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債権者が不真正連帯債務者の一人に対して債務の免除をした場合、他の債務者の残債務をも免除する意思を有していると認められるとき以外は、他の債務者に免除の効力は及ばない。
らしいです。(最判平10.9.10)

例えばAとBが連帯して不法行為をしてしまい、Cに対して不真正連帯債務を負った場合、
Cの損害が100万円として
CがAの債務を免除したとすると
Bが一人でCに対して100万円支払わなければならなくなります。

なんかひどくないですか?

もし将来、誰かと共同で不法行為をしてしまった場合は被害者と共謀できそうです。自分だけは10万円で許してもらうなど・・・


あと、普通の連帯債務契約の場合は
連帯債務者の一人を免除した場合は、そいつの負担部分の免除は他の連帯債務者にも及びましたよね?

よろしくお願いします。

A 回答 (2件)

最初の回答は論理的におかしい。


よって「前段について」を全面的に撤回して以下のように訂正する。

全然ひどくない。
なぜなら、連帯債務であっても元々CはBに全額100万円払う義務があることに変りはないのだから。不真正連帯債務もまた連帯債務である以上、債権者は連帯債務者の一人に全額を請求することができるし、それに対して請求を受けた債務者は全額を弁済しなければならない。
つまり、免除せずに全額支払を請求されれば結局払わねばならないのである。
そこで、連帯債務においては免除に絶対効があるから免除すれば負担割合について、他の債務者も義務を免れることができる。しかし、不真正連帯債務においては、相対効なので他の債務者は義務を免れない。
ここだけ見れば確かに不合理にも思えるが、それは求償の問題として解決すればよいだけである。
不真正連帯債務と言えども、負担割合と求償が認められる場合があることを件の判例は認めている。通常の連帯債務であれば、免除の絶対効により、他の連帯債務者も免除を受けた債務者の負担部分につき債務を免れる関係上、求償権も当然消滅すると考えるべきであるが(と言うか、そもそもの立法趣旨が、簡易な決済を目的としている。つまり、免除を受けた債務者は初めからいなかったのと同じ扱うことで法律関係を単純化する。)、免除を相対効とする不真正連帯債務ではそのようなことはないと考えるべきである。実際、免除を受けた不真正連帯債務者は求償を受けないとは件の判例は一言も言っていないし、そんな学説もないだろう。
とすれば、結局、絶対効と考えようが相対効と考えようが、最終的な債務者の負担は同じである。最終的負担が同じならば、別に全くひどくはない。
もし仮に求償ができなくなるというのであれば、確かに「ひどい」話ではあるが。

そして、求償ができるのであれば、免除が無意味になるというのは短絡である。
そもそも、連帯債務における免除の絶対効が不合理であるとされる理由は、債権者の予想に反した不利益を受けるおそれがあるからである。つまり、免除したところ、債権者の知らない債務者間の事情である負担割合によって債権者の予想外に債権が消滅してしまうのは理不尽だということである。
ならば、相対効にすると何がよいかと言えば「債権者の意思によって判断する」という事例判断による解決ができることである。決して、相対効を認めると、免除しても常に他の債務者は全額を負担し、かつ求償ができるというわけではないのである。
判例の事例でも「当然に免除の効力が及ぶものではない」「乙の残債務をも免除する意思を有していると認められるときは(中略)乙に対しても(中略)免除の効力が及ぶ」と言っている通り、あくまでも免除する債権者の意思によって決めるべきだとしているのである。

そこで、質問のように、共同不法行為者の一方の債務を全面的に免除しておきながら他方には全額を請求するというのは、債権者の合理的意思としてはかなりおかしな話である。
すると、証拠関係にもよるが、そもそも全額を免除したのは他の債権者にも請求しない趣旨であったと認定して請求を認めないという解決も可能である。
あるいは、おかしな話ではあるが、他の証拠によっては、連帯債務と同様に負担割合分を免除したと考えて、一部認容ということも可能である。
あるいは、おかしな話ではあっても、そもそも単純に一方の債務者に請求をしないとしただけで、決して債権を放棄したわけではないという認定も可能である。
あるいは、それ以外の妥当な認定もありえるだろう。
つまり、相対効とすることでどんなメリットがあるかと言えば、硬直的な結論を回避して、事例に応じて柔軟な判断ができるということにあるのである。
これが決して無意味でない、むしろ、有意義であることは理解できるであろう。

