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わたしの使っている匿名掲示板は次の特徴を持っています。
(1)投稿の著作権は、運営側へ譲渡されない。投稿者が保持する。
(2)削除ルールがあり、そのルールまたは管理人判断で投稿が削除される。

なお、「匿名掲示板の投稿の著作物性」は、
判例(東京地裁 平成13年(ワ)第22066号)により
「ネット掲示板の書込みは匿名であっても著作物性は否定されない」
です。

質問は以下です。(1)、(2)を前提に御回答ください。

a)投稿内容の削除は、インターネット上に発信される事を妨げ、著作物である投稿の
 「公衆送信権等」の侵害にならないか?

b)但し、投稿が「実名を挙げた誹謗中傷」等、悪質であった時、削除を実施しても
 プロバイダ責任制限法3条2項1号により
  「他人の権利が不当に侵害されていると信じるに足りる相当の理由があり、情報の
   送信を防止する措置をした場合、その措置による損害は賠償の責任を負わない。」
 であるため、a)における「公衆送信権等」の侵害の損害の責任を免責される。
 この理解でいいか?

 この場合、他人の権利を不当に侵害しない軽微な削除ルール違反での削除は、
 a)と同様の侵害になるか?

c)投稿内容が複数の投稿に渡る場合、一連の投稿全体で一著作物となるのか?

d)c)が一連の投稿=一著作物だとすると、一連の投稿の数個を削除するのは
 一著作物の「同一性保持権」の侵害になるか?

e)c)が一連の投稿=一著作物でも、著作権法20条2項4号により
  「やむを得ないと認められる改変は、『同一性保持権』の侵害にならない」
 この理解でいいか?

 この場合に、軽微な削除ルール違反での削除は、「やむを得ないと認められる改変」に
 あたらず、d)と同様の侵害になるか?

※法律に素人の方は、御回答ご遠慮願います。

A 回答 (4件)

No.2 です。

昼の間は外出していたので、新たに文献等に当たったわけではないのですが...

a) についてですが、やはり、従来の、伝統的な著作権概念に照らすと、「公衆送信権ないし送信可能化権に基づく妨害排除請求」というのは難しいかもしれません。
というのは、「送信可能化」というのは、かなり端折った言い方をすれば「著作物をサーバーにおいて公衆の求めに応じて当該著作物が送信され得る状態にすること」です(著作2条1項9号の5)。そして、著作権者は、送信可能化権を専有し(著作23条)、これを他人に許諾する権利を有します(著作63条)。したがって、(財産的)著作権の本質は、その利用行為に対する許諾権(裏から言えば禁止権)です。つまり、「他人が自己の著作物を送信可能化する」ことについて、それを許したり禁止したりすることができる、ということが送信可能化権の本質であると考えられます。
このように考えると、「許諾なしに(あるいは禁止に反して)他人の著作物を送信可能化する行為」が送信可能化権の侵害に当たるということになります。
したがって、自己の著作物を勝手にアップロードされない、あるいは勝手にアップロードされた著作物の削除や送信停止措置の依頼(つまり差止請求)は可能ですが、誰か他人に対して、「私の著作物を公衆送信させろ」という積極的な作為を求めることは、やはり難しいのではないかと思います。
誤解を恐れない言い方をすれば、著作権の本質とは「自己の著作物に対する他人の利用の排除権(あるいは許諾権)」ですから、それを超えて、自己の著作物の流通について他人を使役することまでは不可能なのではないか、ということです。

ただ、著作物の流通は、いくら万人が自己の意見を自由に表明できるようになったとは言え、インターネットサービスプロバイダ(ISP)など企業の力を借りざるを得ません。企業は、通常、私人よりも強い力を持っていますから、何らかの方法で「自己の表現の流通を円滑化させる」力を私人に認めることは、ある程度は担保されなければならないのかもしれません。その際に、著作権を取っ掛かりにするというのは、法政策論としては非常に興味深いものがあります(将来、機会があれば勉強してみます)。

c) について。
ある著作物と他の著作物とが1つの著作物に包含されるか否かは、著作者の主観にのみよるわけではありません。したがって、著作者が「これは1つの著作物だ」と思っていても、客観的には1個1個べつべつの著作物であると判断される場合もあります。
掲示板などで「話題の関連性」を示すために記事番号を示すことは一般的にされますが、ただこれだけの事実をもって1個の著作物であると言い切ることは難しいでしょう。具体的に、記載内容を照らし合わせて、1個の著作物と見るのか、個別の著作物と見るのか、ケースによって判断が分かれることになると思われます。

