中学一年生くらいの時に、星新一の本に出会って、わー、面白いな、って思って、
それから中学、高校と、たくさん本を読んできました。
大学二年の頃くらいまで、読みたい本はたくさんあって、
毎日、何時間も図書館にいたり、自分の部屋で文庫を広げていたりしたのですが、
ここ一年ほど、もう、めったに読みたい本が見つからなくなりました。
筒井康隆が好きで、全部の作品を、何度も読みました。
今でも、手持ち無沙汰なときは、彼の本を広げます。
他に、村上春樹、ボルヘス、芥川龍之介、夏目漱石などを中心にして、
読んできました。
綺麗な文章を、ゆっくりと時間をかけて読むのが好きです。
しかし、今、芥川龍之介が新刊を出すわけもなく、
最近の作家が書く本は、なんだか、テレビドラマの台本みたいな本ばかりのようで・・。
何か、これぞ、という作家や本があれば、是非教えて下さい。
宜しくお願いいたします。
No.3ベストアンサー
- 回答日時:
読みたくないときは読まないのが一番ですが、かといってそうも
いかんのですよね。活字がない時間が耐えられない。
私も中学生のとき出会って以来、筒井康隆は全部読みました。
初期のも好きですが特にひとつと言われたら…『驚愕の曠野』かな。
で、そういう私からのアドバイスとしてはヌーボーロマンとか
ウリポのひとたちのような実験小説関係はどうでしょう?
筒井氏もたびたびコメントしているアラン・ロブ=グリエなど。
とても読みにくい(難解ではなくて、なにも起こらない、といった
ことで。あえてまあそうしている部分もあるわけですが)
けど、『嫉妬』には感動しました。あ、でも古本屋を巡らないと今
手に入らないでしょうね。
それから、月並みかもしれませんが、南米文学。マルケスとかリョサとか
です。
そうそう、ハンガリーのひとですがF・カリンティの『エペペ』も良かったですね。
筒井氏が『みだれ撃ち潰書ノート』で絶賛してたので読んでみたのですが。
翻訳ものにもまだ面白いものは転がっているかもしれませんよ。日本語の
美しさってのはないかもしれませんが…。原文を読めばいいんでしょうけどね。
『驚愕の曠野』! 僕も大好きですよ。
書き出しが、すごくいいですよね。
何度も、何度も読みました。
僕も、筒井康隆で一冊挙げろと言われたら、これかもしれません。
ヌーヴォーロマン、ウリポというのは馴染みのない言葉ですね。
ウリポなんて、本当に初めて聞きました。
実験小説の類は大好きなので、もしよければ、
そのあたりの作家について、もう少しだけ教えて下さいますでしょうか。
ロブ=グリエ、カリンティ、マルケス、リョサは、筒井康隆が好きな作家ですよね。
マルケス「族長の秋」だけは半分ほど読んだのですが、
筒井康隆の言うように「爆笑につぐ爆笑」とはならず、
ラテン=アメリカ文学には、自分は不向きなのかなあ、なんて思ってしまいました。
是非、もう少しだけ、ご教授下さい。
是非是非、お願いいたします。
No.10
- 回答日時:
「驚愕の曠野」からすると、物足りなさがあると思いますが、
椎名誠の「水域」「アドバード」はどうでしょう。(椎名誠でも私小説ではありませんからご安心を)
お礼を読んだところ、SFのお勧めでも構わないかな、と思いまして、
「大潮の道」マイクル・スワンクゥィック
「インテグラル・ツリー」ラリィ・ニーブン
2点ともハヤカワ文庫のSFですが、異形の世界の魅力にあふれています。
endersgameさん、教えていただいてありがとうございます。
「驚愕の曠野」は、この問答を傍観なさっていて、
まだ読んだことのない方があれば、是非手にとって欲しいと思う作品でした。
椎名誠「アド・バード」は、日本SF大賞か何かを受賞した小説ですよね。
中学生の頃、途中まで読んだのですが、
その時に併行して読んでいた数冊のほうにのめり込んでしまって、
半端なところで投げ出してしまいました。
「水域」という小説は聞いたことがありませんでした。
「大潮の道」「インテグラル・ツリー」とも、初めて聞いた小説で、
また興味深い小説が眼前に出現したことに、とても嬉しく思います。
連日、思いもよらなかった作家や、全く初見の書籍などを、
