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 私たちが属する太陽系の大きさというか、広がりはどこまでを考えるのでしょうか。オールトの雲の外側の輪郭が太陽系の「形」なのでしょうか。オールトの雲は1光年先まで広がっているそうですが、それだけ離れると太陽の引力よりお互いの引力の方が大きいと思うのですが、太陽との相対位置を保ちながら銀河の中心を回っていられるのはどういうわけなのでしょうか。オールト雲を構成する多数の物体は他惑星の平均的公転面上に分布しているのでしょうか。

A 回答 (1件)

 


  参考URLに、「カイパーベルト」と「オールトの雲」についての説明があるサイトを載せています。このページの説明を見ると、オールトの雲は、昔、「長周期彗星」の源が存在し、そこより、太陽系の引力で引き出されると、かなり不定な起動を取る長周期彗星が太陽に接近して出現するとされた「長周期彗星」の起源空間の位置に当たります。またカイパーベルトは、「短周期彗星」の軌道とほぼ一致しており、長周期彗星が、太陽系の巨大惑星の引力に捕捉されたものが、短周期彗星であるという見解があったのですが、カイパーベルトとオールトの雲の起源の説明では、両者共に、太陽系内に構成された、かなり巨大な微惑星(「微」惑星で、巨大というのは奇妙ですが、惑星としては、惑星生成の理論からして「微惑星」に相当するが、太陽系の惑星を構成したと考えられる原始微惑星に較べ、かなり大きいようにも思えるので)で、巨大惑星の近くにあった微惑星が、その引力で、太陽系の外に出、太陽系から脱出したものと、引力によって残ったものに分かれ、残ったものが、オールトの雲を構成せしていると考えられています。また、カイパーベルトは、元々、現在存在するような位置に構成された微惑星であるという考えがあるようです。
 
  太陽系の大きさということでは、「太陽系」というのは、太陽の重力でまとまったシステムと考えられ、星間放浪天体が、太陽の引力に引き寄せられて、太陽系に入ってきても、これは外来天体と見做されます。無論、そうして、太陽系の一員になってしまえば、太陽の重力のまとまりの内部に入る訳で、以降は太陽系のシステムの成員ということになります。
 
  こういう風に考えると、太陽重力から脱したものは消え、太陽重力から脱出しなかったものが、現在残っていると考えられる「オールトの雲」は、太陽の重力ポテンシャルの内部にある訳で、太陽系の正規のメンバーで、しかも、これが一番遠い距離まで広がったものだとすれば、太陽系の最大輪郭は、オールトの雲が分布する空間だということになります。広がりは、最大で一光年ほどまで広がっているようですか、太陽黄道面で、大体1光年ということになるでしょう。黄道面以外の空間では、、オールトの雲は存在しないか希薄なはずです。無論、太陽系の惑星などのように、ぴったり黄道面近くという訳ではないでしょうが、黄道面近くに多くが分布するはずです。従って、太陽の南北軸方向では、太陽系は、もっと小さなもので、太陽系も、オールトの雲の形状から言えば、銀河円盤よりも、もう少し中の膨らみがある円盤で、一番長い部分が1光年程度ということになります。
 
  ある天体が、惑星とか太陽にポテンシャル的に束縛されているというのは、例えば、地球を考えれば、地球のポテンシャル・エネルギーを脱出すると、一つの段階に、完全に地球から脱するのでなく、「或る距離」でまだ地球に束縛されている状態があります。これは、地球表面から離脱して、地球衛星軌道を取るのに必要なエネルギーで、「地表面からの脱出エネルギー+衛星軌道維持のエネルギー」の二つの量が必要です。後者の衛星軌道のエネルギーを「無限遠」の軌道に取った場合が、実質の地球重力脱出エネルギーで、このエネルギーを持つと、地球の衛星ではもはやありません。普通、エネルギーは天体の運動速度で表現するので、地球表面からの離脱エネルギーを「第一宇宙速度」、地球のポテンシャル場から完全に自由になるエネルギーを「第二宇宙速度」とも呼びます。
 
  しかし、地球の重力から完全に脱出しても、太陽系の「惑星軌道」を取るのが普通で、これは、太陽の重力ポテンシャルから脱出するには更に大きなエネルギーがいるからです。このエネルギーまたは運動速度以上の速度を天体が持つと、太陽系の重力束縛から逃れ、自由に星間空間を運動することになります(無論、今度は、「銀河重力ポテンシャル」があり、太陽系が、銀河中心の周りを公転運動しているのは、太陽系が、銀河重力ポテンシャルに束縛されていて、銀河内の「惑星・衛星」のような立場にあるからです)。
 
  とまれ、「オールトの雲」が、太陽脱出エネルギーを獲得して太陽系を脱出した仲間のあいだで、脱出速度を持たなかったので、太陽系に残った微天体の大集合とすれば、それは、非常に長い周期でしょうが、太陽重力または太陽系の重力に束縛されており、非常に巨大な公転運動をしていると考えられ、これらの天体は、太陽系の惑星が、太陽重力から逃れることなく「太陽系」として、太陽と一緒に、銀河円盤のなかで雄大な運動を共にしているように、太陽から脱出することなく、太陽の銀河内運動に伴って、連れ添って運動していると考えるのが妥当です。
 