e) について。
言葉の使い方が誤解を招くような書き振りになっていたようです。
著作権法に言う「やむを得ない改変」というのは、誰が見ても明らかな(そして著作者が表現上したとは考え得ない)誤字・脱字を訂正したり、旧字を新字に改めたりといったことに限られると言われます。あるいは、引用するために書き写す際に、うっかり字を誤ってしまった場合も含まれるでしょう。これをインターネット掲示板に応用すれば、文字化けの訂正をした際に、数文字分が本来の文には戻せなかったたために、前後の文から適当と思われる文言に置き換えた、などの場合に限られるだろう、ということです。
ついでに言えば、著作権法は「記述の内容」には関心を持っていません。したがって、わいせつ表現であれ、他人の名誉を傷つけるものであれ、著作物性に消長を来すものではありません。それゆえ、そのような情報であっても、著作物である限りは同一性保持権を有します。
これに対し、プロバイダ責任制限法では、他人の名誉声望を害する情報やプライバシーを侵すおそれのある情報について、これを削除して情報の発信者に損害が生じたとしても、一定範囲で免責されることになっています。つまり、誤解を恐れず文言を入れ替えるなら、「他人の名誉声望やプライバシーに重大な危機が迫っているときは、プロバイダの判断で情報を削除することもやむを得ない」ということになるでしょう。
したがって、ある人の書き込みが、他人の名誉を著しく害することが明白であれば、それが著作物として同一性保持権を有し、その改変が同一性保持権の侵害に当たるような場合(つまり著作権法上の「やむを得ない改変」に当たらない場合)であっても、記事を改変したプロバイダの責任は、プロバイダ責任制限法によって制限され得る、ということになります。

このように、a) や b) の場合のように、他人の名誉声望やプライバシーに重大かつ明白な危険が迫っているときに限り、(著作権法の文言とは関係なく)プロバイダはやむを得ず記事を改変、削除しても、その責任を免れ得る、という意味です。

ですから、逆にいえば、他人の名誉を傷つけるおそれがないにも関わらず、誤字脱字の訂正を超えるような態様で改変を行うことは、同一性保持権の侵害に当たり、プロバイダ責任制限法等による免責もない、ということになります。

ただし、これは、一連の書き込みの総体が1個の著作物として認められた場合です。1個1個が独立した著作物であると認められる場合には、個々の著作物に対する改変が問題になるでしょう。

最後の点について。
これは、当方には非常に難しい問題です。契約法についてただでさえ不勉強なので、インターネット上での問題となるとほとんど分かりません。
ただ、掲示板管理者と利用者との間で、なんらの合意も形成されていないとすることはできないと思います。利用者にしてみれば、少なくとも他人の管理下に自己の記述をおくことを意識しているわけですから、黙示的にであれ、何らかの形で、何がしかの合意は生じていると考える必要があるでしょう。
その場合、合意内容が分明でなければ、利用実態や慣行、当事者間の事情などを総合考慮して、黙示的合意の内容を明らかにすることになると思われます。これはケースバイケースで、どのような場合にもこうなるという基準はないと思います。

この回答への補足

>「送信可能化」というのは、かなり端折った言い方をすれば「著作物をサーバーにおいて公衆の
>求めに応じて当該著作物が送信され得る状態にすること」です(著作2条1項9号の5)。そして、
>著作権者は、送信可能化権を専有し(著作23条)、これを他人に許諾する権利を有します(著作63条)。
>したがって、(財産的)著作権の本質は、その利用行為に対する許諾権(裏から言えば禁止権)です。
>つまり、「他人が自己の著作物を送信可能化する」ことについて、それを許したり禁止したりする
>ことができる、ということが送信可能化権の本質であると考えられます。
>このように考えると、「許諾なしに(あるいは禁止に反して)他人の著作物を送信可能化する行為」が
>送信可能化権の侵害に当たるということになります。

おっしゃりたい事はわかります。

つまり、著作権者は、「公衆送信権等」で送信可能化を専有しているので、それを破られる、即ち
無許可での送信や希望していない送信が、「公衆送信権等」の侵害にあたるということですね。