たくさんの方々から次々と教えていただき、
至福の書籍探索生活を送っています。
このまま、回答を締め切らずに、コミュニケーションの場として、
置いておきたい気持ちがするのですが、そうもいきませんよね。
うー。
No.9
- 回答日時:
あんまり何度も書くのもアレだと思うので控えようとしていたのですが
忘れ物をしまして…。
あ、かんべむさし氏ですか。筒井氏に心酔してたようですね。
「水素製造法」など、面白かったですね。清水義範も、「国語入試
問題必勝法」など良かったけど、あれ、こう並べて見ると似てるなあ、
どちらも試験ものですね。「脱走と追跡のサンバ」の試験シーンも
思い出すなあ。直角三角形の定義。
…すいません、さっさと用を終えて帰ります。
レーモン・クノー「文体練習」は邦訳が最近出てます。
ジョルジュペレックも「人生使用法」以外にもいくつか翻訳が出て
います。上には上がいるもので、私の友人はこれや「e」のない小説
などを原書で読んでいました。
それで、忘れ物というのはその友人に勧められた作家です。全部
読んだわけでは無いのですが、イタリアのイタロ・カルヴィーノ。
邦訳出てますが、もう、絢爛豪華なまでに実験実験して
おります。「冬の夜ひとりの旅人が」の冒頭。
「あなたはイタロ・カルヴィーノの新しい小説『冬の夜ひとりの旅人が』
を読み始めようとしている」
もう、ノリはおわかりでしょう。しかもロブ=グリエよりずっと平易です。
よい紹介ページがあったのでご紹介しておきます。
ああ、「ハザール事典」のミロラド・パヴィチもいたなあ。忘れちゃ
いかんなあ…って、本当にキリがないのでこれを最後といたします。
追伸:私も柳瀬尚紀氏はあまり。というのは、彼本人は面白いと
思っているらしいダジャレ的当て字がまず鼻につくので。いや、
オリジナルのフィネガンズ・ウェイクなどが元々つまらない冗談なの
かもしれませんが。あの漢字を割り振ったところで、それだけでは
感動できない…。
参考URL:http://www.asahi-net.or.jp/~jr4y-situ/shelf/calv …
この回答への補足
最初に質問を書き込んでから、あらましご回答も出尽くしたようなので、
ここでQ&Aを締め切らせていただきます。
ご回答下さった方々、ほんとうにありがとうございました。
Head_Syndicateさん、こんばんは。
かんべむさし「水素製造法」は、星新一が誉めていました。
一度読んでみたいのですが、手にはいるかな・・。
レーモン・クノー「文体練習」の翻訳が出ているとは驚きました。
勿論興味津々です。
筒井康隆「残像に口紅を」の試みに夢中になった者としては、
是が非でも読んでみたいという、強烈な吸引力を感じさせます。
ジョルジュ・ペレックを原書で読むというのは凄いですね。凄すぎ。
そういえば、いま筒井康隆は、A・ビアス「悪魔の事典」の翻訳をしているそうです。
そんなのいいから、新しい小説を書いて欲しいのですが。
ご紹介下さった、イタロ・カルヴィーノの小説の冒頭を読んで、
思わず手を打ってしまいました。
これだ! と思いました。
参考URLもブックマークに入れて、ゆっくりと拝見させていただいております。
早川SF文庫で本を出しているのですね。純文学者かと思いこんでいたので意外です。
ミロラド・パヴィチというのも、聞いたことがない作家です。
詳しくお話を伺いたい気持ちで一杯ですが、あまりお手数をかけてもいけませんね。
少しは自分で調べようと思います。
柳瀬尚紀は、そう、あの駄洒落がちょっと。
「翻訳困りっ話」で「こまりっぱなし」と読ませるのは、ちょっと・・ いかんですよ。ねえ。
ワープロの機種を変えただけで、訳文が大幅に変わりそうなところが、うーん。
もうこれで最後、などと言わないで下さい。
また何か思い出したら、是非、教えて下さい。
まだまだ聞きたいことがいっぱいだし、もっと教えていただきたいのです。
今まで周囲に、ラテン=アメリカ文学だの、実験小説だの、
そういったことについて教えてくれたのは、筒井康隆だけだったので・・。
気が向いたらで結構ですから、是非、また教えて下さい。
心から、楽しみにしております。
No.8
