No.3
- 回答日時:
「断熱自由膨張」で、大学の授業等での質問かと思いましたが、
もしかすると、高校や大学受験の方でしょうか?
だとすると、最初の答えは不適切な部分が多いので、
訂正しますから、わからない部分を教えてください。
この回答へのお礼
お礼日時:2016/10/23 22:50
大学の授業での質問です。物理化学という授業なのですが、苦手です…。
不適切なところがあったのですか?詳しく教えていただき、ありがたかったです。
ただ、「力学的環境が真空で、自由膨張するとき、系内部の環境付近の圧力pは不定となります。」という内部に疑問をもっています。お手数ですが教えていただけませんでしょうか。
No.1
- 回答日時:
図のように、気体を系として、力学的環境との境界(ピストンやしきり板の表面)を想像してください。
準静的過程では、系内部の圧力pと環境の圧力p(e)について、p=p(e)とします。
この時、系の体積変化がdVの場合、環境の体積変化は(-dV(e))で、系のした仕事p*dVと環境のされた仕事p(e)*dV(e)の大きさは同じで、仕事を系・環境のどちらで評価してもいいのですが、
力学的環境が真空で、自由膨張するとき、系内部の境界付近の圧力pは不定となります。
結果、仕事は環境側でしか評価できず、p(e)*(-dV)=0*(-dV)=0となります。
これで、第1法則のdU=熱0-仕事0から、dU=0となります。
また、カルノーサイクルで出てくる、等温操作と断熱操作は最も重要です。
・環境から熱を吸収する場合、最大の吸熱量が得られるのは等温操作です。
・1つの温度の環境と熱をやりとしても、1サイクルで正味に得られる仕事は0なので、
仕事を得たい場合、2つ以上の温度環境が必要です。
・2つの等温操作はpV線図上で交わることがないので、これらを結ぶ操作が必要です。
・熱のやり取りが入ると、どうしても等温操作より効率が悪くなりますから、
熱をやり取りしない断熱操作が選ばれます。
(参考)熱の評価も、仕事と同様な事情があります。
系T=環境T(e)(つまり等温)で熱の移動を計算する時、
系のエントロピー増加がdS、環境のエントロピー減少が(-dS(e))とすると、
熱は、T*dS=T(e)*dS(e)となり、系・環境のどちらでも計算できますが、
一般の等圧変化や等積変化では、ほぼT<T(e)となり、系内の圧力や体積等を使って
吸熱量を求める必要があります。
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