほど。身近な新幹線を例に挙げられましたか。
かつて栄光を極めた新幹線0系電車も次々と登場する新型に追い越され、老朽化し
終には2008年の暮れにさよなら運転という形で終止符を打ったのを覚えてます。
仰る通り数両を博物館などに残し、余剰になった残りはスクラップになったとか。
車、電車、航空機、船舶、その他の乗り物は刻一刻と進歩してる以上、古い世代の
物は自然と廃棄されていく運命なんですね。
あと、『我等が生涯の最良の年』という映画のリンク先を拝見しましたら
興味がわいてきましたので、見てみたいと思います。
このたびは、ありがとうございました。
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