プロが教えるわが家の防犯対策術!

HPLC法による定性試験で、試験溶液調整の際行うコンディショニングとは何かご存知の方、どうか回答をお願いします!。

A 回答 (2件)

わかりました。

固相抽出 Solid Phase Extraction (SPE) の話ですね。

ボンドエルート Bond Elute とは GL サイエンスの商品で、外のメーカーでも セプパック Sep-Pak は Waters 社製などいろいろあります。いずれも、珪藻土の Si に脂肪酸鎖をつけ、末端の構造から、-CN、-C8、-C18 などがあります。

試験溶液と言うのは、Sample Solution の訳でしょう。即ち目的物質 Object Compound (● として以下あらわします) と、それ以外の物質 (複数ありますが ○ として以下あらわします) が、何らかの Matrix に溶解している溶液の形になっているものでしょう。このまま HPLC で分析すると、Column 内で不溶化して Column が詰まったり、○ の一部が ● と同じ所に溶出して、何を見ているかわからなくなります。これを避けるため、事前にある程度 ○ を除き、できる限り ● だけになるように処理する (前処理 Pre-Treatment) ためには、様々な方法があり、その一つが SPE です。外にも、液液抽出 Liquid-Liquid Extraction も比較的よく使われます。

さて、SPE の概略です。具体的にわからないので、C18 と仮定して話を進めます。この場合 ● は、疎水性 hydrophobic な物質で、水よりも有機溶媒に溶けやすい物質、と言うことになります。簡単に言えば、水には溶けず、メタノール Methanol には溶ける、と言った感じです。ここで、Sample Solution としては、血漿 Plasma (溶媒 Solvent としては水になります) とか、メタノール水混液 M-W (1:1, v/v) などが考えられ、これを Matrix と言います。この Matraix 中に ● とか ○ が溶け込んでいることになります。

この Matrix 溶液を SP に apply しますと、● はより親和性の高い C18 に結合し、○ は C18 に親和性が低いので結合しない状態になります。この SP を水で洗う wash すると、結合していない ○ は洗い流されますが、C18 に結合している ● は、水よりも C18 の方が親和性が高いので結合したままです。ここで十分量の水で洗えば、C18 に結合しないものはすべて洗い流せます。この後、例えば Methanol を流すと、C18 に結合していた ● が、Methanol により親和性が高ければ、結合が解けて、Methanol に溶解して流れ出してきます Elution。結果として、● ○ 両方を含んだ (一般的に ○ の絶対量が ● に比して極めて多い) 試験溶液から、ほぼ ● だけの溶液が調製できます semi-Purification。

これを行なうために、市販の SP を使えるようにする過程が、コンディショニング conditioning です。最終的に Elution する溶媒に溶ける物質が SP 中にあると、これも Elution の段階で溶け出してきて、Objective Compound ● の分析を妨害 interfere する可能性もあるので、まず事前にこれを洗い流します。次に、当然この溶媒が SP 中に残る (固体を詰めてあるので空間がある) ことになるので、試験溶液を apply すると、Matrix 条件が変わり、期待した結合が起きない可能性があるので、SP 中に残る溶媒を、試験溶液の Matrix と置き換えるため、Matrix で十分洗います。これで始めて SP が使えるようになります。

上の例の様に、Matrix が水 (Water W)、溶出溶媒が Methanol (M) とすると、まず SP の 10 倍量 (容積の倍数です) 程度の M で洗浄、直接水に置き換えるのっは負担が大きいので M-W (1:1, v/v) 3 倍量、W 10 倍量程度で洗うことが一般的で、この Step を Conditioning と言います。

この後、試験溶液を SP に apply。

W、ときには引き続き M-W (1:1, v/v) などで洗浄 wash。
この段階は ●、その他の夾雑物 (○ に当るものです) で、実際は種々検討しますが。

M で Elute。
どの位の量を使うかは、これも検討します。

以上が SPE の概略です。具体的に何を使って、何を何から semi-purify するかによって、用いる SP、溶媒系は変わってきますが、基本はこういうことです。

参考 URL は Waters が出している、分析例と基本の話です。取り敢えずは 3 ページ目辺りが関連しています。英語ですが一読する価値はあると思います。

参考URL:http://www.waters.co.jp/product/column/pdf/oas/l …
    • good
    • 2
この回答へのお礼

詳細な回答ありがとうございました!ちなみに調べたらC18(オクデシタル基)とのことでした。

お礼日時:2004/11/04 17:44

>HPLC 法による定性試験で、試験溶液調整の際行うコンディショニング



とあるんですが、HPLC で、何かの定性 (定量ではありませんね) を行なうときの、HPLC のコンディショニング、と言う意味ですか。それとも、定性反応に使う試験溶液の調整に関するコンディショニング、と言う意味ですか。通常 HPLC 法を用いるとき、試験溶液、と言う言葉は出てこないので、意味がよくわからないのです。強いて解釈すれば、HPLC Column を実際に分析に供する前に行なうコンディショング、とも思えるんですが。

この回答への補足

補足が遅くなってすいません。固相抽出の際の、HPLC法による定量の準備段階での作業で、ボンドエルート(固相)のコンディショニングという意味です。実習書にはそう書いてあるんですが・・・。

補足日時:2004/11/03 17:37
    • good
    • 0

お探しのQ&Aが見つからない時は、教えて!gooで質問しましょう!


このQ&Aを見た人がよく見るQ&A