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1) 気体の温度は分子一個あたりの運動エネルギーだと説明されると思います。この「分子一個あたり」の運動エネルギーが、私たちが(マクロに)認識する「温度」とどのように関連づけられるのでしょうか?どうして「分子一個あたり」なのでしょうか。
2) 液体や固体の温度を、気体のようにミクロに説明すると、どの「単位あたり」の運動エネルギーとなるのでしょうか。或は全く別の説明になるのでしょうか?
3) 例えば一様な温度の気体の中に非常に小さな温度計を入れたとき、温度計の感熱部全体が気体の温度と同じになって、その結果温度計は気体の温度を示すと思います。このとき温度計の温度と気体の温度は(ミクロな意味で)どうやって同じ温度になるのでしょうか。又、同じ温度というのはどういう意味になるのでしょうか?
どれか一つでも良いので宜しくお願いします。

A 回答 (11件中1~10件)

>衝突の問題に関し、まず一番簡単なモデルで理解してみようと思って


 (略) 
2つの粒子の運動エネルギーの平均は同じ値にはなりませんでした。

膨大な数の分子が、てんでんばらばらに動き回りながら衝突するのです。その全てについて"計算"するなどということはできません。一対一の衝突で代用できるものでもありません。とても、手計算で対応できる現象ではないのです。だからこそ、統計的な処理が必要になってくるのです。(現代はコンピュータで計算させることが可能なのかも)

僕が、具体的な衝突問題として数式を出さなかったのは、それを使って説明しようとしてもできない相談だからです。
でも、そのような神のみがなし得るような"計算"を実行しなくても、エネルギーが"移動"していること、そして、最終的にはエネルギーの移動が止まる(平衡状態になる)という事実を受け入れるならば、運動エネルギーが均質化したはずだということが理解できるはずです。

分子の衝突問題という単純な力学的な現象として見たならば、その運動は可逆的ですから、平衡に達するという(不可逆変化)条件を、どこかで組み入れなければならないはずです。そのギャップを埋めてくれたのが、膨大な数の分子の乱雑な運動を統計処理するという手法だったのです。
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この回答へのお礼

ありがとうございます。やっと少しわかった気がします。
温度が均一になるのは確率に支配される不可逆の現象だから、粒子の衝突のような確定的な理屈で理解しようと思っても無理だということになるわけですね。私は原理的に理解不可能な方法で理解しようとしていたようです。わかったのですがちょっと残念な気もします。確認のため追加質問させて頂きたいのですが、例えば空気中の窒素分子と酸素分子の運動の激しさを比較しようとした場合、温度は同じ筈だから平均運動エネルギーはどちらも同じ。従って速度の大きさの平均は軽い窒素の方がSqrt(8/7)倍速く、運動量の大きさの平均は重い酸素の方がSqrt(8/7)倍大きい、という理解は合っているでしょうか?固体の温度についてはまだわからない点があるのでもう少し考えてみます。理解が遅くてすみません。

お礼日時:2011/09/14 23:51

>温度が均一になるのは確率に支配される不可逆の現象だから、粒子の衝突のような確定的な理屈で理解しようと思っても無理だということになる



そういうことですね。原理的に説明不能だというのではなく、現実的には途方もない計算をしなければならないので無理なことだ、というわけです。

似た例に、公開鍵暗号方式がありますね。カギを公開しているのですから、計算にいくら時間を使っても良いなら、複号は可能なのですが、現実的には天文学的な時間を要するので、解けないと同じことだ、というのが原理でした。もっとも、こちらは、コンピュータや計算アルゴリズムの発展によって、以前には計算不能だったものが、計算できるようになってしまって、カギの桁数を上げているようです。

分子間衝突運動も、コンピュータを使ったシミュレーションはできるようになっているようですから、不可逆変化を"見る"ことができるようです。その結果、均質化することがわかるはずですね。それでも、先の書き込みで示したような計算をするのは、まだまだ先の話でしょう。統計的な処理によって見えてくる法則を、実際の運動から解き明かすことは、それなりに興味をそそる課題ですから、質問者さんのような意識を持った方は必要なのかも知れません。

>例えば空気中の窒素分子と酸素分子の運動の激しさを比較しようとした場合、温度は同じ筈だから平均運動エネルギーはどちらも同じ。従って速度の大きさの平均は軽い窒素の方がSqrt(8/7)倍速く、運動量の大きさの平均は重い酸素の方がSqrt(8/7)倍大きい

そうなると思います。
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この回答へのお礼

ありがとうございました。気体の温度の意味についてはおかげさまで少し理解が進んだと思います。固体の温度の意味についてはまだまだ分からない所が多いのですが、随分長くなってしまいましたので一旦ここで終わらせて頂いて自分の疑問を整理してみようと思います。

お礼日時:2011/09/16 00:03

連続しての書き込みをします。

すみません。

>ガラス管の剛体の例では、
(略)
剛体が一つの分子から1という大きさのエネルギーを受け取ることと、二つの分子から各々1という大きさのエネルギーを受け取ることに違いはあるだろう

