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 仏像が初めて作られてからアルカイックスマイルが用いられたりなど様々な進化をしてきました。しかし鎌倉時代に急に進化をした(リアルになった)ように思われます。また、鎌倉時代で仏像の進化はほぼ完結したといえます。でもなんで鎌倉時代にこのような急激な進展を遂げたんですか?

A 回答 (3件)

鎌倉時代に急に進化したというよりは、古代から中世にかけて徐々に変化があったという方が妥当かと思います。

古代のみを取り上げてみても、観念的な表現から写実的要素が強くなるというように、大きな方向転換がありますよね。
(進化と言ってしまうと、後代の仏像の方が優れているというニュアンスが含まれてしまいますので、ここでは変化という言葉を使います)

では、鎌倉の仏像がリアルな様相を呈する、その理由は何なのでしょうか。
(1)時代背景(前解答者が答えているものです)
(2)肖像彫刻のあらわれ
(3)運慶様式の完成
確かなことは言えませんが、この三つに集約してみます。

(2)における肖像の分野については、彫刻だけでなく絵画の分野(似絵)にも見られるものです。武家の時代になり、多く俗人の肖像が作られだしたことはご存知かと思います。実在の人物であるから、当然似せて作らなくてはいけないわけです。
(3)運慶は、前代にない新しい仏像表現を確立しました。充実した体躯にくっきりした目鼻立ち、知的な表情といったように、平安時代の輪郭のはっきりとしない茫洋とした彫刻と比べると、その違いは大きいですね(信仰の対象としてはあまりに生身に近づきすぎているとも言われます)。鎌倉彫刻は慶派(運慶・湛慶・快慶)の像造において新風がもたらされたといっても過言ではないでしょう。

美術出版社の『日本仏像史』はカラー図版入りでコンパクトに仏像が解説されていますので、お持ちでなければおすすめします。
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仏像の変化は、仏教そのものの変化が関係しているのでしょう。


鎌倉時代には国家・貴族の為の仏教から武家のそれに変わった事が、仏像の流行にも影響したと。

でも、そこで進化が完結とは言えない。
例えば、江戸時代の円空仏は個人の為の仏教を表現した新しい仏像だと思います。
もし、明治政府の排仏毀釈で多くの仏像が壊されることがなかったら、と残念でなりません。
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古代から中世への転換の問題ですね。


ヨーロッパではまた事情が異なると思いますが、日本では、平安から鎌倉への激動期に、戦乱や天災により死が日常的な出来事として直視され、人間が肉体的な存在であることが強く意識されたのです。
その認識の自然な表現として、リアルな肉体としての仏像が作られたと考えられます。
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