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って、in F(ヘ調)となっていて、長調とも短調とも書いてないですね。これってどうしてなんでしょう?ご存知の方教えてください。

同じようなのに、ストラヴィンスキーの「ハ調の交響曲」というのもありますが。ほかにもこんな風に○調というだけで、長調短調のついてない曲名の曲ってあるのでしょうか。情報、お願いします。

A 回答 (5件)

こんにちわ。


私も気になって興味があったので、今日、偉大なる専門家に聞きました(両大戦間から現代までが専門の、私が論文指導についている先生です)。

ガーシュウィンは聞けなかったのですが、ストラヴィンスキーの「ハ調の交響曲」やニ調の「バーセル協奏曲」「イ調のセレナード」がなぜ、ハ調、ニ調、イ調なのかということについては次の理由からです。

これらは、単に中心音(主音)が、ハであるとか、イであるとかという意味で、19世紀までの調性とは異なるものだそうです。ストラヴィンスキーの時代の音楽は、スクリャービンのピアノソナタ5番以降の和声や、シェーンベルク、ドビュッシーに代表されるように、従来の機能和声法とは違った方法で、新たな音響、新たな語法、今までにない革新性を求めた時代です。そのため、従来の方法に基づいた調性の概念ではなく、ハ音を中心とした音楽という概念で書くことで、主調のあとはサブドミナント調にいって、次はドミナント調にって・・のような作り方から離れようとしたそうです。調性がないドビュッシーの音楽にも、調性はなくとも、譜面をみると中心音が必ずあります。

ストラヴィンスキーの《春の祭典》の第2曲の和声の冒頭は、何調とかではなく、基本は「和音の合成」が主体です。例えば、ド・ミ・ソ・シ♭という属7にレ・ファ♯・ラという和音を重ね合わせて同時に鳴らすというような音楽で、何調とかではないです。しかし、よくみると、中心音は必ずあります。

ガーシュウィンの「コンチェルト」は音楽を知らないのでコメントできないですが、No.3のかたがおっしゃっているように、ガーシュウィンの生きた時代を考えてみても、「ヘ音」を中心において作曲された音楽という意味だと思います。

バロック以前の音楽で使われている「ハ調」のような表現に関しては、あまり勉強したことがないので今はまだ分からないです。調べてみれば分かってくることだとは思いますが(おそらく単純な理由です)、今はお答えできません。

この「ハ調」のような表現は、回答に上がっている曲の時代からも分かるように、両大戦間、19世紀後半かた20世紀初頭(世紀の変わり目、従来の音楽との決定的な転換点)に多いですよね、アイブスも革新的なぜあとから考えれば前衛的な音楽を書いていますが、両大戦間を生きた時代の作曲家です。
長くなってしまいましたが、参考になりましたでしょうか。最後に余談をお許し下さい。pomoccは再登録し直した新しい名前で、以前はlutowinnで回答していました。退会してしまいましたが、生まれ変わりはpomoccです。
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この回答へのお礼

お礼が遅くなって申し訳ありません。学会が立て続けにあって、久しぶりに帰ってきたところです。lutowinnさんからの解答を待っていたので、大変うれしく思いました。適切な解答で参考になります。基本的には、中心音がFという考えでいいと思うのですが、ガーシュウィンのこの曲は、ヘ短調といってしまっても分析可能なような気はしています。それでもあえて「へ調」といっているところにどんな意図があるのか、それは誰の影響で(あるいはガーシュウィンオリジナルか)、誰に影響を与えているのか、その辺りが興味深いのです。
また何かわかれば教えてください。

お礼日時:2004/11/09 18:43

No.4です。

誤字脱字が多かったのでお詫びします。
とりわけ最後のほう「アイブスも後から考えれば、前衛的な音楽を書いているが、両大戦間を生きた時代の作曲家」の意です。
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えーと、主をヘ音としている調なんで、


 長調・短調と作曲者が書かないのは区別したくないんでしょう。

『つまり、曲の調子が、ハニホヘトイロの
「ヘ音」に「主音」をおいて作曲された』ので、

う~ん、長調でも短調でも認識をせずに作曲したのだろうか。
作曲し終わって、単純にタイトルに in Fとだけ書いておいた、みたいな感じ?かな。それとも、演奏者にそれを主調させるためなのか。