いずれにしても、実体法上の問題として考える限り、債権者の一方的な行為によって債務者が自己が負担すべき額以上の賠償義務を負うのは明らかにおかしいのであり、それを妥当に調整する理論的な構成を採るべきなのは当然のことである。
後は、その当然のことを理論的にいかに構成すべきかという問題でしかなく、理論的にどうしようもないならいざ知らず(そのような場合は、両当事者のどっちかに負担を押し付けざるを得ない場合である。しかし、本件は明らかにそうでない。よって、理論的にどうしようもないことなどない。)、理論的に何ら問題なく妥当な解決が図れるなら、そのように理論を構成すればそれで足りるのである。

この回答への補足

yamato12O8さん、
色んな質問に答えて頂いてありがとうございました!

補足日時:2011/06/04 23:46
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この回答へのお礼

回答ありがとうございます!

不真正連帯債務の免除を相対効とするのは債権者の意思に沿うようにするためとは言え、完全に債権者の自由に債務者を決定できるわけではなく、その辺は無理やり事実認定するんですね…

ん~どうなんですかね…


そもそも連帯債務における免除の絶対効が不合理であるとされる理由が債権者の予期しない効果を発生させる恐れがあるからと言いますが、

むしろ債権者なら、免除する額くらい認識しているべきでは?と思います。
結果を予期しない債権者がおかしいと思うのです…
それとも予期しえないものなのでしょうか…

また相対効にした場合、免除をしたにもかかわらず、その分を他の債務者の負担にするなんて、債務者の方こそ、予期せぬ効果が発生すると思います。(あとで求償できるは理由にならないと思います)

両方(真正・不真正)絶対効でいいと思うけどな~…

お礼日時:2011/05/31 18:10

質問前段について。



全然ひどくない。
なぜなら、仮に免除しなくてもCはBに全額100万円払う義務があることに変りはないのだから。不真正連帯債務もまた連帯債務である以上、債権者は連帯債務者の一人に全額を請求することができるし、それに対して請求を受けた債務者は全額を弁済しなければならない。免除しようがすまいがそれは同じであるから、免除が相対効であることは、大して重要ではない(そもそも通常の連帯債務の免除の絶対効すら、立法論として不合理といわれているくらいである。)。
そして、たとえCがAの債務を免除したところで、Bが全額弁済した場合にAに求償できるかどうかは別問題である。不真正連帯債務と言えども、負担割合と求償が認められる場合があることを件の判例は認めている。よって、後は求償の問題として処理すればよいだけである。通常の連帯債務であれば、免除の絶対効により、他の連帯債務者も免除を受けた債務者の負担部分につき債務を免れる関係上、求償権も消滅すると考えるべきであるが(と言うか、そもそもの立法趣旨が、簡易な決済を目的としている。つまり、免除を受けた債務者は初めからいなかったのと同じ。)、免除を相対効とする不真正連帯債務ではそのようなことはないと考えるべきである。実際、免除を受けた不真正連帯債務者は求償を受けないとは件の判例は一言も言っていないし、そんな学説もないだろう。もし仮に、求償ができなくなるというのであれば、確かに「ひどい」話ではある。

後段は既に上で触れているが、その通り。
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この回答へのお礼

回答ありがとうございます!

私の挙げた事例で、BはAに求償できる可能性があるんですね!
そこを知らなかったです・・・

ただ仮にBがAに求償できるとするなら
CのAに対する免除は事実上無意味ではないでしょうか。

Cは初めからAにもBにも全額請求できます。

CのAに対する免除は「免除」というより「あなたには請求しないよ」という意味でしかなく、

Aは何も免れないんですね・・・

まぁ、それでもやっぱりお金は手出ししたくないものだし、将来Bから求償されるとしてもAにとってはありがたいのかな?

お礼日時:2011/05/26 03:45

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