- 回答日時:
星新一から筒井康隆、というのが私と同じパターンだ、と嬉しく思いましたので回答させて頂く事したのですが、今日御質問を開いてみると、なんとまあ、恐ろしく高尚に盛り上がってますね。
ラテンアメリカ文学祭りのようであります。筒井康隆ファンを自認しておりましたが、これは私のレベルではついていけません。実は筒井康隆も、虚構船団以降は難解でよく判っていませんし、戯曲の類いは好きではありません。似非ファンである事をあらかじめカミングアウトしておきます。そういうわけで、レベルの低い筒井康隆ファンのその後の読書傾向、の御案内です。
私が星新一よりも筒井康隆が好きなのは、パワー感です。エスカレートの方向性が気に入っています。星新一はスマートすぎました。
で、横田順弥、小松左京、眉村卓、半村良、阿刀田高、小林信彦、などを読みかじってみましたが、どれもいまいち、ツボにはまりませんでした。
一番愉しめたのは、かんべむさし、でした。「原魚ヨネチ」とか「環状0号線」とか、筒井康隆にイメージが似ていると思います。ただ、作品数が少なくて、すぐに読破してしまえるのが難点ですね。
今いちばん気に入っているのは清水義範です。筒井康隆とくらべると、どうも優等生の文系人間のニオイがするのですが、単純にわははと笑い声が出てしまう面白さです。「永遠のジャック&ベティ」とか「蕎麦ときしめん」なんかがとっかかりには適当だと思います。教育大学の卒業で教員免許を持っているとの事で、文章は平易です。パスティーシュ作家って事で、パロディと同じようなもんだと思うんですが、有名作家の作風に仕上げたものなども多くあり、元を知っていればより以上に楽しめるのではないでしょうか。
名古屋がらみのネタ、学校ネタ、パソコンネタなど、ややテーマに偏りがあるようにも思えますが、まあ飽きるまでは結構万人受けするように思います。
以上、お呼びでないのを承知で発言させて頂きました。失礼致しました。
星新一から筒井康隆、というのが同じであるばかりでなく、
その後、とりあえず手を着けてみた作家までが、そっくりです。
小林信彦、阿刀田高、小松左京・・。
うお、みつけたっ、って思える作家には巡り会えなかったのも、一緒です。
ただ、小松左京の短篇には、幾つか凄いのがあったようです。
今ではハルキ文庫でたくさん売ってますよね。
個人的には、ハルキ文庫のは活字が大きすぎて、なんだか、
本の神秘性というか、妖しさみたいなものが無い気がして残念です。
かんべむさし、は一度も読んだことがありません。
古本屋に行かないと、手に入りませんよね。
清水義範は「国語入試問題必勝法」というのを、中学生の頃に読んだきりです。
それは面白かったのですが、それ以後全く無視しておりました。
かんべむさしも清水義範も、死ぬまで縁の無い作家かと思っていましたが、
是非手にとって、読んでみたいと思います。
びたみんぱわーさん、ありがとうございました。
No.7
- 回答日時:
下の方々がたくさん本を紹介しているので、具体的なおすすめはやめておきます。
かわりにアドバイスとして「本が読みたくなる方法」をお教えします。
それは、今まで気にしていなかったジャンルでも、手に取ってあらすじを読み、興味を示すことです。
自分では想像もつかなかった面白さを発見したり、「興味なーい」と食わずギライを起こしていた分野も、あんがい面白かったりするものですよ。私はこれで、まったく興味のなかった「詩」の良さを発見しました。
へえ・・。素敵なアドバイスありがとうございます。
全く興味ないと思いこんでいるジャンル、かあ・・
たくさんありますよ。たくさんたくさん。
時代小説、海外ミステリー、ノンフィクション、戦記物、人生のアドバイス本、とか・・
ちょっと違うジャンルも、のぞいてみようかな。
エラリー・クイーンとか面白いかなあ・・
視野を広げてみようと思います。
sydneyhさん、本当に、ありがとうございました。
No.6
- 回答日時:
リクエストにお答えして。
(この質問システムだと、個人同士のやりとりに移行するのがやりにくいですね。それともなにかyudohuさんだけに連絡する
手段はあるのでしょうか?)