さらに言えば、「公衆送信権等」は、送信可能化を「専有」している事が本質で(上で述べたように
他人に破られない)、保護権的性質が主であり、「公衆送信権等」に基づいて送信可能化せよという
請求権的性質はもたない。少なくとも主ではないということでしょう。

>何らかの方法で「自己の表現の流通を円滑化させる」力を私人に認めることは、ある程度は担保
>されなければならないのかもしれません。その際に、著作権を取っ掛かりにするというのは、
>法政策論としては非常に興味深いものがあります(将来、機会があれば勉強してみます)。

将来を考えるとそうですね。お勉強の成果期待してお待ちします。

>ある著作物と他の著作物とが1つの著作物に包含されるか否かは、著作者の主観にのみよるわけで
>はありません。したがって、著作者が「これは1つの著作物だ」と思っていても、客観的には1個1個
>べつべつの著作物であると判断される場合もあります。

要は、見かけや著作者の主張は一著作物でも、客観的には「木に竹をついだ」ようなものであったり、
異なる(自己の)著作物の寄せ集めのようでは、一著作物とは言えないということですね。

>著作権法は「記述の内容」には関心を持っていません。したがって、わいせつ表現であれ、他人の
>名誉を傷つけるものであれ、著作物性に消長を来すものではありません。それゆえ、そのような情報
>であっても、著作物である限りは同一性保持権を有します。
>これに対し、プロバイダ責任制限法では、他人の名誉声望を害する情報やプライバシーを侵すおそれ
>のある情報について、これを削除して情報の発信者に損害が生じたとしても、一定範囲で免責される
>ことになっています。

「やむを得ない改変」の捉え方が間違えたようです。

まず、基本的に著作物であれば同一性保持権を有す(単体の著作物であれば一部への改変を拒み、
複数からなる一著作物であれば、著作物を構成する個々についてその一部の改変を拒むと同時に、
構成物を丸ごと改変する事(削除)を拒む。)
その上で、著作権法にいう「やむを得ない改変」は認容される。

これを前段として、今回の複数の投稿からなる一著作物に対して、一部を改変しても、
特定電気通信役務提供者が、特定電気通信による情報の送信を防止する措置を講じた場合の
「他人の権利が侵害されていることを知ることができたと認めるに足りる相当の理由があるとき。」
に該当する時は、
当該措置により送信を防止された情報の発信者に生じた損害については、賠償の責めに任じない。
(今回の例では言えば、著作権法違反の損害賠償を免れる)

ということですね?

>ただ、掲示板管理者と利用者との間で、なんらの合意も形成されていないとすることはできないと
>思います。利用者にしてみれば、少なくとも他人の管理下に自己の記述をおくことを意識している
>わけですから、黙示的にであれ、何らかの形で、何がしかの合意は生じていると考える必要がある
>でしょう。

やはり微妙な問題ですね。
なんらかの合意はあるのでしょうが、その合意が利用者各人に依存して統一的な合意が形成できない
ように思うのです。
「削除ルールがあるのか、違反しないように気をつけて掲示板を利用しよう」
「削除ルールなんてあるかも知れないが知らないよ。とりあえず使わせてもらうか」等々

「削除ルールを了解できない限り、当掲示板を使用しないでください。」と一言書いてあると
話は落ち着くのですが・・・

補足日時:2006/07/31 10:01
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この回答へのお礼

御回答ありがとうございました。
2回御回答いただき、一部こちらの誤解も訂正していただき大変参考になりました。

お礼日時:2006/07/31 10:04

思うに、「公衆送信権」とはその発信情報の保護であるというその法の本来の目的に帰して鑑みると、一見管理人の削除は公衆送信権を侵害しているようにも見える。

しかし、その削除が一定の判断基準に基づき公の秩序の維持、すなわち掲示板というコミュニティーの維持発展という公共の利害を前提に削除し、それが合理的な判断に基づく物であれば公衆送信権の侵害には当たらないと考えられる。
すなわち、プロバイダー責任法に基づく正当な削除を含め、そのコミュニティーの公秩序の維持上、必要不可欠であると解されるのならその削除は掲示板の運営件に基づく適性を欠く物ではない。
しかし、ここで争点となるのは何をもって不適切かである。
これは掲示板の運営論であり、著作権論ではないので、本件争点には含まれない。

