No.1ベストアンサー
- 回答日時:
膜貫通タンパク質は脂質二重膜の組成の違いからもありますが、膜タンパク質が入り込むときのガイド役みたいな物によって織り込まれる場合、少し様相が違うかもしれません。
脂質分子の疎水性基と膜タンパク質の相互作用、親水基と膜タンパク質の相互作用・・・これらが再構成の方法で使われるより大きな力(振動分解や希釈)よりも大きくミクロな部分で作用するかと言うのは微妙になります。一般的な再構成の方法では、おっしゃったように人工的に作ったリポソームと界面活性剤で包んだ精製された膜タンパク質を混合し、リポソームの破壊と界面活性剤の希釈によって膜タンパク質から界面活性剤を剥がしてリポソームに組み込むといった手法を取ります。この手法の間でも、脂質分子の混合の仕方や脂質分子と水中間に露出している脂質分子の親水基とタンパク質との相互作用して正しい向きを取っているのかもしれません。しかし、一般には再構成して膜タンパク質を組み込んだリポソームの、膜タンパク質の量と活性、同量のin vivoでの膜タンパク質の活性を比べると、再構成したものは大体ネイティブの半分からそれ以下くらいの活性(トポロジーが逆転した物、構造変質を起こした膜タンパク質がある物などにより、その量分の活性が失われる、あるいは活性に必要分子が不足している)しか得られないのと思うのですが・・・。後はプロテアーゼを掛けてみて、ネイティブと同じ程度のバンドがどれだけあるかというので、正しいコンフォメーションのが何パーセントあるかとかを、ウェスタンブロッティングで見るとか・・・。露出している部分と相互作用する基質があれば、くっつけて架橋させて、架橋分子にあらかじめつけた蛍光分子をモニター&比較とか・・・。再構成する時も、脂質分子を選ぶ、界面活性剤を選ぶ、精製方法を選ぶ、リポソームを作る時にどれだけシェイクするか、保存温度、希釈する時の希釈速度・・・色々自由度があるので、大変かもしれませんね。
No.2
- 回答日時:
Cell Biologyの本を読んでいただければわかると思いますが、細胞内において貫通している膜蛋白質はトランスロコンという穴を通る必要があります。
ということで、このトランスロコンを再構成できれば、膜蛋白質は正しい方向に入る可能性があります。
ただ、このトランスロコン自体が膜貫通蛋白質の集合体なので、ほぼ不可能でしょう。
と思いましたが、一つ方法を思いつきました。
リポソームより大きな物質(例えばビーズなど)と膜蛋白質の細胞質側が結合するように蛋白質側にタグをつけ、膜蛋白質とその大きな物質が結合した状態で、No1でかかれているような方法でリポソームを作ります。
そうすると、ほとんどの場合、1リポソームにつき1蛋白質ですが、正しい方向に挿入されていると思います。
人工的なものリポソームと細胞由来の2重膜でほとんど同じ組成を作ることができます。
ただ、リポソームと同じような形と大きさの小胞は細胞内では輸送小胞がほとんどです。
それ以外のものと比べると、脂質の組成は同じでも大きさや形状は異なると思います。
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