電王戦第四局を見て気づいたのですが、
現在のプロ棋戦における持将棋の規定って、
・たがいに入玉し、詰ませる見込みがなくなり、
・双方とも24点あれば引き分け、24点に満たないほうが負け
というのものです。
この規定だと、
・24点に満たないほうが入玉せず(四段目で待機)に成り駒で自玉を守備し、
・事実上「お互い詰ませる見込みがなくなり」の状態を維持
すると、
持将棋規定が発動せず延々と手数が伸び、すると必然的に(100年くらいかかるかもしれませんが)、
いずれ「同一局面4回による千日手が成立」することになります。
この不備を回避するには、「入玉した側の宣言で(相手の入玉の状態によらず)持将棋判定を行う」
と改める必要があると思われます。
(入玉判定はもう少し細かく、たとえば自玉から2マス以内に成り駒を5枚以上配置とか規定が必要でしょうけど・・)
以前、米長-谷川戦での事例が千日手規定の改定につながったように、今回の(幸い、公式戦でなかったのですが)事例を契機に持将棋規定を改定すべきではないかと私は思うのですが、識者のみなさんはどうお考えですか?
No.5ベストアンサー
- 回答日時:
質問者の意見に全面的に賛成。
女流最強戦の長谷川山口戦の一件もあったので、入玉については条件を満たした側から宣言できるようにすべきだと思います。長谷川山口戦の一件とは、点数がはっきり足りなくなっても投げない長谷川に対して立会人の村山慈が投了を勧告した一件のことです。将棋世界3月号P200参照。
この回答への補足
ご指摘ありがとうございます。
その記事、読み飛ばしちゃってました。
いま、手元にないので後日、さっそく記事を確認します。
わりと簡単なルールの詳細化で解決する問題なので、とっととやればいいんですよね。
それこそ、はやりの「今でしょ」ですよね。
記事を読むことができました。
大逆転で投げ切れなかった心情はわからないではないですが・・・。
たとえばこれが山口初段が1分将棋になっていて、どうしてもトイレを我慢出来なくなっていたら・・・・。
(囲碁界にはトイレルールがあるらしいですね)
ルールの改定(詳細化?)を促す事例として捉えて欲しいものです。
なお、アマの大会規定などの特殊な場合を除き、「将棋のルール」は全世界共通であるべきで、
その役割を担っているのは日本将棋連盟以外にはないと確信しています。
他の誰でもない、日本将棋連盟自身にこのルール改定を行って欲しいと切に願います。
貴重な情報提供ありがとうございました。
他の皆様にも改めて、ここから御礼申し上げます。ありがとうございました。
No.4
- 回答日時:
NO.3 です。
お礼,拝読しました。中に疑問・質問が含まれていましたので再度回答します。
funoe さんは,相当な腕前の方とお見受けしましたので,将棋の歴史及び対局規定の変遷等については,省略いたします。
1.持将棋規程の不備な点。コマの点数配分が不条理です。大駒5点その他の小駒1点では,金銀が泣きます。対局中は,歩よりも桂香それよりも金銀を大切にと,初歩者にも教え,実戦でもそのように指し進められます。特に歩は駒数も多く,犠打・捨て駒にも再三利用されます。その歩と金とが最終段階では同じ1点では,盤上の努力が水の泡・・・と思いませんか? 駒数の比率からも非合理です。
2.「疲れを知らない」は,負け惜しみではありません。生理学的問題です。棋士は体調管理も個人の責任ですが,電脳は人に管理されなければ自身ではメンテナンスも出来ず,反面,電力さえ供給されれば疲労を感じることもない。計算速度は,「1秒間に数百万~数千万手を読み、人間は1秒間にせいぜい数手くらい」のハンディ,それなら持ち時間も人間1に対して電脳数百万分の1,とするのがフェアーな規則ではないかと提言しているのです。段位差のことなどは関係ありません。
3.将棋のハンディの与え方については,若い頃からいろいろ考えて見ました。例えば後手番の二歩を認める。そうすると明らかに後手有利。近年思い立ったのが「後手番のみの打ち歩詰め解禁」です。これなら出現頻度は少ないにしても,後手番が意識的に局面実現への戦略を練ることで,新戦法開発も期待出来ます。どうお感じですか?