『驚愕の曠野』、あの切なさや感動はなんと表現すればいいのか。手法に
感動する…と言うだけではないですよね。いわゆるストーリー的(というのが
語弊があれば、古典的でリニアな)小説では絶対に味わえなかったものがあり
ます。
さて、ヌーヴォーロマンは特定の特徴を持つというより、1950年ごろからフラ
ンスに現れた作家群への総称ですね。日本歌謡曲における「ニューミュージッ
ク」みたいなものでしょうか。ロブ=グリエの他にビュトール、サロート、
クロード・シモンなどがいますがひとくくりにまとめるのは無理があるようで
す(全部を私は読んだわけではありませんので…そういう説明をよく見ます)
あとマルグリッド・デュラスもこの中に含めるようですが、私はちょっと…。
そうそう、ロブ=グリエでは「迷路の中で』『覗くひと』が最近講談社文藝文庫
で出てます。どちらもたいそう読み難いですが。『覗くひと』のほうが良かっ
たかな。あとこの秋にカムバックして新刊が出るとの話もあります。
ウリポはジョルジュ・ペレック、レイモン・クノーらが作ったグループで、
フランス語で「実験文学工房」という意味の語の略だそうです。
「人生使用法」という、あるアパートのある時点での光景を詳細に描くもので、
そう、筒井氏ので言うなら「上下左右」みたいな図のものを、もっと執拗に綿
密に描写したようなものと言えるでしょう。索引がついていて、各部屋にある
置物などが辞書のように並んでいたりします。描写の順番などにも仕掛けが
してあって…まあすごいものです。
ほかにペレックは「e」の文字を使わない小説とか(これに対抗心を燃やして
『残像に口紅を』を筒井氏が書いたのは有名な話)、逆に母音はeしか使わな
い小説とか、ギネス級の回文となっている小説とかを書いていますが、これら
は邦訳されていません(はず…ですがひょっとしたら訳してるかな?柳瀬尚紀
氏あたりが)。
レイモン・クノー氏も、「文体練習」という、「バスにのってどこかへ行く
途中、足を踏まれて怒った男を見た、2時間後にそいつは別の男と話していた」
ってだけの話を99の異なる文体で書いたものがあります。
ちょっと長くなりすぎましたのでこのへんで。
たくさんいますよね。でも、やっぱり普段は、面白い作家は少ないよなと感じ
るのは、ファンの欲目なのかなんなのか。
お待ちしておりました!
興味津々のご回答を頂きありがとうございます。
確かに、この掲示板のシステムだと、個人間での会話に移行する際に難渋してしまいますね。
メールでやり取りできればいいのかもしれませんが、
それだと、このQ&Aを読んで下さっている第三者の方と、副次的に情報を分かち合える事が
出来なくなるし、むずかしいところです。
『驚愕の曠野』は、仰るとおり、ただ主人公に感情移入して物語を追う、などといった感動とは、
全く異なりますよね。
河出文庫版の、あの挿し絵や文章のレイアウトが生む効果もまた見事だと思います。
ロブ=グリエ、クロード=シモンの二人は、名前だけ知っていますが手に取ったことはありません。
ビュトール、サロートなんて全く聞いたこともありませんでした。
ジョルジュ・ペレック「人生使用法」については、筒井康隆「本の森の狩人」で紹介されていたので、
なんとまあ凄い本もあるものだ、と、強い印象と共に、その存在だけは知っています。
Head_Syndicateさんは、この本を読破なさったのでしょうか。たいへんな読書家ですね。
ウリポの作家達の本が読めると良いのですが、とても翻訳されてはいないでしょうね。
話はそれますが、僕は柳瀬尚紀氏は好きになれんですよ。
ちくま文庫「不思議の国のアリス」も、言葉遊びに夢中になったのか、実に読みにくかったし、
「フィネガンズ・ウェイク」なんてワープロの漢字変換に、余りに頼りすぎです。
筒井康隆「文芸時評」のあとがきも、筒井康隆のフリをして書いているのですが、
文章での演技が上手とは、とても言い難いですよ。いかんですよ全く。
面白い作家が少ないと思うのは、見識高い証明なのかもしれないぞ、
と思ったりもするのですが、違うのかなあ。違うみたいですね。
「人生使用法」だけは、読んでおきたいな。
色々レクチャーして下さり、ありがとうございました。
心から、感謝申し上げます。
No.5
- 回答日時:
村上春樹と筒井康隆が好きなんですね?そうした嗜好を考慮して100%の自信を持ってお薦めします。
小林恭二「電話男」
「小説伝」
「ゼウスガーデン衰亡史」
中島らも「今夜、すべてのバーで」
「ガダラの豚」
原田宗典「スメル男」
江國香織「流しのしたの骨」
心おきなくお読みください。特に小林恭二を初めて読んだ時、「筒井っぽい…」と感じたのは僕だけでしょうか?