このことで何を言わんとしているのか理解できません。

ガラス管は原子からできているものではないのですか?
ガラス管に気体分子がぶつかるとき、ガラス管の原子と気体分子とが衝突しているわけで、その意味では、原子や分子間の衝突と何も違わないと思うのですが。
ガラス管の原子が、1個の気体分子と衝突する場合と2個以上の気体分子が一遍に衝突する場合の違いを問題にする根拠は何ですか? できるだけ具体的に説明願います。

剛体という言葉で、何を強調したいのですか?
通常の意味での剛体とは、「大きさのある、変形しない理想的な物体」のことです(そのような物体は実在しませんが)。
実在しないことは不問に付すことにして、今僕たちが話題にしている問題を考えるに当たって、剛体を持ち出す意味合いとは何なのでしょうか?
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この回答へのお礼

ご回答ありがとうございました。

お礼日時:2011/09/16 00:03

回答No7を書き終えて。



なんだか同じことをお互いに書き続けているような気がしてきたので、これまでの、遣り取りを僕なりに見直してみました。

そのまとめを書いてみますので、読んでみて下さい。質問者さんの疑問が解消できるかも知れません。

いくつかのことについて、共通認識を持つことにしましょう。
(1)物体の内部エネルギーUとは、その物体が持っている熱エネルギーのことです。(内部エネルギーの定義ですね)
(2)物体の内部エネルギーUとは、その物体を構成している粒子(分子や原子)が持っている平均的な運動エネルギー(小文字のeで表しておきます。)の総和Σeです。(分子運動論や統計力学の知見です)
(3)単原子分子の理想気体の場合だと、気体分子1個が持つ平均的な運動エネルギーeと、気体の絶対温度Tとの間に、e=(3/2)kT という関係が認められます。(kはボルツマン定数です。) 実在の物体(気体でも液体でも固体でも)でも、e∝T と考えて良いようです。(分子運動論や統計力学の知見です)
(4)温度の異なる物体A,Bが接触して長時間そのまま放置されると、熱エネルギーが移動して、温度が等しくなります。熱平衡に達するのですね。(僕たちが日常的に目にしている現象です)
(5)温度の異なる物体A,Bが接触している間に起こっていることをミクロに見ると、接触面の辺りで、構成粒子同士が互いに衝突※を繰り返し、結果的に運動エネルギーの遣り取りをしています。(分子運動論や統計力学が依って立つ基本的な考え方です)
※固体の場合は、原子や分子の"運動"は基本的に"振動"ですが、それでも運動しているのですから、相手物体の原子や分子と接触すれば、エネルギーの遣り取りをすることになります。

さて、容器に、温度Tの、nモルの気体を封じ込めた状態を考えて下さい。この気体の内部エネルギーUは
U=a・n・T(aは適当な比例定数です)
と書けます。
ところで、容器に仕切りを作って、AとBとに2分してみます。2分しても温度は変わりませんよね。でも、Aの内部エネルギーは小さくなります。モル数が小さくなるのですから、当然です。Aの内部エネルギーをUA,その中の分子のモル数をn'とすると
UA=a・n'・T
です。この"分割"をどんどん繰り返していって、最終的に1個の分子にたどり着いたとしましょう。そのとき
e=a・n"・T
が成り立ちます(n"は1個の状態の物質量ですね)。これが先に書いた(3)の e∝T という意味です。
もし、単原子分子の理想気体なら a・n"=(3/2)k となっているわけです。
 
気体の温度は、"構成粒子1個の、平均的な運動エネルギーに比例している"のです。
 
質問者さんは、物体の内部エネルギーUが、温度の関数{(1),(2)}なのだから、物体の温度を知るためには、内部エネルギー(全体の総エネルギー)を知らなければならないはずだと思っていませんか?
でも、行論を辿っていただければわかりますように、気体を細分化していくにつれて、温度は変わらないのに、内部エネルギーはどんどん少なくなっています。つまり、内部エネルギーだけを知ったとしても温度を割り出すことはできないのです。内部エネルギーがいくらかという情報と、内部に分子が何モル入っているかという情報とが必須なのです。これは、繰り返しになりますが、分子1個の平均的な運動エネルギーを調べることにほかならないのです。
 
注意しておきたいことがあります。
内部エネルギーは温度の関数なのだから、2つの物体が同じ温度になっているときには、両者の内部エネルギーが等しいはずだ、などということは言えません。
物体Cの内部エネルギーUCは、Cを構成している粒子(分子など)の平均的な運動エネルギーecと総個数NCとで
UC=a・NC・ec
物体Dの内部エネルギーUDは、Dを構成している粒子の平均的な運動エネルギーedと総個数NDとで
UD=a・ND・ed
となっています。温度が等しいので、ec=edです。NCとNDとが必ず等しいとは限りませんよね。
ですから、UC<>UDです。温度が等しくても、物体の内部エネルギーが一致しているという保証は無いのです。
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この回答へのお礼

