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会社法207条9項5号では、弁済期の到来した金銭債権を出資財産とすることを認めていますが、これは会社の財政再建を目的とした208条3項の例外的な規定なのでしょうか?

A 回答 (6件)

質問者の方が#2の方へのお礼で


>実態は変わらない気がするのですが。
て言っておられるように、私も、両者は実態としてはそれほど違わないと思います。
しかし、#3で回答があるように、手続、形式的な面をクリアするという点において、やはり差異がありますし、これを重視したものと思われます。

DESをするにあたって、債権額をどのように評価するかについては、回収可能性を考慮した「時価」で評価するか、「額面」で評価するかに争いがあったところです。
かつては、資本充実の原則から、時価なら大丈夫だろういうことでDESの評価といえば時価と見られていたこともありました。
しかし、特に金融機関からのDESを素早く簡便にやりたいという要請もあり、弁済期が到来してれば、弁済額も確定しているんだから、評価の適正性に関して特に問題はないだろうということで、最近の東京地裁などによる検査役の調査では、額面での評価がされていました。
会社法の規定は、このような実務の現状を踏まえたもののようです。

最初に書きましたとおり、207条9項5号は、「弁済期が到来」「負債の帳簿価額を超えない」という形式的な要件をクリアすることで、一応の適正性は担保されていると見て、検査役の調査を不要としていますが、ここが相殺とは異なる点です。


また、#4に挙げた日司連の説明を私なりに補充しますと、そもそも「相殺(=法定相殺)」は一方的意思表示によるもので(民法506条1項)、会社法208条3項に言う「相殺」もこの法定相殺を指します。
しかし、207条9項5号は、会社の同意がある場合だから一方的意思表示ではない、つまり「相殺(=法定相殺)」とは異なる相殺合意(あるいはそれに準ずるもの)なんだということで、極めて形式的な点ですが、ここも相殺(法定相殺)とは違う点です。

立法趣旨については、ここ(↓)の14頁にある程度書いてありますが、
「会社法制の現代化に関する要綱試案 補足説明」
http://www.moj.go.jp/PUBLIC/MINJI39/refer02.pdf
会社法は、じっくり時間をかけて法制審で検討するということではなく、民事局付検事や大手事務所の弁護士らが手分けして作ったために、書籍等に載っている以上の詳しい立法趣旨は、あまりよく判りません。
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この回答へのお礼

詳しい回答ありがとうございます。
実務が絡む話なので机で勉強するものにはなかなか難しい内容ではありました。
相殺と現物出資という実態が似たものでも、資本充実その他の理由により、厳格に規制して取引を行うようにしたという形式面に両者の差異がある。納得のいく理由です。
ありがとうございました。

お礼日時:2006/08/21 15:47

評価の適正性が確保されず、過大な評価が行われれば、有利発行同様に、少ない財産で過大な株式を引き受けるということとなります。


そうすると、既存の株式の経済的価値が低下するおそれがありますし、また、株式引受人間における出資に関する公平・平等も害されますので、これらを防止するところに規制の本来的な趣旨があるとしたものと思われます(同書63-4頁,75-6頁参照)。
もっとも、「厳密に言えば」「実現するための制度ではない」という言い回しから、実質的に、資本充実に資する効果があることまでをも否定するものではないと考えられます。
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この回答へのお礼

2回目の回答ありがとうございます。
相殺はほとんど現物出資のように思えてしまうのですが、弁済期が到来しているものとしていないものとでは何が違いがあるのでしょうか?
債権の現物出資についての過大評価の規制は、債権金額以上の評価をしないという規制を設ける方法はなかったのでしょうか?立法趣旨などございましたら教えてください。
重ねての質問申し訳ありません。

お礼日時:2006/08/21 00:10

次の説明が分かりやすいと思いますので、関係部分を引用します。


「募集株式の引受人は、出資の履行をする債務と株式会社に対する債権とを相殺することができないとして(会208(3))、会社からの相殺は禁止されないこととなった。ただ、会社に対する現物出資について、株式会社に対する金銭債権(弁済期が到来しているもの)をその債権額以下で出資する場合は、検査役の調査は不要とされたが(会207(9)V)、これは、会社が会社に対する金銭債権の現物出資に同意している場合であって、相殺禁止には当たらない。」
日本司法書士会連合会
「会社法改正による司法書士業務への影響」
http://www.shiho-shoshi.or.jp/web/publish/geppou …

ということは、208条3項と207条9項5号は、そもそも抵触する規定ではないということになるのでしょう。

なお、立法担当者によると、厳密に言うと、208条3項は、資本充実の原則を実現するための制度ではなく、債権の現物出資に関する規定の潜脱防止がその趣旨だということです(葉玉匡美編著『新会社法 100問』64頁(2005,ダイヤモンド社))。
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この回答へのお礼

回答ありがとうございます。
>208条3項は、資本充実の原則を実現するための制度ではなく、債権の現物出資に関する規定の潜脱防止がその趣旨

ということは、債権の現物出資には厳格な規制を設けたいということになると思うのですが、何故債権の現物出資を規制するのですか?

お礼日時:2006/08/20 11:06

結果だけ見て会社財産が増えないという所が同じように見えても、問題はそこではなく、手続きが重要視されていると思います。

その手続きによって資本充実の結果を確保すると。
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この回答へのお礼

回答ありがとうございます

お礼日時:2006/08/20 11:03

すみません。


「履行」を「給付」に改めてください。
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この回答へのお礼

回答ありがとうございます。
金銭債権の給付と債権債務の相殺は何が違うのでしょう?実態は変わらない気がするのですが。

お礼日時:2006/08/16 11:35

例外ではないと思います。



5号でも相殺はできません。現実の履行を要求しています。

208条3項はあくまでも現実の履行を要求するためにあるものです。

これは旧法から変わっていません。
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