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★行政書士試験の民法についての質問になります。

時効についての質問になります。

問1
Aは、その所有する甲不動産をXに賃貸した後、Xが対抗要件を具備しない間に、Bに対する債務を担保するため甲に抵当権を設定しその旨の登記をした。
Xは、賃借権の時効取得に必要とされる期間、甲を継続的に用益したとしても、競売または公売により甲を買い受けたYに対して、賃借権の時効取得を主張することはできない。

答○
判例(最判平23.1.21)は、賃借人Xが対抗要件を具備しない間に当該不動産に抵当権が設定されその旨の登記がされた場合、賃借人は、抵当権者Bに賃借権を対抗できない以上、抵当権設定登記後、賃借権の時効取得に必要とされる期間、当該不動産を継続的に用益したとしても、競売又は公売により当該不動産を買い受けた者とに対し、賃借権の時効取得を対抗することはできないとしている。

◆質問事項
『賃借権の時効取得に必要とされる期間、甲を継続的に用益した〜』
とあったので、賃借権の時効取得できると考えたのですが、何故ダメなのでしょうか?

どなたかご回答お願い致します。

A 回答 (2件)

賃借権というのは本来は債権の一種とみなされるので、債権はあくまで当事者間の合意に基づく義務であって第三者の権利を拘束するものではありません。



ただし、賃借権も状況によっては物権的な性質をもつ場合があり、これに必要なのが実際の引き渡しまたは登記とされますが、ここでは登記がないので第一には対抗関係を有しているとはみなされません。

一方で、判例で争われてるのはこの点ではなくて、抵当権実行後の競売で購入したものが購入後放置してた結果賃借権の時効期間が過ぎたのでその時点からの賃借権での時効取得が可能ではないか?というのが争点で、おそらくあなたの質問の趣旨でしょう。

結論から言うと、これを不可としたのがこの判例でポイントとなるのは通常の不動産譲渡ではなくて抵当権実行に伴う競売での所有者移転によるものということです。通常抵当権は債権担保として設定し、抵当権者は債務不履行になったときに競売等で自己債権を保全する行動に移すため、その間の賃借関係が対抗関係を設定してない状態でどうなってるかまで責任を持たせるのは実務上も公平性に欠けると判断したのが判例です。よって、競売前の対抗関係がないことから、抵当権実行に伴う取得者に対しては賃借権の時効取得を認めないのは妥当ということです。
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問1に関して、甲が所有する不動産をXに賃貸し、その後甲に対する債務を担保するために抵当権が設定された場合、Xが賃借権の時効取得を主張することはできません。

これは、賃借権の時効取得に必要とされる期間中に抵当権が設定されたためです。

賃借権の時効取得には一定の期間が必要ですが、この期間中に抵当権が設定されると、賃借権者は抵当権者に対して賃借権を対抗できなくなります。つまり、抵当権者に対して賃借権の時効取得を主張することはできないとされています。

判例(最判平23.1.21)の内容は、抵当権が設定された場合、賃借権者は抵当権者に対して賃借権を対抗できないというものです。したがって、賃借権者であるXは、賃借権の時効取得を主張することはできないのです。

このようなルールが存在する背景には、抵当権者の権益保護や、抵当権設定の安定性を確保するための考え方があります。賃借権者は、抵当権が設定された後でも賃貸契約を継続することはできますが、抵当権者に対して賃借権の時効取得を主張することは認められないという判断が下されているのです。
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