ありがとうございました。

お礼日時:2011/09/14 23:53

>両方の気体の分子量が違う場合に応用しようと考えるとわからなくなります。


>分子量が違うと、”熱運動の激しさが同じ”の意味が難しくなります。
(略)
>まず、各々の分子がぶつかった時に交換されるのは運動量なので…

運動量が交換されるとは限りません。同じ質量の小球同士が直衝突する場合、しかも完全弾性衝突する場合に限って、運動量が交換されるのです。衝突し合う物体の質量が異なる場合、直衝突でない場合など、一般的な衝突では運動量が交換される保証はありません。ですから
>分子同士がぶつかって均一になって行くのは運動量だろう
とは言えません。質問者さんも、別の推論から、運動量が交換されるという事態は起こっていないことに気付かれましたよね。

>このケースで温度が均一になる為には”熱運動の激しさ"は運動エネルギーでなくてはならないはずです

そのとおりです。大切なところですから、細かいところを省略せずに、正しく表現しておきましょう。
2物体の”熱運動の激しさ"が等しくなっているというとき、それぞれの物体を構成している粒子の、平均的な運動エネルギーが互いに等しくなっていることを意味している。
或いは、
”熱運動の激しさ"は、個々の分子・原子の運動エネルギーで評価することができる。
 
ところで、何故、運動エネルギーに着目すると、正しい認識に到達できるのでしょうか?
 
マクロに見ると、高温の酸素が入っていた部屋から、低温の酸素が入っていた部屋に、熱が流入したと考えられます。ところで"熱"とは、エネルギーの一形態ですから、熱エネルギーが流入したということは、エネルギーが流入したということを意味しているはずです。
そこで今度は事態をミクロに見ると、そこにあるのは酸素分子が動き回っている世界です。このミクロの世界でエネルギーと言えば、酸素分子が持っている運動ネルギーしかありません。ですから、酸素分子が互いに衝突し合う過程で、速度を変化させ、その結果として、運動エネルギーが移動していったとみるべきだということになります。
誤解が起こる可能性があるので、注意しておきます。
熱運動の激しさは、運動エネルギーで評価できますが、熱平衡にある2物体について、両物体の、それぞれの物体の運動エネルギーの総量同士が等しい、などと思わないでください。そこまで言ってしまうと言い過ぎになります。
 
障壁のところで、酸素分子がぶつかり合う様を想像してみましょう。
温度が異なる段階では、高温の酸素分子が持っていた運動エネルギーの一部が低温の酸素分子に与えられます。(運動エネルギーが"交換"されるわけではありませんよ。念のため。)
温度が等しくなった後では、(A)の部屋の分子が、衝突で、(B)の部屋の分子から運動エネルギーをもらう場合と、逆に(B)の部屋の分子が、衝突で、(A)の部屋の分子から運動エネルギーをもらう場合とが、同じ頻度で起こるようになり、ならしてみると、運動エネルギーの授受が止まってしまったように見えるのですね。その意味で、(A)(B)どちらの部屋の酸素分子も、その運動エネルギーは同じになっていると言っても良いわけです。ところで、このことは、酸素同士だったから、とか気体分子同士だったからという条件が有ったから起こったのではありません。2つの気体がどちらも酸素であったとしても、異なる気体であったとしても、いえ、もっと一般に、異なる物質であったとしても、両者の個々の粒子の運動エネルギーが同じになっている、と言えるのです。
しかし、両物体全体の運動エネルギー(個々の粒子の運動エネルギーの総和)が等しいなどと思ってはいけません。一般には、粒子数が異なるのですから、運動エネルギーの総量を較べたら、(A)が多いこともあるでしょうし(B)の方が多いこともあるでしょう。運動エネルギーの総量そのものから、その物体の温度を推定することはできません。個々の分子や原子の運動エネルギーからならば、温度を推定することができるのです。この辺の微妙な違いを理解していただけるでしょうか?


>もう一つ残っている疑問は、(略)固体の温度とは何か?という最初の疑問
>ガラス管のような固体がどのようにして気体から運動エネルギーを受け取るのか分からない

温度とは、その物体が個体であろうと液体であろうと気体であろうと、その物体を構成している分子・原子の"熱運動の激しさの度合い"です。運動エネルギーを伝える様は、上の方で述べた"解説"で答えています。


>気体とガラス管との間で授受する運動エネルギーの大きさは、気体分子の平均速度が同じでも、ガラス管に当たる気体分子の数が多い程大きくなるのではないかと思います。(これが圧力が気がかりな理由です。)

やはり、質問者さんは、物体の全体が持っているエネルギーしか見てないのですかねぇ。
繰り返しますが、1つ1つの分子や原子が持っている、熱運動に伴う運動エネルギーの大きさは、温度の目安になります。しかし、物体全体の運動エネルギーは温度の目安にはなりません。同じ運動エネルギーを持った分子であっても、個数が多ければ、総量としての運動エネルギーはいくらでも大きくなりますし、同じ温度の物体が少しの粒子で構成されているなら、物体全体の運動エネルギーの総量は小さくなります。

