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「ご苦労さまでした」は、目上の者が目下の者に、「お疲れさまでした」はその逆ですか、というのがこの掲示板での FAQ になっていると思います。

時代劇などを見ていると、殿様は部下に「ご苦労であった」と言い、侍は上司に「ご苦労でございました」などと言うのが一般的で、「お疲れさま」 というせりふはあまり聞かないのですが、この「お疲れさま」はいつごろから日本で使われるようになったのかご存知の方がおられましたら教えてください。

A 回答 (1件)

方言としての「オツカレ」には「今晩は」の意味になってもいますが、逆に「おやっとさあ」(鹿児島弁)など全国一帯に「お疲れ」の意味の言葉はあったのでしょうが、実際に「御疲(おつかれ)に御座りましょう」といった表現が小説に現れるのは明治中期あたりからのようです。


それに「さん」や「様」を付けた言い方は明治後期に、特に旅館や料亭など接客業での婦人言葉として現れています。
これが一般の表現になってくるのは昭和10年代から戦後にかけてと思われます。あるいは戦争に関わる御役目やその慰労などが関係しているのかも知れません。
戦後では電車内アナウンスでの「みなさん、ながらくのご乗車お疲れさまでございました。」(近鉄車掌接客用語例)などが全国的に広まるきっかけとも見られます。
(参考:奥山益朗編「あいさつ語辞典」東京堂出版)

1.甲信地方のあいさつ語(午後~夕方の声掛け言葉)
「甲州から信州のやや広い区域に掛けて、オツカレと言われるのも旅人には忘れられません。」(柳田國男「毎日の言葉」)
甲州弁…おつかれなって
(甲州弁の「おつかれなって=今日も一日、お疲れ様」は労った言い方です。)
http://www3.ocn.ne.jp/~kaionji/kurabea.html
http://www.weblio.jp/content/%E3%81%8A%E3%81%A4% …
(「ずっと昔から「おつかれー」という挨拶は「今晩は」という意味で使われてきた。」)
http://www.okadanouen.com/hougen3.html

2.御疲れ
「嘸(さぞ)や御疲(おつかれ)に御座りましょうが」(幸田露伴「風流仏」明治22(1889)年)

3.お疲れさん/お疲れさま
「「お早いお着つき。」 「お疲れ様で。」と下女おんな共が口々に出迎えまする。」(泉鏡花「湯女の魂」明治33(1900)年)
「「ヘイ……どうもお疲れ様で……お流し致しましょう」」(夢野久作「斬られたさに」昭和9(1934)年)
「漸く「さらば青春」のフィナレが終った。おつかれさま、本当に。」(古川緑波「古川ロッパ昭和日記」昭和11(1936)年)
「おつかれさん 犬馬の労 骨を折って…」(太宰治「HUMAN LOST」昭和12(1937)年)
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この回答へのお礼

詳しい解説ありがとうございます。

> これが一般の表現になってくるのは昭和10年代から戦後にかけてと思われます。

ということなので、時代劇などに出てこないのは当然ですね。

お礼日時:2012/09/19 13:12

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