小林恭二って、筒井康隆のお気に入りの若手作家ですよね。
筒井康隆は激しく誉めていましたが、僕は「瓶の中の旅愁」の、最初の数ページを読んだだけで、
殆ど食わず嫌いをしておりました。
「電話男」など、あらためて関心を惹きつけられます。
中島らも「今夜、すべてのバーで」は読んだことがあって、大変面白かったです。
これ以外では「人体模型の夜」を読みました。
この本の中の、タコの足に捕まって溺れてしまう、エイトアームズなんとか、っていう話のオチが、
だいぶん最初の方で読めてしまって、この作家そのものに興ざめしてしまいました。
「ガダラの豚」は、そういうトラウマを吹き消す威力があるのかもしれませんね。読んでみたいです。
原田宗典も、中学の頃に一冊だけ読んだきりで、江國香織にいたっては、
あれだけ評判になったのに、一度も手にとったことがありませんでした。
narisさんも、きっと筒井康隆と村上春樹が好きなんですよね。
これらの本も、きっと面白いのでしょう。
現代作家に、これだけ読みたい作家が見つかったことに嬉しくて仕方がありません。
ありがとうございました。
No.4
- 回答日時:
ガルシア=マルケスは私もお勧めします。
「予告された殺人の記録」の文庫が手に入りやすいと思います。池波正太郎も、日本語が美しいと思います。芝居畑の方だからか、音も良いし、絵心があるからか、行間や字面も良いです。鬼平は女性としても理想。おまさになってついてゆきたい…(お読みになればおわかりになります)
お好みはクールな作家のようですが、夏目漱石の弟子筋で、中勘助と内田百閒はお読みになりましたか?
中勘助だと、「デーバダッタ」(うっ漢字が出てこない)「犬」あたりがよろしいかと…
内田百閒は、大変奇妙で非情な人、という味わいがあります。「東京日記」だったか、夜の都会を狼が走ったり、ボルヘスばりの「件」、等々お勧めです。
この両者は、もし未読でいらしたら、ちくまの、一作家一冊の日本文学全集(文庫サイズ)が手始めとしてよろしいかと思います。
大岡昇平は、文体が端正な点からお勧めです。小説では「野火」、他にスタンダールの翻訳が引き締まった文体でとても良かった。
やはり、ガルシア=マルケスですか。
「予告された殺人の記録」は、何としてでも読みたいと思います。
池波正太郎なんて、自分とは全く関係の無い世界の作家だと思っていましたが、
ここにいたって認識を改めなければならないようです。
中勘助の名前が出てきたのには驚きました。
恐ろしく的確なアドバイスだ、と思ったからです。
実は、中勘助の詩集がどうしても読みたくて手に入らず、
一体、いつ頃、どの出版社から出たのかを、この「教えて!goo」で質問したことがあります。
心優しい、幾人かからのご回答により、
岩波文庫の「中勘助詩集」を大学の図書館で見つけたのは、つい最近のことです。
中勘助は「銀の匙」しか読んだことが無く、「犬」なんて無視していました。
失礼なことに、一作品だけ成功した作家だと思っていました。
彼の作品には他に「母の手」なんていうのもありますよね。これも手に取ってみようと思います。
内田百閒も、夏目漱石のお弟子さんなのですね。
彼の名前は知っていますが、作品はひとつも読んだことがありませんでした。
ボルヘスばりと聞いては、気にせずにはいられません。
大岡昇平についても、僕にとっては殆ど未知の作家でした。
スタンダールなどという名前だけで、どきどきしてしまいます。
そういえば、ボルヘスの著作を訳している、鼓直氏の訳文を読んでいて、
もうちょっとなんとかならんか、もう少し綺麗な文章に、と歯がゆく思ったのを思い出します。
まだまだ、僕にとって魅力的な作家はたくさんいるのですね。
僕が散策するべき書物の伽藍は、予想以上に広いようです。
それを教えて下ったことに、深い感謝をささげます。
No.2
- 回答日時:
三島由紀夫の「豊饒の海」全4巻はお読みになりましたか?