 事実に、作曲者にお訊ねすることができないので分からないです。(すいません)
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この回答へのお礼

ありがとうございます。

作曲者に聞けないけど、その真実を知りたいのです。でも、日本語で出ているガーシュウィンの伝記には、どれにもこのことについては書いてないのです。

お礼日時:2004/10/25 22:41

有名な曲としてアントン・ルビンシュタインの「へ調のメロディ」というのがありますが、英名だと「Melody in F」です。


この曲はよく聴くと短調なのか長調なのかよくわかりません。ですからあえてへ短調とかへ長調とかにしなくて単純にへ調としたのではないかと思います。
ヒンデミットのヴィオラソナタもへ調です。
日本の増田宏三の交響曲も二調です。
近代音楽にもこのように短調だが長調だかわからない曲に「in なんとか」としているものが多いような気もします。現代では無調のものが多いですが。

ラヴェルのピアノ協奏曲(↓)はト長調だったと思います。
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この回答へのお礼

ルビンシュタインの「へ調」は忘れていました。そういえばそうですね。ガーシュインと同じ「へ調」ですが、何か影響を受けているんでしょうか。その点ご教示願えれば…。

ガーシュインの場合、ヘ長調とヘ短調をいったり来たりしている感じなのですが、「ヘ短調」といっちゃっても問題ないようにも思えるのです。それであえて「へ調」と名づけたのには、何か思いがあるのかなと疑問に思っているのです。

とても参考になりました。

お礼日時:2004/10/25 22:39

う~む。

難しい質問がきたねぇ。わかりにくいかと思いますが、出来るだけ分かりやすそうかなぁと思って興味もあったので、調べてみました!

↓↓↓
ハ長調の音階(ドレミファソラシド)
♯系の長音階は、以上のようにつくられていますが、この他に♭系の長音階もあります。
それはもとになる「ハ調の長音階」テトラコードの下に全音をはさんでもう一つ同じ音列のテトラコードを配置することでつくられています。

これは、ハーモニカの話です。
●表側はヤマハシングルと同じハ調(C)、裏側はヘ調(F)になっています。F音をドとして吹くため表・裏の吹吸の感覚は同じです。ハ長調やヘ長調の教材が比較的多い低学年では、このツーラインを活用すれば、歌唱と同じ調性でさぐり吹きをすることもでき効果的です。

音の並べ方、例えば「ドレミファソラシド」と並べれば長調。「ラシドレミファソラ」と並べれば単調。
同じ長調でもハ長調は「粗野で大胆、お祭騒ぎや陽気な気分」とされ、ホ長調は「絶望に満ちた、死ぬほどの苦しみを表現、希望の無い恋愛」としている。

ここからは曲名です。結構あってきりが無い感じでした。
ルイ・クープラン(c.1626-1661):<ハープシコード作品選集>5つの小品ニ調/6つの小品ハ調
フェッラボスコ1世(1543-1588)/フェッラボスコ2世(1578-1628):コンソート曲集 / 5つのヴィオールのためのパヴァーヌ ハ調 / 5つのヴィオールのための3つのアルマンドハ調
トッカータ 第7番 ニ調
ストラヴィンスキー:ニ調の協奏曲「バーゼル協奏曲」
ノクターン変ホ調曲
アイヴズ:交響曲第2番、ガーシュウィン:ピアノ協奏曲ヘ調、
ラヴェル:ピアノ協奏曲 ト調

参考URL:http://www.geocities.co.jp/Hollywood/5180/msen.h …
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この回答へのお礼

 早速のお答えありがとうございます。

 知りたいのは音階論ではなく、「へ調」がいったいどういう調性かということなんです。それで、挙げてくださった曲名が結構面白く思いました。というのは、近代から現代に来るところで、多調性から無調性に向かう過渡期としての「へ調」というのとは別に、バロック以前に「へ調」のような言い方があったのかなと思えるからです。クープランの「ニ調」はニ長調それともニ短調、そのどれでもないもの?疑問がふくらんできました。

お礼日時:2004/10/25 22:33

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