この回答への補足

ありがとうございます。衝突の問題に関し、まず一番簡単なモデルで理解してみようと思って、一次元の運動で互いにぶつかり、それぞれ反対側の壁に跳ね返されて永久に衝突を繰り返す、重さの違う2つの粒子の動きを計算してみました。2つの粒子の運動量の絶対値の平均は同じ値になりましたが、2つの粒子の運動エネルギーの平均は同じ値にはなりませんでした。単純化しすぎたのかもしれませんが、平均的な運動エネルギーが等しくなるように平衡する理由は、ミクロな意味では簡単に理解できそうにはありません。
ガラス管の剛体の例でのは、物体の全体が持っているエネルギーを考えている訳では無くて、ある剛体が一つの分子から1という大きさのエネルギーを受け取ることと、二つの分子から各々1という大きさのエネルギーを受け取ることに違いはあるだろうと考えました。粒子と粒子が1対1でぶつかる場合とは話が違うと考えています。
何れにしても気体分子1個の平均的な運動エネルギーが温度表すという事実は事実として疑っていませんが、何故そうなるのかがまだわかりません。もう一つ回答をいただいたので良く読んでみます。気体を仕切って行く説明はうまく納得できるかもしれません。ほんとうに丁寧に対応して頂いて、大変有難うございます。

補足日時:2011/09/13 01:19
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この回答へのお礼

ありがとうございました。

お礼日時:2011/09/14 23:52

>"マクロに認識する温度"…(略)…気体とガラス管は熱平衡してて同じ温度になる



申し訳ありません。

>熱抵抗や熱容量、熱伝導率や熱伝達率、対流や輻射などの概念
>膨張、収縮したり、…エネルギーを使って相変化…
>気体から温度計のガラス管へ熱伝達し、それが温度計の熱容量…温度計の熱容量分…

これらの概念は、私達が考えようとしている"温度とは何か"という議論には、取り敢えず不要です。


わたしなりに、書き直させていただきますと

物体に、熱エネルギーを与えると温度が上がりますが、大きさのある物体の一端(表面)から熱エネルギーが与えられると、熱エネルギーは物体の中を徐々に伝わって行き、最終的には物体全体に蓄積されます。
水銀温度計で気体の温度を測っているとき、熱エネルギーが温度計に流入し、温度計内を伝わって行きます。熱が温度計に蓄えられていくと、やがては、水銀と気体とが熱平衡の状態になり、それ以上の熱の流入が止まったように見える状態に達します。この間、水銀の体積は膨張していきますが、最終的には水銀柱の先端が○○℃の目盛りを指し示すようになる。

と言いたいのだと理解しましたが違いますか? これは"熱"の移動と、その結果、物体に起こる変化を語っているのであって、"温度"の概念については何も述べられてはいません。


>何故気体と温度計のガラス管の温度が平衡するのか
(どのようなメカニズムで、両者の温度が同じになるのか、という意味ですね。あるいは、両者が熱平衡の状態になる過程はどのようになっているか、という意味ですね。)

平衡になると言うことは、両者が、何らかの意味で"同じ状態"になったということを意味しています。
気体と温度計とが熱平衡の状態になっているというのは、気体分子群の熱運動と、温度計の原子群の熱運動とが、同じになった状態ということです。

気体と固体では議論が複雑になるので、もっとも簡単な例で"熱平衡"を説明します。

いま、1つの容器を隔膜で2分し、片方の部屋(A)に低温の酸素、他方の部屋(B)に高温の酸素を入れたとします。両方の部屋の体積、それぞれの部屋の圧力、それぞれの部屋に入っている分子数は異なっていても構いません。初め2つの部屋は、熱的に分離されており、互いに影響し合わないようになっていたとします。この状態で平均的な分子に着目すると、低温の酸素の分子は、高温の酸素の分子に較べて、動きが鈍いです。熱運動の激しさが異なるのです。
さて、2つの部屋を隔てていた隔壁を、分子そのものは通さないが、こちら側の分子が相手の部屋の分子とぶつかり合うことができるものに交換したとしましょう。
衝突によって、個々の分子の速度は変化しますから、徐々に(A)の部屋では、速度を増した分子が増え、(B)の部屋では、速度が遅くなった分子が増えてきます。長い時間を経過しますと、両方の部屋の分子の速度分布が等しくなって、それ以上変化が起こらなくなったように見えるようになります(この後はいくら時間が経過しても、それ以上の変化は一切起こらなくなることは、想像できることでしょう)。
 1つ注意です。こうなっても、衝突はずっと続いていますから、個々の分子に注目すれば、速度は変化し続けています。単に、(A),(B)の部屋のどちらで見ても、各部屋に含まれる分子のうち、速度が増してくる個数と減じてくる個数とが等しくなってしまうに過ぎません。だから、見かけ上変化が起こらなくなっているのです。