次に、質問者は掲示板は複数の者が合同により製作した物であるのだからこれは共同著作物であると主張する。
しかし、掲示板は不特定多数が自由に書けるという特性を考えた場合、単に個々の記載の集大成にすぎず、それらが必ずしも連鎖している物ではなく、実際、罵詈雑言やヤジ、釣り、2ゲットなども存在する。また、記載者同士が合意の上、それらを製作した物ではなく、単に記載が集合しただけである。
このような特性を考えた場合、仮に書き込み単位で著作権を有するとしても、それらが共同著作物であるとは言えないと解される
同一性保持権についても同様であり、記載者が合意の上一つの結果を目指し創作した物ではなく、単なる集合体であり、記載時点ではいかなる結果となるとも予想できないのであるから、偶然にして出来上がった結果の一部を削除した事により、同一性保持権が侵害されたとも考えられない。
そもそもこの同一性保持権を誰が所有しているのかも疑問である。

しかし、根本の論議で言えば、そもそもその掲示板が著作物を主張できるほどの創作性を有しているのかを、まずは論じるべきである。

> ※法律に素人の方は、御回答ご遠慮願います。

素人ではありませんが、法曹関係者でもありませんのでお手柔らかに。

この回答への補足

>思うに、「公衆送信権」とはその発信情報の保護であるというその法の本来の目的に帰して鑑みると、
>一見管理人の削除は公衆送信権を侵害しているようにも見える。

一応は、削除を、著作者(ここでは投稿者)の「公衆送信権等」の侵害と捉えていると受け取って
よろしいですか?

>しかし、その削除が一定の判断基準に基づき公の秩序の維持、すなわち掲示板というコミュニティーの
>維持発展という公共の利害を前提に削除し、それが合理的な判断に基づく物であれば公衆送信権の侵害
>には当たらないと考えられる。
>すなわち、プロバイダー責任法に基づく正当な削除を含め、そのコミュニティーの公秩序の維持上、
>必要不可欠であると解されるのならその削除は掲示板の運営件に基づく適性を欠く物ではない。

ここは了解できます。

>次に、質問者は掲示板は複数の者が合同により製作した物であるのだからこれは共同著作物で
>あると主張する。

ここはpacsiaさんの誤解です。
わたしの想定していたのは、
・投稿内容というか投稿者の主張したい内容が、たまたま字数制限の関係で複数の投稿(書込み)に渡った場合
・他者の投稿を引用するために、他者の投稿を指定して自分の投稿を行なった結果、複数の投稿に渡った場合
の2ケースです。
これは、観念上というか頭の中の投稿内容は一つで、それがたまたま物理的には複数投稿に分割された
だけだと思ったので、一著作物であり、同一性保持権を持つと考え質問しました。

>しかし、根本の論議で言えば、そもそもその掲示板が著作物を主張できるほどの創作性を
>有しているのかを、まずは論じるべきである。

質問に書いておきましたように、
「匿名掲示板の投稿の著作物性」は、判例(東京地裁 平成13年(ワ)第22066号)により
「ネット掲示板の書込みは匿名であっても著作物性は否定されない」となっており、
思想や感情を創作的に表現したものなら、掲示板上のものでも著作物です。
(たしかに、一、二行の書込みに創作性は感じえませんが、
 なかには長文で、極端には複数の書込みにわたり、自分の考え、意見を表明したものがあります)

補足日時:2006/07/31 08:21
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この回答へのお礼

御回答ありがとうございました。

お礼日時:2006/07/31 08:25

a) について。


公衆送信(送信可能化)権に関して、「他人の著作権に係る著作物を勝手に公衆送信する行為」だけでなく、「著作権者がする公衆送信を妨害する行為」も、その権利の侵害に当たるのではないか?ということですね。
これは面白い論点だと思います。前者に関しては当たり前のように議論されていますが、後者、つまり公衆送信権に基づく妨害排除請求が可能か否かという議論は、あまり聞いたことがありません。
ただ、他人のインターネット掲示板を利用する以上、その利用規約等に拘束されることになりますから、他人の名誉声望を害したり、プライバシーを侵すおそれのある記事の削除は、掲示板管理者(ないし運営者)の(契約上の)正当な権能として認められるでしょう。一部修正も同様と考えられます。

