『ラディカル』という言葉の使い方について
『ラディカル』という言葉の解釈に迷っています。
辞書などでは「根本的な」「基礎的な」また、「過激な」や「急進的な」などと載っていて、意味そのものはよく理解できるのです。
しかし、社会、歴史、美術、建築などでは、それぞれの分野で意味や解釈のニュアンスが違っているような気がしてなりません。
考えすぎなのでしょうか?
『ラディカル』という言葉の意味や解釈の基礎知識や良い本などありましたら教えてください。
回答(4件)
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No.1です。
アバンギャルド avant-gardeはフランス語で、「前衛」という
訳語が定着していると思います。これは、おそらく軍隊の「前衛」
の意味が先にあって、そこから広く時代の先駆けとなるようなム
ーブメントを指すようになったのでしょう。
しかし、この語はあくまで芸術領域(美術・音楽・文学)に限定
されて使われる言葉です。「既成概念を覆す」といっても、この
言葉が芸術領域以外で一般的に使われることは少ないでしょう。
政治的な文脈では「前衛」という言葉は、ほぼ死語になっている
と思います。1960年代前後の「政治の季節」の頃ならば、この言
葉は左翼思想において、「革命」とほぼ同義のようなニュアンス
をもつ言葉として使われてました。しかし、現在ではもはや「前
衛」足りうる思想が(おそらく)絶滅してしまったために、もは
や「avant-garde」は政治の言葉としては、使われません。
(かろうじて、日本共産党発行の雑誌が「前衛」という名前を使
っていますが)。
ですから、この言葉は今では、完全に芸術領域に属する言葉にな
っていると思います。
ラディカルという言葉は形容詞ですから、色々な場面でもっと広
く使われ得ると思います。どのような分野でも、オリジナリティ
を主張すること自体が価値をもちますから、自分の作品、主張な
どなどが「ラディカルである」という言われ方は、(様々なニュ
アンスを含みながらも)、非常に頻繁になされているのだと思い
ます。
しかし、現在では「ラディカリズム radicalism」と言われたら、
多くの人が真っ先に思い浮かべるのは、「イスラム原理主義 muslim
radicalism」のことではないでしょうか。言葉というものは、そ
の言葉が最も頻繁に使われる文脈において、その文脈のもつニュ
アンスを身に着けるものです。だから、ラディカルという言葉は、
単に「根本的な」という訳のみならず、非常に政治的なニュアンス
を強く含む言葉になりつつある気がします。
おっしゃられている使い方は、おそらく美術や建築の分野ではな
いかな、と推測しますので、その場合には、多少ニュアンスの違
いがあるとはいえ、「既成概念を覆すほど革新的な」というよう
な意味で、ほぼ統一した意味が取れないかと思うのですが、いか
がでしょうか?
この回答へのお礼
回答ありがとうございます。
大変参考になりました。
やはり文脈から読み取ることが大事なんですね。
No.3ベストアンサー10pt
「ラディカル」を「根本的な」と解釈する説は賛成です。それは根本的なところまでさかのぼって考え直すという意味合いだと思います。以下の書物を参考にしてみたらいかがでしょうか。
「イスラームラディカリズム」五十嵐一
この回答へのお礼
回答ありがとうございます。
ご紹介の書物読んでみたいと思います。
「根本的な」と解釈しています。
事柄を「根本的」に変えようとするれば、「過激な」「急進的な」とも表現できると考えます。
この回答へのお礼
回答ありがとうございます。
参考にさせていただきます。
No.1ベストアンサー20pt
「ラディカル」と聞いて私がイメージするのは、物事を根本的に、
底の底から変えてしまうような、鮮烈で強力な力です。何よりも、
「我々の既成概念を根本から変えてしまうこと」を含意している
ことが、重要だと思います。胸躍る言葉でもありながら、危険と
隣り合わせのニュアンスも感じます。
政治であれ美術や建築であれ、ラディカリズムを標榜する思想は、
急激で落差の大きい変化を求めるでしょう。既成概念を覆すこと
が目的ですから、より戦闘的であり、挑戦的でもあります。
先進資本主義国では、社会が安定化し、規制のシステムが固定化
する中で、「ラディカルであること」は徐々に力を失っているの
だと思います。それは、政治的であれ哲学・文学・美術・建築、
その他あらゆる分野で。
現在、おそらく「ラディカルな」という形容詞をつけた場合に、
程度の問題として変化の度合いが大きいことを指し示している
だけで、本当に根本的な意味での変革を指していることは稀で
しょう。それ以外では、単に政治的な意味での「過激派」を指
している場合のみに使われているのでしょう。後者の場合は、
もはやイスラム過激派のような、全く我々には理解不可能な「他
者」を指す言葉でしかなくなっているのかもしれませんね。
(このような答えで質問者様の要望にあっているか疑問なのですが、
もし「意味や解釈のニュアンス」が違っているような例を教えて
いただければ、もう少しまともな答えができるかもしれません。)
この回答への補足
回答ありがとうございます。
回答でご指摘のあった「意味や解釈のニュアンス」が違っているような例とは異なりますが、例えば「アバンギャルド」という芸術上の革新運動と『ラディカル』という言葉を対比した時にどちらも既成概念を覆すといったイメージがあります。
この場合、「アバンギャルド」(つまり既成概念を覆すこと)=『ラディカル』と解釈しても良いものなのでしょうか?
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