この状態を指して、(A)と(B)とが"熱平衡状態になった"と言うのです。両方の部屋の酸素分子は、"運動の様子"がそっくりになっていますから、片方の部屋酸素分子を、相手側の部屋の酸素分子と区別することができません。これを指して、温度が等しくなったと言うのです。
原子・分子自体が他方に移ることがなくても、互いに自由に衝突し合える状態になっていれば、必ず、全体が熱平衡の状態(熱運動の激しさが同じ状態)になっていくのです。これを、私達は、両者の温度が等しくなった状態と観測しているわけです。
一般に、温度が異なる2物体を接触させて置く(衝突が起こるようにしておく、という意味ですね)と、両物体を構成している原子・分子間で速度の交換が行われ、熱運動が均質化してきます。


>気体とガラス管(温度計という意味ですね)の温度が同じであるということは何を意味するのか

上に述べたことで、この問いにも答えたことになりますね。
"熱運動の激しさが同じになった"
同じことですが
"分子・原子の速度分布が同じになった"
ということです。

"熱運動の激しさ"とは、単に、速く動いているかゆっくり動いているかを意味しているに過ぎません。2つの部屋の圧力がいくらであっても、両方の部屋の分子が同じような速度で動いているならば(気体分子が密集していようが、疎らになっていようが、個々の分子が同じ様な速度で動いているなら※)、それを同じ温度だと、私達は感じるのです。温度計を差し込めば、同じ目盛りを指すのです。

※たとえて言えば、 容器の中に1[km/s]で動く分子を100個詰め込んだ状態でも、同じ容器に1[km/s]で動く分子を5000個詰め込んだ状態でも、個々の分子の動きは同じで区別できません。これを私達は同じ温度の気体だと観察するのです。


>気体分子がより激しく動き回ると、温度は上がりますが、同様に圧力も上がります。私がわからない所は、言い換えると、小さな水銀温度計が気体の温度を測るとき、測定されるのは何故「圧力」ではなくて「温度」なのか、ということになります。

こう言っては、みもふたもないのですが、
温度計を差し込むと、温度がわかる。これは私達が日々実践してわかっていることです。その際に圧力を必ず測っているかと言えば、そんなことはないですよね。圧力を測定することは必須なことではないはずなのです。

なぜ、圧力を問題にしないことが気がかりなのでしょう?

この回答への補足

いただいた回答について自分で考えたり調べたりしてみましたが、まだ疑問が残っています。隔壁の例はA、Bの気体が両方とも酸素である場合について理解できました。しかし両方の気体の分子量が違う場合に応用しようと考えるとわからなくなります。分子量が違うと、”熱運動の激しさが同じ”の意味が難しくなります。まず、各々の分子がぶつかった時に交換されるのは運動量なので、分子同士がぶつかって均一になって行くのは運動量だろうと考えました。もしそうだとすると、例えばBが酸素よりも軽い窒素なら、平衡状態の平均運動量はA=B、平均速度はA<Bで、温度はA<Bの状態で平衡することになってしまいます。でもこれは明らかに誤りです。このケースで温度が均一になる為には”熱運動の激しさ"は運動エネルギーでなくてはならないはずですが、それでは最初の疑問に戻ってしまいます。
もう一つ残っている疑問は、相手が水銀温度計のガラス管のような固体の場合です。これは固体の温度とは何か?という最初の疑問に通じます。ガラス管のような固体がどのようにして気体から運動エネルギーを受け取るのか分からないので、仮にガラス管を剛体のようなものだと考えると、気体とガラス管との間で授受する運動エネルギーの大きさは、気体分子の平均速度が同じでも、ガラス管に当たる気体分子の数が多い程大きくなるのではないかと思います。(これが圧力が気がかりな理由です。) だから多分、ガラス管を剛体のようなものだと思ってはいけないのだろうと思うのですが、それでは代わりにどのように考えれば良いのかがわかりません。

補足日時:2011/09/11 23:55
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この回答へのお礼

度々すみません。書き直して頂いた内容と私の疑問点は正確にご指摘の通りです。有難うございます。解説いただいた内容は良く考えさせて頂いて、もし疑問が残っているようでしたら補足を入れさせて頂くかもしれません。その際には宜しくお願いします。

お礼日時:2011/09/10 22:38

>しかし、2番目の式、{N(1/2)mv^2}/V=k・Tはどうやって求めるのか。


 
kは単なる比例定数の意味で書いたものです。ボルツマン定数ではありません。
 
僕が伝えたかったのは、分子1個の運動エネルギーの値を頼りに温度を調べても、複数の分子の運動エネルギーの和を頼りに温度を調べても、同じことだということでした。
この微妙な言い回しをしているところを、良く汲み取っていただきたいのです。運動エネルギーが温度だというようなことを、決して述べていません!