4.私が主張したいのは,棋士が一局毎に全精力を打ち込んで,しかも恥ずかしい棋譜を残したくない為に心血を注ぎ,時には寿命をすり減らしているのに対して,電脳にはそのような意識も健康上の問題も存在しないという,その不公正です。マスコミが現在の棋界の発展に寄与してきた点は認めるとしても,生身の人間と高度な計算能力を持つ電脳を闘わせて,その結果を,円形闘技場で猛獣と奴隷の決闘を楽しむかのように囃し立てる,そのマスコミ根性を非難したいのです。
「むしろ真剣に向き合っているプロ棋士の先生方に失礼ではないかと危惧しているところです。」
失礼なのは大人と幼児に腕相撲をを闘わせて(計算能力差の例えです),幼児の腕力を評価しようとするマスコミやファンの方ではないかと,憤りながら傍観せざるを得ないことなのです。
1.持将棋判定の点数配分について
kamobedanjohさんと私とでは「将棋とはそもそもなにか」の考えが違うのでしょうが、
私は将棋は相手の玉を詰ますことが本来の唯一の目的であるべきと考えています。
(いや、もちろん、「棋は対話なり」といった、はるかに上位の目的もありますけどね)
その意味で、持将棋は本来引き分けとすべきものであり、アマ大会の勝負にこだわる(大会運営上こだわらざるを得ない)27点法と異なり、
プロ棋戦で24点法によっておおらかに「引き分け」とする姿勢はより将棋の本質に近いと考えているものです。
その意味から、駒の種類ごとに点数の差別化をはかりその大小を細かく規定しようとするのは私の将棋観とは相容れないものです。
3.先手後手のハンディについて
そうですね。2歩を認めると、それは飛車落ちや二枚落ちに匹敵する大差のハンディになっちゃいますね。
古典駒落ちで歩三兵というハンディがあります(した?)が、上手だけ2歩が許されるのでかなり戦えますよね。
とても先手後手の差の代替になるようなものじゃないですね。
例えば相矢倉で1歩もった後手が△8六歩打ときたらもう受けられないですもんね。
逆に打ち歩詰めの解禁は、「なんの影響もない」くらいのものですよね。
プロ棋戦でも打ち歩詰めが生じるのって1年に1~2回くらいとしたら0.1%に満たない影響ということですからね。
例えば「先手の初手1六歩限定」(あるいは初手9六歩限定)ってのが、
「ちょうどよいハンディ」だと思っていますが将棋の本質に関わるので、本気で主張する気にはなりません。
以上、kamobedanjohさんのご回答によって、改めて将棋について考える良い機会となったことを御礼申し上げます。
なお、
2.コンピュータとのハンディについて・・
4.棋士が一局毎に全精力を打ち込んで・・
これらについての意見交換は不毛と考えますのでコメントしませんが、kamobedanjohさんがコンピュータをお嫌いだということはよくわかりました。
ただ、コンピュータやソフトにはその開発・改良に日々取り組む人間たちの存在があることを少しだけ考えていただきたい・・。
No.3
- 回答日時:
電力さえ供給されれば疲れを知らない電脳と,生身の人脳を闘わせること自体が,ルール違反だと思いませんか。
その勝敗の結果を,鬼の首でも取ったかのように騒ぎ立てるマスゴミ。囲碁や将棋を理解できない記者連中が,ゴミのような記事を書いているだけです。電脳ソフトに,投了の意思表示出来るくらいの義務づけしなくちゃ。
ルール改正を言うなら,先手後手のハンディ規程の方が先決です。囲碁の世界では,とっくに実現されています。四子局でプロ棋士に勝ったと騒ぎ立てる記者もマスゴミも,囲碁を全く知らないもののタワゴトです。アマでも有段者なら,電脳の勝利は当然と考え,珍しいことが起きた程度の反応しか示しません。五子・六子の指導碁で,下手が勝って喜ぶ気持ちは理解できますが,その事を自慢げに吹聴するその心根は,哀れと言うしか有りません。
規則改正するとすれば,1分間に数百万通りも計算できる電力消費脳と,数百通りの能力しか無い生体脳との思考時間制限に,能力相応のハンディを与えるべきです。電脳が投了しなければ,人間が死ぬまで闘わされるようでは,平等とは言えません。
そもそも,人とライオンを裸で闘わせるようなゲームに,熱中するのはローマ人的発想です。
