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物理学についての質問です。

備長炭が電気を通す理由をわかりやすく教えていただけないでしょうか?

詳しい方、お願い致します。

A 回答 (2件)

電気を良く通す物体には、(1)電子が容易に動き得る経路が多数存在することと、(2)動きやすい電子が多く存在していることが必要です。

炭素原子が連なる集合体の内部では(1)が容易に実現して、それら集合体の周辺では(2)も満たされています。
木材の炭素以外の構成物を燃やして灰あるいはガスにして、(炭素も燃えるけど)上手に何割かの炭素だけ残したものが理想的な木炭で、備長炭はそれに近いようです。コークスは木材の代わりに石炭で似たような処理をしたもので、やはり電気を流します。これら二つとも、上記(1), (2)の条件を満たしてます。他に、脱臭剤に使われる活性炭とか習字に使う固形墨に電気が流れるのも同様に説明できます。
結局、炭素原子の集合体は本来電気を流すが、それに大量の不純物が加わるとその機能が無くなると言えます。安物の木炭とか石炭は電気を流しませんが、それは不純物が多過ぎる為です。

なお、炭素原子が単純に集まるだけでなく規則正しく並んで結晶になると、その中で電子は極めて容易に動き得ます。かつてのマンガン電池の陽極に使われた炭素棒とか鉛筆の芯は黒鉛の微粒を添加物で固めたものですが、黒鉛は炭素原子が六角形の角にある網状のシートが積層した構造になってます。網目状のシート内では電子は極めて容易に動く上に、積み重なったシート間の間の結合が緩いために、そこに動き得る電子が各炭素原子ごとに存在してます。棒状に切り出した黒鉛は電気を良く流す上に(炭素原子幕が剥がれ易い為に)潤滑作用があるので直流モーターの整流ブラシに使われてます。
もっとも、炭素原子が3次元結晶になったダイヤモンドは極めて良好な絶縁体です。それは、条件(2)の動き得る電子が極めて存在し難いためです。電子線を照射して強制的に電子を注入すると、電気は良く流れます。さらに、白川さんがノーベル化学賞をもらったポリアセチレンは1次元に、炭素原子が平面に拡がるグラッフェンや、グラッフェンが丸まったナノチューブは2次元に炭素原子が規則正しく連なった結晶構造をしてます。これらも、そのもの自体では電導性はないですが、電子とか正孔を導く不純物が入ると良好な導体になります。(炭素原子からなる結晶は全て半導体の特性を示すので、自由電子と正孔が存在することができます)
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この回答へのお礼

どうもありがとうございました。

お礼日時:2023/02/23 03:43

炭素の結合状態が、sp3混成軌道によるものではなくて、sp2混成軌道によるものになっていて、主にグラファイトのような層状の結晶構造になっているため、結合に関与していないp電子が自由電子のように振る舞って導電性を持つということだと考えます。

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