繰り返しますが、温度とは

物質を構成している原子や分子の熱運動の激しさの度合いです。
~~~~~~~~~~~~~~~=======~~~~

それ以外の何ものでもありません。

どのくらい激しく動き回っているかを示す指標だと理解すべきです。
~~~~~~~~~~~~~~~~

個々の原子・分子のエネルギーが温度なのではありません。


数式は、単なる説明の方便に使ったに過ぎません。数式にばかり拘泥すると、ことの本質を見失います。一旦は数式を離れてお考えになることが肝要かと思いますよ。

温度とはどのようなものなのかを、ご自身できちんとイメージできてから、数式を眺めるべきです。僕は不用意に数式を持ち出してしまったと後悔しています。
 
"マクロに認識する温度"という言い方をなさっていますが、このような表現で、何を指し示しているのか理解できないのですが(^^; 、ちょっと関連するかな、と思いますので,以下に温度計で温度を測るとはどういうことかについて書いてみます。
 
温度計の目盛りが、或る温度を示すのは、どのようなメカニズムによるのかを考えてみましょう。水銀温度計を例に取ってみましょう。温度計には、温度計を構成している原子があります(ガラスを作っている原子だったり、水銀の原子であったりしますが)。
水銀温度計が20℃を示しているとしましょう。水銀温度計の仕組みはご存じでしょうが、水銀は、温度によって体積が変化します。20℃では20℃のときの体積を持つのです。この体積を占めることによって、水銀柱の先端が20という目盛りの位置に来ているわけです。
水銀温度計は、水銀の体積をもとにして温度を指し示しているわけです。温度そのものを示しているのではないのです。温度計が実際に示しているのは、水銀の体積なのです。水銀の体積から、温度を知るわけです。
 
何故、水銀は温度が変わると体積も変わるのでしょうか?
高温の物体に触れていれば、水銀も熱くなりますから、水銀原子の熱運動が激しくなります。そのため、近傍の水銀原子からの引力に逆らって、より遠い位置まで動き回れるようになります。
イメージしてみましょう。ゴム紐で互いに繋がれている子供が、動き回る速度が小さければゴム紐に引き戻されてしまうので、あまり離れることができませんが、より速く動けるようになると、以前よりはより遠い地点まで離れることができるようになりますから、子供を見いだすことができる範囲は広くなっていきます。
これが、”膨張”する仕組みです。
 
つまり、温度計という装置は、測定したい物体の分子の熱運動と、温度計の構成原子の熱運動を同じにし、その熱運動時の体積を利用して温度を知ろうとする装置なのです。
 
では、測定する物体と温度計の熱運動が、どうやって同じになるのでしょうか。
20℃の気体分子は、その温度に見合った熱運動をしています。言い換えれば、温度に見合った速度で動いていると言えます。気体に温度計を差し込むと、気体分子が温度計の原子と衝突し、速度を変化させます。その様子を大雑把に言うと、激しく動いている分子はゆっくり動いている分子を強く"蹴"って、相手が速く動くように作用し、自身はその分少しゆっくり動くようになります。気体と温度計との接触面付近では、このように、気体分子と温度計の原子とが絶えず衝突していて、時間が経つと、気体分子の熱運動の速度と、温度計の原子の熱運動の速度とが同じなっていきます(熱平衡と呼びます)。両者の熱運動の激しさが同じになると、それ以上速度の変化は起こらなくなります。水銀温度計の水銀はこうして、気体分子の熱運動の激しさと同じ激しさの熱運動をするようになり、体積が増加し、気体の温度に対応した目盛り位置まで、水銀柱の先端が伸びる。こうして私達は、気体の"温度"を知るわけです。
水銀原子が、気体と同じ激しさの熱運動をするためには、多数の気体分子が入れ替わり立ち替わりしてぶつかってくる必要があります。小さな温度計に較べて気体分子の個数は膨大ですから(厳密に言えば、気体分子のいくつかは、衝突によって速度を減じていますが)、気体の総体としては、速度はずっと同じままとみなしても構いません。

この回答への補足

私の疑問に度々丁寧にご対応いただきありがとうございます。しつこくて申し訳ありません。でもまだわかりません。
気体分子がより激しく動き回ると、温度は上がりますが、同様に圧力も上がります。私がわからない所は、言い換えると、小さな水銀温度計が気体の温度を測るとき、測定されるのは何故「圧力」ではなくて「温度」なのか、ということになります。

"マクロに認識する温度"という言い方は、変な表現で申し訳ありません。他に適当な呼び方が思いつかなかったのでこう呼ばせて頂きました。エネルギーを与えると温度が上がり、それが熱抵抗や熱容量、熱伝導率や熱伝達率、対流や輻射などの概念を使って伝わったり蓄えられたりする様子等を指します。温度に従って物が膨張、収縮したり、ある温度を境に物がエネルギーを使って相変化したりする様子もそうです。もう少し曖昧な表現もお許しいただけるのなら、「熱い」と感じることも入ります。
水銀温度計が気体の温度を測っているとき、気体から温度計のガラス管へ熱伝達し、それが温度計の熱容量に蓄えられて温度計の温度が上がって行く様子や、又温度計の熱容量分を暖めるのに必要な時間が経てば、気体とガラス管は熱平衡してて同じ温度になるということは、上のような概念を使った理屈の範囲ではわかっているつもりです。

わからない所は、何故気体と温度計のガラス管の温度が平衡するのか、気体とガラス管の温度が同じであるということは何を意味するのか、という部分です。これを気体分子の熱運動と、温度計の構成原子の熱運動を同じにする、というようにミクロに捉えた時、気体分子の密度は何故平衡したときの到達温度に寄与しないのでしょうか。

補足日時:2011/09/10 04:46
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この回答へのお礼

ありがとうございます。

お礼日時:2011/09/10 22:38

No.1です。



>温度は分子一個の運動エネルギーに比例すると思うのですが、違うでしょうか?

