プロが教える店舗&オフィスのセキュリティ対策術

十酸化四リン→P4O10 (分子式)
五酸化二リン→P2O5  (組成式)

P4(黄リン)→分子式
P(赤リン)→組成式

となっていますが、分子式は常温で気体のものですよね?
どうしてあの室内に置いておくだけで危険な黄リンは固体なのに分子式なのですか?

十酸化四リンも五酸化二リンも同じ物質で固体なのに分子式が使われるのですか?

理科に強い方、どうか教えてください。お願いします。

A 回答 (3件)

> 分子式は常温で気体のものですよね?



常温で固体なのに分子からできているものも、たくさんあります。分子からできている結晶のことを、分子結晶(または分子性結晶)といいます。

気軽に観察できる分子結晶の例としては、グラニュー糖があります。グラニュー糖は分子式C12H22O11のスクロース分子からなる結晶です。


> どうしてあの室内に置いておくだけで危険な黄リンは固体なのに分子式なのですか?

黄リン(白リン)はP4分子からできた結晶です。ですので分子式を使います。固体中でもP4どうしが結合していないことは、実験的に明らかにされています。また、黄リンの融点が44℃と低いことからも、P4どうしが結合していないことが推測できるのではないかと思います。黄リンは、P4分子どうしに働く分子間力(ファンデルワールス力)によって、常温で固体の状態を保つことができます。

赤リンの固体中では、リン原子がとても複雑につながりあっているので、簡単な分子式で赤リンを表すことはできません。ですので組成式を使います。


> 十酸化四リンも五酸化二リンも同じ物質で

少し修正が必要です。正しくは次の通り:五酸化二リンと呼ばれる物質には、分子からできている物質と分子からできていない物質がある。分子からできている物質の分子式はP4O10なので、分子からできている五酸化二リンを十酸化四リンと呼ぶ(こともある)。

分子からできていない五酸化二リンにもいくつかありますけど、そのうちのひとつの構造図が
http://en.wikipedia.org/wiki/Phosphorus_pentoxid …
にあります。

五酸化二リンという物質は存在します。十酸化四リンという名前は、この物質が分子からできていることを強調したいときや、分子からできていない他の五酸化二リンと区別したいときに使います。

ですので、別に強調したり区別したりする必要がない場面では、組成式P2O5で十酸化四リンを表してもかまいません。分子性の結晶では良くあることです。例えば鉄と硫黄の反応式

 Fe + S → FeS

では、左辺の硫黄は分子結晶なので分子式で書くとS8ですが、反応式をいたずらに複雑にするだけなので、ふつうは組成式Sで書きます。それと同じで、例えば十酸化四リンと水との反応式を

 P2O5 + 3H2O → 2H3PO4

と書いても間違いではありません。左辺のP2O5が、分子からできていない他の五酸化二リンではなく十酸化四リンであることを強調したいときには

 P4O10 + 6H2O → 4H3PO4

と書きます。


-----------
固体物質の化学式に組成式を使うか分子式を使うかは、分野/業界による慣習の違いも大きいです。例えば、常温のヨウ素固体は分子式I2の分子結晶ですけど、高校化学の範囲では、固体ヨウ素を含む化学反応式に組成式Iを使うと先生に怒られるんじゃないかと思います。科学的にはわりとどうでもいい話なので、微妙なところは、慣習に従ってください。
    • good
    • 1
この回答へのお礼

分かりやすく説明していただけて本当に嬉しいです!ありがとうございます!すっきりしました(^^)

黄リンがなんであんなにデンジャラスかも納得です。

お礼日時:2013/08/04 22:22

H2Oは常温で液体ですが分子式ではありませんか?



黄リン P4に関しては分子式か組成式かはあいまいです。
固体中ではP4どうしが結合しています。

また、五酸化二リンという物質は存在しません。
かつて、リンの酸化物の元素分析をしたところ、P:O=2:5
になったので五酸化二リンと呼ばれるようになりました。
現在では、分子式がP4O10になるとわかったのですが、
古い呼び名が残っているのです。P2O5は存在しません。
また、P4O10は分子式に分類されますが、これもちょっと
あいまいで、かなりイオン結合性が強いです。
ただ、高校化学では非金属元素の化合物で、ダイヤモンドや
二酸化ケイ素など以外は分子になります。
    • good
    • 0
この回答へのお礼

回答ありがとうございます(^^)

協力していただけて嬉しいです!

お礼日時:2013/08/04 22:27

「分子式は常温で気体のものですよね」が既に間違っているわけで.

    • good
    • 0

お探しのQ&Aが見つからない時は、教えて!gooで質問しましょう!