A 回答 (2件)
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No.2
- 回答日時:
戦前は日本に限らず、西欧の先進諸国がいまでいう新興国家として世界へ覇を広げようとしていました。
新興国家といえば、つい未開拓の発展途上国をイメージしますが、当時はアメリカも西欧諸国も似たような状況でした。その時、世界規模で広がった植民地主義は同時に世界規模の不況へとつながり、結果あらゆる国が拡大政策をとることになります。それが今に言われる”バスに乗り遅れるな”という日本人の意識につながります。こういったいわば世界同時不況に対して、各国の政策は高関税による輸入品の制限と軍事力による交渉力のアップでした。それら各国がそれぞれの国内においては、他国との違いを際立たせ”われわれは特別”という意識を意図的に強化することになります。
ドイツでは”世界に冠たる我らがドイツ(Groß Deutschland über die Welt)”
日本は”神国”
アメリカは”選ばれた民の国”
特にドイツは第一次世界大戦後の賠償でなけなしの金を飛行機産業に集中的に投下することで、不況克服をはかり、同時に強力な軍隊をそだてあげ、挙げ句の果てに”ドイツ民族すべてを養うには現在の領土では狭すぎる(だから近隣の領土獲得は正当な権利だ!)”とまで言い切ってしまい、それは日本の中国大陸への進出へとシンクロしていきます。(ちなみにドイツのナチ党はこの時産業界と談合し、形成される軍事力を使って、産業界が必要としている石油を確保することを約束しています。)
つまり”我が国は世界の一等国なんだから、未開の野蛮人(←これも死語に近い)の国は、我が国の制度ややり方を学んで文明人になるべきだ”という押し付けが加速します。
簡単に言えば”我を張った”結果が戦争へとつながったともいえます。(米ソ冷戦後、これを反省した結果がアメリカがいう”信頼性の醸成”という考え方です。つまりトップ同士のホットラインの設置、軍人相互の交流や演習の観戦や共同演習へとつながっていきます。)
こういう状況下での国民というのは、言論統制や隣組のような締め付けと同時にナショナリズムが声高に叫ばれる状況になります(少し前のの中国がそんな感じ)。今では死語となった”第五列(国内諸制度の背後で撹乱を試みる敵対勢力の意味。今でいう破壊工作員やテロリストのイメージ)”などがそうです。
もちろん国民全員がそういったコンセプトに従うわけではありませんが、外敵から生活を守るべきという政策が生活のあらゆる面で緊張を強いることになります。特に日本の場合、緊急時に身をすくめるという動きが顕在化します。
例えば、”白米を食べたいなどという贅沢はやめて、芋や穀物類にしよう”とか、”資源ない国なんだから、節約して金属類を供出しよう”といった動きです。こういった考え方が結果として日本の兵器自体にも影響を及ぼすことになります。(つまり力で戦うのではなくワザで力をしのごうとする考え方です。)実際のところ資源がないかといえば、種類はあるけど国全体に行き渡る量がないということでしょうが。
そして制度としても特別高等警察(イスラム世界の宗教警察みたいなもんか)といった生活や風俗的な面への監視が強化されるようになってきます。
こんな中での生活は、いわば軍事国家のように上から下まで強固なピラミッドが形成されることになります。家長は家庭のトップであり、その他の家族のメンバーは全員家長に随うべしという形です。
そして国民はひたすら清貧な生活のもと、生産に励めということになります。
その結果、日本は敗戦のち、新たな(意識のうえでの)反撃に出ます。それが生産性の戦いです。当時の傾斜生産という政策のもと、石炭・鉄鋼への資金の集中投下によって、日本の経済はまたたくまに拡大し、やがてアメリカと貿易摩擦を引き起こすまでなります。(個人的な体験ですが、NHKで”今年日本のGNPが世界第2位になりました。”と報じた時のアナウンサーの誇らしげな言い方を今でも覚えています。)
ただこの型は戦中を通じてのち戦後もしばらくの間は続き、生活が目に見えた大きく変わったのはおそらく1985年あたりではないかと思われます(新潮新書「1985年」吉崎逹彦・著/2005刊行)
さらに続ければ現在、戦中の体験者が減ってようやく上から目線の”オイコラ”式(軍隊風)の強制が減ってきて、それが近年の教育問題の源にあるように思います。
No.1
- 回答日時:
戦後世代とは、戦後に教育を受けた世代の事です。
これらの世代は、戦前戦中に誕生して、戦後のどさくさ時代を経験しています。その世代が成人するのは、東京オリンピック前です。勿論東京タワーの完成頃から、戦後世代が社会で活躍を始めました。戦前の価値観は、敗戦でもほとんど変わらず、法律とは別な価値観が戦後世代の出現まで存在しました。あの集団就職など、現在では考えられません。敗戦のどん底では、失うものは無い戦後世代は、旧世代の風習を思いっきり吹き飛ばします。しかしこの爆発力は、旧世代からのしがらみから逃れたいと言った気持ちも大きく働いた、戦後世代の反抗でもあったのです。
こんな戦後世代の考えや行動が、世間的に受け入れられるのは、大阪万博の頃となります。所得は伸び、進学率も大幅に増加した社会は、やっと敗戦の痛手から抜け出します。昭和30年は記念すべき年です。それは戦前の鉱工業生産に追いついた年です。しかし経済白書の戦後は終わったとの宣言は、国民には実感としての気分は有りませんでした。つまり豊かさの実感はもう少し後の年代に感じられる事となりました。それが大阪万博です。
集団就職で都会へ出た戦後世代は、やがて家庭を持ち、独立します。大家族から集団で都会に出たこの世代は、横並び意識が強く、互いに競い合います。これらの世代のパワーは、その上の団塊の世代の親世代と相まって、高度成長に向かって、突き進みました。何もない団塊の世代の親は、核家族の始まりですが、競争の激しい世代の教育に、シャカリキだったのです。
戦後の世界は、この戦後世代と、団塊の世代の親と子の世代によって、形成されて行きます。勿論世論も、政策も、経済も大きく影響を受けたのです。そしてこの世代が第一線から退く現代は、又大きく日本が変わる時なのです。
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