そうですよ。
No.1に重要な結論を書き忘れましたが、質問文にある「温度=分子1個当たりの運動エネルギー」ではなく、「温度=分子1個当たりの運動エネルギーを表す『指標』」と思えば理解しやすいでしょう。

>分子の数が増えて圧力が上がっても分子の平均速度が変わらなければ「私たちが認識する温度」が上がらないのは何故なのか

そんなことはないでしょ。
例えば、水や石の温度が40℃を超えると熱くて触れませんが、サウナだったら100℃くらいは平気でしょ。
これは、気体と液体や固体の密度(つまり、皮膚にぶつかってくる分子の数)が1000倍くらい違うからです。

人間が感じる温度は、皮膚(の下の温度神経)にどれ位の運動エネルギーで分子がぶつかってくるかですが、これだと客観性がないので、温度を客観的に表示する「温度計」が発明されました。

温度が上がれば分子や電子の運動エネルギーが大きくなるので、気体であろうと液体や固体であろうと(相変化がなければ)運動する範囲が広がるので体積は膨張するし、金属や半導体の熱起電力は大きくなるし、放出される赤外線のエネルギーも大きくなります。
温度計は、アルコールや水銀の体積変化、異種金属間の熱起電力の差、半導体の起電力、赤外線の波長などから温度を表示するものです。

この回答への補足

ありがとうございます。マクロな温度の概念と気体分子の運動エネルギーとの関係について分からない点を整理するための質問を考えてみましたので補足・追加質問させてください。
50℃100kPaの窒素が入った大きな容器と、50℃200kPaの窒素が入った同じ大きさの容器と、があったとします。(この仮定上の「温度」は、T=(1/(ck))mv^2+273から求めたものだとします。)
両方の容器内の窒素分子一個あたりの運動エネルギーは同じですが、後者の容器内の分子の数と密度は前者の2倍です。
両方の容器に小さなアルコール温度計を入れます。
温度を普通の(マクロな)意味で考えた時、温度が上がる速さは後者の温度計の方が速いかもしれませんが、小さな温度計が十分暖まるまで待てば2つの温度計は同じ50℃を示すと思います。2つの温度計のガラス管も、50℃になっているはずです。
ぶつかる気体分子の濃度が違うのに、2つの温度計のガラス管は、どうして同じ50℃になるのでしょうか?

補足日時:2011/09/09 22:01
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この回答へのお礼

ありがとうございました。温度の意味についておかげさまで少し理解が進んだと思います。固体の温度の意味など、まだまだ分からない所も多いのですが、随分長くなってしまいましたので一旦ここで終わらせて頂いて自分の疑問を整理してみようと思います。

お礼日時:2011/09/16 00:03

ANo.2です。



温度に関する認識が、違っているようです。
 
>式の上では温度は分子一個あたりの運動エネルギーになるのだと思う
と書かれていますが、正確に言うと、
 温度は、分子の平均的な運動エネルギーに比例した値として表すことができる。
となります。
<< 温度は、エネルギーではありません!!! >>
温度とは、その物体を構成している分子の熱運動の激しさの度合いです。
同じことですが、熱運動の運動エネルギーが高い状態を、われわれは高温の状態だと感じているわけです。
(1/2)mv^2={(3/2)(nR/N)}・T
という式は、Tの定義を与えるものではありません!!!
左辺の運動エネルギーと、右辺のTを含む式とが、等しくなっているという"関係"が認められる、と言っているのです。もし m,v,n,Nなどが測定できたら、この式を使って温度がいかほどかを算出できる、という程度に過ぎません。

でも、「分子「一個あたり」の運動エネルギーでなくてはいけない」とは、どこでも言っていません。
平均的な分子の1個当たりの運動エネルギーでも、「単位体積内に含まれている気体分子全体の運動エネルギーの和」でも、温度と比例しているのです。

数式で語れば、
(1/2)mv^2={(3/2)(nR/N)}・T
これが、分子「一個あたり」の運動エネルギーで、温度を表しているものと見なすなら
{N(1/2)mv^2}/V=k・T
は、気体の単位体積当たりの運動エネルギーの和で、温度を表している式になります。
2式は、数学的には同等なものです。右辺の比例定数の分だけ違うだけです。
繰り返しますが、単位体積当たりの分子の運動エネルギーの総和に拘る必要はありません。1個の平均的な分子の運動エネルギーからでも、温度を求められるのです。