ご回答ありがとうございました。
私の質問はあくまでコンピュータソフトの問題ではなく持将棋の課題についてなので、求めている質問への回答にはなっていませんが、関連する事象として理解を深める一助としたいと考えます。
kamobedanjohさんは電王戦の開催そのものに反対なのですね。
電王戦の是非については、いろいろなお考えの方がいることを承知しています。
ただ、15年以上前(このころのソフトはまだ弱かった・・・)からのご意見ならばいざ知らず、人間(プロ棋士)が追いつかれそうになってから、
「疲れを知らない」だの「駒も持てないくせに(←kamobedanjohさんではないですが)」などと負け惜しみのようなことを言い出す論調には逆に人間(プロ棋士)への尊敬が感じられずにはいられません。
プロ棋士の皆さんは真摯にソフトの差し手の内容を吟味検討して「弱点もあるが一目置かざるを得ない部分もある」と向き合っています。
「電気がないと動けないくせに」「休憩中も考えるくせに」「正座できないくせに」「駒を落としたら拾えないくせに」などのイイガカリのようなご意見は
むしろ真剣に向き合っているプロ棋士の先生方に失礼ではないかと危惧しているところです。
電王戦についてのマスコミの扱いが、無知ゆえに礼を欠くこともあるでしょう(といか、礼を以って接する気がない?)が、
それは電王戦の開催是非よりさらに別テーマの電王戦とマスコミの関係の問題です。
テーマをどんどんすり替えて論点をぼやかしてしまうのは不毛なのでここでは保留しましょう。
ところで、kamobedanjohさんは「先手後手のハンディ規定」という問題意識をお持ちのご様子。
確かに囲碁では五目半のコミを中国などの先進国の改定を受け六目半になおすなど先後のハンディ調整をする良い手段がありますが、将棋においてはなにか妙案、ありますかねぇ?
いままで、こればかりはしょうがない問題として真剣に考えたことはありませんでしたが、なにか腹案でもおありでしょうか? おありなら、ご紹介いただきたいものです。
「1分間に数百万通りも計算できる電力消費脳と,数百通りの能力しか無い生体脳との思考時間制限に相応のハンディ」
例えばこれは、初段と三段の対局では初段に時間を多く与えようということでしょうか。強いものが同じ時間で多く正しく考えることができるってのが将棋の本質なのでは。
ちなみに、電王戦に出ているソフト(+ハード)では、1秒間に数百万~数千万手を読み、人間は1秒間にせいぜい数手くらい(以前、先崎八段が1時間で読んだ手を数えて1時間(3600秒)で数千手と書いていました)だそうですね。
>電脳が投了しなければ,人間が死ぬまで闘わされるようでは,平等とは言えません。
ご存知ないようですが、ソフトは「投了」はしますよ。自玉が詰んだらもちろん投げますし、必ずしも即詰でなくても、「自玉のつめろが解けず、相手玉が詰まない」ときなど投了する市販ソフトは既にあります。
kamobedanjohさんのご意見は、いろいろなお考えの一つとして非常に参考にはなりました。
よろしければ、もともとの質問である「持将棋規定の不備?」についてもご意見をお聞かせいただければ幸いです。
No.2
- 回答日時:
将棋は単なるゲームではなく、日本文化の象徴でもあります。
日本文化とは何か。対局者の合意で決着をつけるということです。だから持将棋も対局者が合意すれば成立します。逆に言えば、局面がどうなろうとも対局者が合意しない限り持将棋にはならないんです。それをルールの不備と認識するのは、将棋が日本文化の象徴であるという側面を見落としています。将棋は勝敗を決める為だけの道具では無いのです。今回の一件に関して言えば、電王戦固有の問題なんです。人間からコンピュータに対してどうやって持将棋を提案すれば良いのか。その提案を受けてコンピュータはどう応答すれば良いのか。コンピュータから持将棋を提案する時はどうすれば良いのか。そういう3つの問題があったわけです。そういう問題が想定されたから、電王戦は立会人に大幅な権限を与えるなどのローカル対局ルールが設けられたわけです。