b) について。
プロバイダ責任制限法に関しては明るくありませんが、これは民法の一般原則に対する特別法と理解できると思います。したがって、上述のとおり、「著作権者の公衆送信を妨害する行為」が公衆送信権の侵害に当たるか否かという議論があるにせよ、インターネットサービスプロバイダの行為による民事上の損害について、広く適用されることになると思われます。つまり、a) の議論がどちらにつくにせよ、記事の削除という行為によって当該記事の投稿者に損害が発生した場合でも、合理的な理由がある限りは免責される、ということになると思われます。

c) ケースによると思います。たとえば、一話完結型の連載は、その1つ1つが独立した著作物となります。逆に、掲示板システムの制約上、1つの話題を複数回の投稿に分けなければならない場合(字数制限など)などは、それらをまとめて1個の著作物とみることもできるでしょう。

d) そうなると思われます。

e) 「やむを得ない改変」がどの範囲を指すのかは議論がありますが、例えば、明らかな誤字脱字の訂正、旧字を新字に改める、などが代表例であると言われます。これに準じて考えれば、文字化けを訂正しようとしたができない部分が残った(欠落した)といった範囲に限られると思われます。
一連の投稿が1個の著作物であった場合に、その一部を削除することがやむを得ないと判断されるのは、やはり a) ないし b) のような場合であると思われます。したがって、たとえ同一性保持権の侵害に当たるような態様であったとしても、掲示板の利用規約やプロバイダ責任制限法の規定により、免責されると考えるのが妥当かと思います。

ルール違反が軽微であっても、契約や法律に違反していることに違いはありません。したがって、重大な違反との差異はないでしょう。
ただし、問題は、「軽微であってもルール違反」なのか、「ルール違反に見えるが実はセーフ」なのかの判断であると思われます。たとえば、一筆「公序良俗に反する書き込みは削除します」とあっても、「公序良俗」が何をさすのかはケースバイケースです。例えば、青少年向けのサイトの掲示板に露骨なわいせつ表現を書き込むことは公序良俗違反になるかもしれませんが、アダルトサイトの掲示板であれば一定程度は許容されると考えるべきでしょう。
したがって、どのような行為がルール違反に当たるのか例示するなどして、当事者の予見可能性を高めておくことは必要であると思われます。

この回答への補足

a) について

No.1 beenさんへの補足で述べさせていただきましたが、
今回の質問の背景は、質問に示した掲示板において、急に管理人判断の削除が大量発生し困っている
からなのです。

>公衆送信権に基づく妨害排除請求が可能か否かという議論は、あまり聞いたことがありません。

事例として少ないし議論も詰められていないということなんですね。
左記に示したように、管理人判断の大量削除に困っているので、それへの対抗する根拠として期待
してみたのですが。

b) について

了解させていただきました。

c) について

これも、No.1 beenさんへの補足で述べさせていただきましたが、
投稿には番号がふられるので、投稿者の多くは、投稿内容が複数に渡る場合、各投稿の先頭に
「何番の投稿の続き」等と書いて、投稿内容の連続性、一体性を確保しています。

いまのところ、一話完結型で「第何話」の形の投稿をしてる人はいないと思います。

d) について

了解させていただきました。

e) について

>一連の投稿が1個の著作物であった場合に、その一部を削除することがやむを得ないと判断されるのは、
>やはり a) ないし b) のような場合であると思われます。したがって、たとえ同一性保持権の侵害に
>当たるような態様であったとしても、掲示板の利用規約やプロバイダ責任制限法の規定により、免責
>されると考えるのが妥当かと思います。

「やむを得ない改変」=他人の名誉声望を害したり、プライバシーを侵すおそれのある記事等重大な
           権利侵害のある場合の改変
という理解でよろしいでしょうか?