日本語の美しさを実感します。本当に素晴らしい作品です。
ワイルドな冒険的小説でしたら、船戸与一さんの作品をおすすめします。
イチオシは「砂のクロニクル」全2巻。やはり文庫になっています。ロマンもあります。
作家としての力量を感じるのは、はやり司馬遼太郎さんだと思います。
殆どの日本人が知らないような難しい言葉を、わかりやすく解説しながら文章に著しています。やはりロマンですね~。
吉村昭さんの作品も素晴らしいです。全てを読破した訳ではないのですが、「羆嵐」(くまあらし)という、北海道の開拓時代にあった羆の被害(実話)の本です。これは本当に、ヘタなオカルト作品などよりはぜんぜん怖いです。
テレビドラマにもなった池波正太郎さんの「鬼平犯科長」はお読みになりましたか?主人公の長谷川平蔵は、わたしの理想の男性像です。
女性ファンも多いから、みんなそうだと思うなぁ・・・。
本は本当にいいですよね。
三島由紀夫は「美しい星」ほか短篇をひとつふたつ読んだだけです。
「豊饒の海」なんて、無視していました。
さっそく読んでみたいと思います。
船戸与一の作品は、福田和也に「小説になっていない」なんて言われてましたね。
しかし「砂のクロニクル」とは魅力的なタイトルです。
最近、芥川賞を受賞したんですよね。
全く気にしていなかった作家なのですが、一度手に取ってみます。
吉村昭は、恥ずかしながら、名前しか知りませんでした。
「羆嵐」という本、探してみますね。
池波正太郎もまた、全然気にしていなかった作家なのですが、
少し関心が出てきました。
色々教えていただきありがとうございました。
No.1
- 回答日時:
綺麗な文体の作品は読みやすくていいですよね。
私も、芥川竜之介を初めとして綺麗な文章の作家の本は読んでいます。
そんな私の好きな作家・オススメの作家を紹介します。
山本周五郎
歴史小説ですが人情物が多くココロ暖まります。短篇が多いですが
「モミの木は残った」は上下二冊の長編小説です。
中上健次
もう亡くなってしまった作家さんですが、独特な世界があって面白いです。
登場人物が多くその点は難しいかもしれませんが、和歌山を中心とした
情景描写がとても綺麗で、中上ワールドを思わせます。
「岬」「枯木灘」「地の果て至上の時」「鳳仙花」の順で読むと面白いと思います
井伏鱒二
私はあまり読んでいないのですが、文体が綺麗で尚且つ難しい。
ゆっくり読むにはオススメだと思います。
もしかして、もうお読みかもしれませんが参考までに。
ご回答いただきありがとうございます。
中上健次「枯木灘」だけ、自分の部屋の本棚にあります。
とりあえず買っただけで、まだ読んでないのですが・・
山本周五郎、井伏鱒二とは、何と魅力的なご教授でしょうか。
中上健次を含め、この三人の本に、さっそく取り組みたいと思います。
居ても立っても居られません。今から本屋に行きますね。
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