  >オールト雲を構成する多数の物体は他惑星の平均的公転面上に分布しているのでしょうか。
 
  これは、参考URLには、そういうことは触れていませんが、もし黄道面上近くに分布せず、球殻的に分布していると、ジャン・オールトの理論的計算では、何も結果が出なかったはずです。つまり、太陽系の諸惑星、とりわけ、木星や土星、海王星、天王星などの軌道を詳細に観察して、天体力学的なずれを計算し、このずれを、太陽系外か内部に存在する未知の天体の重力による摂動だと考えて、摂動の性質から、逆に、未知の天体の位置や大きさを計算する方法が、天体力学で理論的に存在する手法で、天王星・海王星・冥王星なども、木星や土星の運動の摂動を元に、その位置や質量を理論予測して、発見したものです。それと同じ手法で、オールトの雲の理論的位置や質量を計算したのなら、太陽を中心に、球面上にオールトの雲があれば、その距離から言って、摂動は、全体として中和され、観察されないだろうということから、黄道面近くにあったはずだと云えます。
 
  オールトの雲を構成する天体の運動は、回転運動をしているはずですが、その周期は極端に長く、長い公転周期を持つ木星と比較しても、もっとずっと長いはずで、非常に公転周期が長いと、木星などへの摂動において、公転運動は無視してよいことになり、その場合、特定の方向にオールトの雲が固まっていれば、それは、計算で出てくるはずで、特定の方向にあるのではなく、太陽系を取り囲むようにあるということは、黄道面近くでベルト状だろうと言うことです。
 
  ただし、カイパーベルトが、ベルトだと言っているに対し、「オールトの雲」ですから、ベルトよりも、もっと広がった構造だと考えるの妥当でしょう。(巨大な球体であるという説明もありますが、これは「彗星の故郷」という発想での考えでしょう。長周期彗星は、軌道が黄道面とは限らず、かなり無作為なので、長周期彗星の元であるオールトの雲は、球体状に分布しているというイメージになりますが、天体力学的に摂動計算で出てくるには、離れている距離を考えると、球面的に対称な形で分布していると、太陽系の惑星への重力作用が、全体として相殺してしまい、摂動では観察できないはずなので、偏っていると考えるのが自然です。特に、それが、非常に長い周期でも、太陽の周りを公転しているというなら、太陽系の起源から言っても、微天体は、黄道面に収集されているはずで、脱出軌道にあった天体で、太陽系に残ったものとすれば、確かに脱出方向は、黄道面だけではありませんが、完全な球体形状ではないのが自然です。……太陽の周りを公転しているのでなければ、オールトの雲は、長い時間のあいだに失われているでしょう)。
 
  他の恒星が太陽近くに接近した場合、太陽と同規模の恒星が、2光年の距離を通過すると、オールトの雲を構成する微天体は、明らかに、大きく運動を変えられます。また、このような遭遇で、オールトの雲の運動が、黄道面以外の軌道運動を取ることになるかも知れません。このような遭遇によって軌道を変えられた、多数の微天体が、太陽系内部に入り込み、例えば、通常の時期より数百倍も多い、彗星の惑星への接近が起こり、彗星のシャワーが、惑星、例えば地球上に降り注ぐ可能性があるとされています。しかし、太陽から2,3光年での恒星の接近というのは、それほど珍しいことではないと思えます。太陽のある銀河域は、太陽クラスの星が、五光年から十光年ぐらいの相互距離で、平均に分布する空間で、太陽よりずっと小さい、赤色星なら、もっと数が多く、他の恒星との遭遇というのは、かなり頻繁なできごとだったとも云えます(現在、太陽から約4光年の距離に、太陽と同じ大きさの星であるアルファ・ケンタウリが存在しています。アルファ・ケンタウリが、こんな近くにいるのが例外的かと言うと、太陽周辺の恒星の分布を見ると、このぐらいの距離にいても不思議でない、というぐらい、恒星が密集しています。……太陽から半径15光年ほどの球面のなかに、50から100個の恒星があります。この球体は、約13500立法光年ですから、この中に百個だと、一個当たり135立法光年で、これは一辺5光年の立方体の体積ですから、5光年ごとに一つ星があるということになります。アルファ・ケンタウリのような大きな星が近くにあるのは珍しいことですが、太陽の100倍ぐらいの質量の星が、もしこの距離にあると、「オールトの雲」などは、全部、吸い寄せられる可能性が高いです。オールトの雲が現在もあるのは、そういう出来事が過去なかったのだと言うことになります)。太陽系の形成の頃から存在するとも思えるオールトの雲が、数十億年経過した現在でも残っているということは、他恒星の擾乱の影響が、決定的でなかった為としか言いようがありません。
 
  オールトの雲は、形状的には、球対称形かも知れないが、密度的に、黄道面に偏っているだろうと思えるということです。(ちょっと、不確実なことが多いので、自信なしにします)。
  
  >カイパーベルト(Kuiper Belt)とオールトの雲(Oolt Cloud)
  >http://www2.crl.go.jp/ka/TNPJP/nineplanets/kboc. …
  

参考URL:http://www2.crl.go.jp/ka/TNPJP/nineplanets/kboc. …
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この回答へのお礼

 ご紹介いただいたサイトを含めて、時間をかけて何度も読ませていただきました。理解できない所も多少残りますが、私なりに深めていきたいと思います。ただ、「他恒星の擾乱の影響が、決定的でなかった」という表現でかなりもやもやが晴れました。
 宇宙における物質の濃度には大きな偏りがあり、私たちのいるところはかなりその濃度の濃いところのようですね。
 いつもながら、わかりやすい文章でお答えいただきありがとうございます。回答を読ませていただいているうちにわくわくしてきました。

お礼日時:2002/04/11 23:26

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