今回の電王戦についていえば、将棋を知らない人にも関心をもたれていますが、それゆえに勝敗だけが過度にクローズアップされる一方で、将棋の日本文化の象徴だという側面が見落とされているようです。
質問者さんが言われるように持将棋については規定を改定すべきなのかも知れません。コンピュータ対局やネット対局が普及するにつれてコンピュータにも実装可能、運用可能な規定が必要になってきているとはいえましょう。とはいえ拙速なルール改定には賛成できません。将棋とはそもそも何なのか。そういう立脚点を見失ってはなんにもなりません。
ご回答いただいたことはうれしい限りですが、今回の事例をコンピュータであるが故の問題と矮小化するのは、まったく正当でないと考えます。
もちろん、現状のコンピュータソフトは持将棋の申し入れ、受諾、更には点数計算に基づく着手選択などの機能が含まれていないようですが、それはプログラミングすれば容易に達成できる問題です。
現状のソフトの機能不備を言い訳に問題の本質から目を背けてはいけないと考えます。
人間同士の対局で23点しかない側の玉将が四段目待機戦術をとったときどうなるか、というのが課題なのです。
双方の玉が寄らなければいずれ「同一局面4回」が生じてしまうのです。(局面のバリエーションは有限なのですから)
この課題に対応するためにルール改定(というより詳細化)が必要ではないか、改定するならどのようなものが妥当か、を識者の皆さんに問うているのです。
そのため、稚拙ながらも、
・入玉した側の宣言で(相手の入玉の状態によらず)持将棋判定を行う」
・入玉判定はもう少し細かく、たとえば自玉から2マス以内に成り駒を5枚以上配置とか規定が必要
と私案を提示しているのです。
mekuriyaさんは「改定が必要かもしれない」とおっしゃっていますが、その背景をコンピュータソフトやネット将棋という別の問題に帰着させようとしている風に読み取れます。
大前提として「将棋とはそもそも何なのか」を据えることにまったく異論はありませんが、ではどうすれば良いのかをお考えの様子が汲み取れません。
No.1
- 回答日時:
そうかもしれませんね。
そのような例はないと思うので、正確にはわからないです。多分、プロもわからないのではないかと思います。
ただ、永遠に入玉しないとなると、入玉した方は、自分の玉を完全に安全にしたまま、成り駒をもう一度自陣に引き戻し「すべて金以上」という状態にして相手玉を攻めることができるのですから、「詰む見込みがある」のかもしれません。
入玉規定は、究極的には、対戦者同士で「これはもう見込みがなさそうですね」と同意で決めることですから、ここは棋士の「ジリ貧は恥」という勝負師の美学に委ねれれているのかもしれません。
早々のご回答ありがとうございました。
プロ棋士の先生方って、この手の問題に消極的というか、興味がないというか・・。
積極的に発言している先生って少ないですよね。
(わずかに先崎先生や武者野先生のトライ提唱くらいでしょうかね)
とはいえ、質問にも記した「米長-谷川戦」では永遠に終わらないかもしれない局面が実現してしまって、
それを契機にルールの改正が行われたわけです。
実戦では、まさに「美学の具現者・谷川」が打開して結局負けてしまったわけですが、
ルール改定が行われた当時の背景としては「美学に期待してはいけない。棋士には生活が掛かっている。」という議論があったと記憶しています。
四段目に待機する玉将を捕まえることができるかは戦術的な研究が必要ですが、
直感的には、と金を成って自陣四段目まで引いてくるより、相手が三段目に垂らして四段目に引く方が早いといったことからやはり「捕獲困難」となると思われます。
実際、塚田九段の玉は四段目で待機していましたがとうてい寄そうもない状況でした。
単に美学に期待するよりも、改善できる部分は改定しようというのが将棋連盟のスタンス(千日手のときはそうでした)なのならば
今回の事例は持将棋規定改定の良い機会だと思うのですが・・。
なお、トライルールは入玉型や周辺巡りなどの詰将棋名作への影響があるため個人的には好きになれません。
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