A 回答 (4件)
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No.4
- 回答日時:
現在イタリアでは、不透明水彩一般をすべてテンペラと呼んでいます。
clownさんのおしゃっているテンペラは、一般的に卵テンペラか、もしくはテンペラ・グラッサと呼ばれるもののどちらかです。テンペラ=TEMPERA(名詞)TEMPERARE(動詞)は、イタリア語の古語では、正しい分量で混ぜ合わせるという意味です。卵テンペラの原料は、卵の黄身と水+酢(防腐剤)です。それを顔料に混ぜ合わせるのです。卵の黄身の中のレシチンという物質が固まり、顔料が基底材に定着するしくみです。がっかりなさるかも知れませんが、絵具の感じは、水性ですし、小・中学校で使った不透明水彩とそんなに変わりはありません。マザッチョのサン・ジョベナーレの祭壇画は、この技法で描かれています。一方で、ボッティチェッリが「プリマヴェ-ラ」を描いた技法は、テンペラ・グラッサです。何が違うかというと卵の黄身と水+酢さらに油性分が入っています。水と油が分離しないのは卵のレシチンの作用によるものです。みてくれはマヨネーズそっくりです。ルネッサンス最盛期には、この技法が主に使われました。水溶性なのですが、油を含むのでぼかしの効果が可能になり、独特の味わいのある表現が生まれたのです。
フレスコ画、イタリア語ではAffrecoといいます。frecoは新鮮という意味です。このやり方は、簡単にいえば、漆喰壁が乾く前に顔料を閉じ込めてしまうのです。ですから漆喰を塗った部分をほんの数時間で完成してしまわなくてはならないという、難易度の非常に高い技法なのです。テンペラ画、水彩画や油画との大きな違いは、メディウムがないことです。メディウムとは、テンペラ画は上記参照、水彩画はアラビアガム、油画は油で、いずれも顔料を基底材に定着させる役目を果たすものです。フレスコ画では、それらの邪魔物がないので、色彩は、他のどんな技法よりfreco(新鮮)に輝くのです。
参考文献:グサヴィエ・ド・ラングレ著『油彩画の技法』
チェンニーノ・チェンニーニ『芸術の書』
参考URL:http://www.l-ambiente.com/home/links_argos.html
No.3
- 回答日時:
No.2のschinclairです。
くっついてよく分からなくなってしまっていたのでもう一度。
http://www.artnavi.ne.jp/enogu_museum/c-1-4.htm
http://www.ne.jp/asahi/firenze/art/newpage6.htm
No.2
- 回答日時:
↓テンペラ、フレスコ等の絵画手法の説明ページです。
http://www.artnavi.ne.jp/enogu_museum/c-1-4.htmh …
テンペラ画を描いているのは最近ではアンドリュー・ワイエスさんくらいでしょうか。
No.1
- 回答日時:
clownさんは、ルネサンス展をご鑑賞になったようですので、この時期の製作技法に限って書かせていただきます。
テンペラ(tempera)は、主に卵(の黄身の部分)を媒材とし、それに顔料を混ぜて作る絵具のことです。油絵の技法が完成するまでは、西洋ではこの技法が一般的でした。
テンペラの特徴は、乾きが早く、制作後も耐久性に優れているという点があげられます。ただ、乾燥が速いため、油絵のようなぼかしの表現が難しいという欠点もあります。
テンペラを用いた画家として、イタリア・ルネサンスではボッティチェッリが有名ですが、彼の作品を詳細に見てみますと、例えば人体の陰影をつけるために、色の異なる細い線を何度も引いているのがわかります(この技法をハッチングといいます)。
テンペラは、下地(ジェッソと呼ばれます)を必要とするなどの点から、現在のアクリル絵具と性質は似ていますが、現在でも多くの画家がその独特のニュアンスを好んで絵画制作に取り入れているようです。
一方フレスコ(fresco)は漆喰の壁に描く壁画の技法です。
この技法には主に、水で顔料を溶き、湿った漆喰(これがテンペラの下地にあたります)に直接描くブオン・フレスコ(buon fresco)と、漆喰が乾いてから顔料に固着材を混ぜて描いていくセッコ(secco)の2種類があります。ルネサンス期においては、もっぱら前者の技法で全描き、後者の技法は補足的に用いられていたようです。
ブオン・フレスコは、乾燥後は絵具層が漆喰と一体化することから、非常に堅牢で、耐久性に優れていますが、漆喰が乾かないうちに仕上げなければいけないという時間的制約から、画家は大変な苦労をしたようです。
制作方法としては、一般的に、まず全体の構想を紙などに描き、画家がその日のうちに描けるであろうと予想した部分にだけ漆喰を塗り(これをジョルナータと呼びます)、その部分にだけ絵を描いていきます。ですから、ミケランジェロの有名なシスティーナ礼拝堂などの大壁画になると本当に気が遠くなるほどの時間と労力がかかっているのです。
しかし、この技法と画家たちの苦労のおかげで、500年以上も前の壁画が現在でも鑑賞できるんですね。
ところで、ダ・ヴィンチがフレスコの技法を使わず、あえて油彩を使って「最後の晩餐」を描いたのは有名な話です。今では絵具が剥げ落ちて無残な姿になってしまっているのは周知のとおりです。
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