この回答への補足

ありがとうございます。質問の表題の通り、温度とは何なのかが分かっていない状態なのですが、まずは式の上での「温度」を理解したいと思います。
頂いた回答の最後の式のうち、(1/2)mv^2={(3/2)(nR/N)}・Tについて考えてみました。右辺のnR/Nはボルツマン定数になると思います。ボルツマン定数は1.38 x 10^-23(J/K)ですから、この式の右辺は2.07 x 10^-23 x T (J)です。即ち、仮に気体分子一個あたりの運動エネルギーが2.07 x 10^-20ジュールであるなら、その気体の温度は727℃ということになり、分子一個あたりの運動エネルギーから気体の温度を求めることができます。
しかし、2番目の式、{N(1/2)mv^2}/V=k・Tはどうやって求めるのでしょうか。この式のkはボルツマン定数なのでしょうか。そうだとするとこの式の右辺の次元はエネルギー(J)で、左辺の次元は圧力(Pa)になってしまうような気がします。

補足日時:2011/09/09 21:40
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この回答へのお礼

ありがとうございました。

お礼日時:2011/09/10 04:46

1)容器に入っている気体を、その個々の分子に着目すると、様々な速さで、様々な方向に、てんでんばらばらに動き回っています(このでたらめな運動を、『熱運動』と呼びます)。

当然のように、分子1個あたりの運動エネルギーは、個々ばらばらで、一定ではありません。しかし、規則性が全く無いわけではなく、速度分布(どのくらいの速さの分子が、全体のどの程度の割合(個数の割合)を占めているか)は、温度の高低と密接な関係を持っていることがわかってきました。単純化して言えば、速度分布のピークに当たる速度を持つ分子が、最も多く、全気体分子の平均的な速さは、速度分布のピークにおける速さと一致していることがわかってきたのです。
飽くまでも、この限りにおいて、平均的な気体分子の運動エネルギーの大小は、気体の温度の高低と関連している、と言えるわけです。
また、気体分子運動論によれば、単原子分子の理想気体では、気体の圧力Pが
P=(1/3)N・mv^2/V
(Nは気体分子の個数、mは気体分子1個の質量、vは速さの平均値、Vは気体の体積)
となることがわかってきました。
変形すると
PV=(1/3)N・mv^2
となりますが、理想気体の状態方程式から
PV=nRT
の関係が成り立つことがわかっていますから
両式を見較べると
(1/3)N・mv^2=nRT
N・(1/2)mv^2={(3/2)(nR)}・T
という関係が導かれてきます。この式の物理的な意味を考えると
「気体分子全体が持つ運動エネルギーが、気体の絶対温度Tに比例する」
と解釈できるわけです。さらに変形して
(1/2)mv^2={(3/2)(nR/N)}・T
として、1個の気体分子の運動エネルギーと、気体の温度との関係式と見ることもできます。
この関係を、
"気体の温度は分子一個あたりの運動エネルギーだ"
としていたのですね。

ご注意願いたいのは、以上の推論は、膨大な気体分子の集団を前提としていること、気体の温度は、平均的な気体分子の運動を利用して表現されていることです。気体分子の1個だけに着目して、気体の温度を語ることは意味が無いのです。

3)上に述べたことを理解願えれば、答は出ていますね。
分子の運動エネルギーを直接、瞬時に測定して直ちに温度に換算してくれる想像上の温度計を使って「気体」の温度を測れば、その温度計と接触した分子の運動エネルギー(そして、温度に換算した値)が読み取れます。その値は、場所により時により極端に変動することは容易に想像できるでしょう。そんな"温度"は、気体の温度として相応しいものではないですよね。どうすれば良いかと言えば、気体のいろいろな場所に適当な時間間隔を取りながら、温度測定を繰り返し、それらの平均値を取れば良いでしょう。温度も測定値の平均値とするわけです。
 
同じことですが、ちょっと温度計の能力を落として、ぶつかった分子の運動エネルギーは精確に測定できますが、温度への変換作業に時間を要するものを作ってみます。温度計を入れた直後から、無数の分子が温度計にぶつかり、その1つ1つの運動エネルギーが測定され、蓄積されてきます。しかし、温度換算に時間を要するので、或る有限の時間内に接触してきた分子の運動エネルギーの平均値を元に、温度を評価するしかありません。これが気体の温度だと言っても良いでしょう。

この回答への補足

ありがとうございます。質問に、分子一個の、ではなく、一個「あたり」の、と書いたのは、一個一個は運動エネルギーが違っていてもそれを平均すれば良いだろうと思ったからです。No.1の方への補足に書かせて頂いたように、式の上では温度は分子一個あたりの運動エネルギーになるのだと思うのですが、一方で温度は私たちが普通の生活の中でマクロに認識できる量です。その「温度」がどうして体積あたりの運動エネルギーの総量のようなものではなくて分子「一個あたり」の運動エネルギーでなくてはいけないのか、分子の数が増えて圧力が上がっても分子の平均速度が変わらなければ「私たちが認識する温度」が上がらないのは何故なのか、分子一個あたりの運動エネルギーとマクロな温度との関係がやっぱりよくわかりません。

補足日時:2011/09/09 00:04
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この回答へのお礼

有難うございました。

お礼日時:2011/09/09 21:40

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