>ルール違反が軽微であっても、契約や法律に違反していることに違いはありません。したがって、
>重大な違反との差異はないでしょう。
>ただし、問題は、「軽微であってもルール違反」なのか、「ルール違反に見えるが実はセーフ」
>なのかの判断であると思われます。
>                (中略)
>したがって、どのような行為がルール違反に当たるのか例示するなどして、当事者の予見可能性
>を高めておくことは必要であると思われます。

この質問に挙げた掲示板にはたしかに削除ルール中に例示がありますが、比較的曖昧です。
もともと、削除判断に管理者解釈の余地が極めて大きいのです。
しかも最近は管理者判断の大量削除が発生しているため、投稿者側でも、どういう投稿をすると削除
されるかわからず「削除基準がサッパリわからない」という声が書かれています。
(と書いてもすぐ削除されるんですが)
加えて、削除ルールの明示規定外に「管理人判断で削除できます」とあるため、さらに判りにくく
なっています。

また、これも質問上字数の関係で省略しましたが、この質問にあげた掲示板は無料掲示板で、商用の
ような明確な契約行為はありません。(ここ「教えてgoo」だとID取得時に約款の承認がありました。)

無料で契約行為が明確でなく誰でも参加できて曖昧な削除ルールがあるだけ、このような掲示板の
ルールだとしても、やはりルール/契約として有効と考えるべきなんでしょうか?

補足日時:2006/07/30 14:20
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この回答へのお礼

御回答ありがとうございました。
大変参考になりました。

お礼日時:2006/07/30 14:24

掲示板への書き込みは出版や放送などと類似した著作物の公表方法の一つです。

公表は、自費出版のように全てを著作者自身が賄う場合もありますが、これは例外であって、多くの場合は他人の行為(出版、放送など)が介在します。この場合、出版・放送業者の同意がなければ出版・放送できないことは明らかです。

掲示板も同様です。掲示板の利用者は、掲示板の管理者の同意の範囲内において掲示板を使用できるだけです。ただ、掲示板の場合、管理者が個々の書き込みについて事前に同意を与えることができないので、同意できない書き込みを削除することができるのです。これは掲示板の管理者の管理権(管理義務でもある)の当然の帰結です。
よって、問題になるのは削除の理由です。名誉毀損・誹謗中傷など、妥当な理由に基づく削除は正当な管理権の行使であり、公衆送信権などを論ずる以前の問題です。
軽微なルール違反の場合も同様です。軽微といえどもルールに違反している書き込みを削除できるのは、当然のことです。ルール違反の軽微性は、むしろ、管理者側の管理義務を軽減するでしょう。つまり、削除するかしないかについての管理者側の裁量の幅が広がるのです。

ただ、全体として一体と認められる一連の投稿物の一部だけを削除する行為は、著作物の改変に当たる可能性はあります。しかし、実際問題(事実認識)として、複数の投稿物の連続・一体性の有無自体が問題となるでしょう。連続・一体のものと認められるかどうかは、その内容・題号、前後の投稿との関係といった客観的側面と投稿者の意図という主観的側面を総合して判断しなければならないので、その判定は容易ではありません。
仮に、投稿者が主観的に一体のものと考える投稿物の一部が削除され、これを同意のない改変と主張したいとすれば、投稿者がその一体性を立証しなければなりません。

この回答への補足

まず今回の質問の背景を説明しておきます。

わたしの使っている掲示板はいままで削除も少なく平穏に使用できていたのですが、ここ一ヶ月程
管理人判断の削除が大量に発生し、掲示板の話の流れは途切れてズタズタになってしまいました。
しかも、従来は削除されなかったような内容も削除されていて管理人の身勝手というか、恣意性を
感じているところです。

そこで、このような状況に、投稿者側として対抗する手段がないかという点で質問させていただいた
次第です。

>軽微なルール違反の場合も同様です。軽微といえどもルールに違反している書き込みを削除できる
>のは、当然のことです。

ということは、極めて些細なルール違反でも、実際に削除する/しないは管理人の判断次第(極論する
と、その日の気分次第(笑))ということでしょうか?
特に、わたしの使っている掲示板では削除ルールの明示規定外で「管理人判断で削除できます」という
よく言えば弾力的、悪く言えば勝手気ままな規定もあります。

>仮に、投稿者が主観的に一体のものと考える投稿物の一部が削除され、これを同意のない改変と
>主張したいとすれば、投稿者がその一体性を立証しなければなりません。

これは質問上では字数の関係でご説明を省いたのですが、投稿には順番に番号がふられます。
投稿者の多くは、投稿内容が複数に渡る場合、各投稿の先頭に「何番の投稿の続き」等と書いて、
投稿内容の連続性、一体性を確保しています。
(これをしてない方もいますが・・・)

補足日時:2006/07/30 13:04
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この回答へのお礼

御回答ありがとうございました。
大変参考になりました。

お礼日時:2006/07/30 13:07

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