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日本では、いつ頃から「戦(いくさ)」を「戦争」というようになったのでしょうか?
昔から戦争という言葉はあったのでしょうか?
また、その類義語は何に当たりますか?

A 回答 (4件)

なかなか意義深いご質問だと思います。


ご質問の趣旨から判断して、国内だけの問題と限定して考えて見ましょう。戦時国際法の領域まで枠を広げて考えた方が『戦争』と言う概念が捉えられ易いのですが、今回はそれを省きましょう。
先ず『戦争』と言う言葉ですが、明治維新時代以前には、戦争と言う言葉も概念も一般的には存在して居なかったようです。
戦争と言う概念及び言葉が使われ出したのは、わが国の歴史の中でも日清・日露戦争からではないかと思います。明治初期生まれの小生の祖父母などは『いくさ(戦)』と言う言葉を日常的に使っていたように記憶しております。勿論、祖父は兵役の経験(日露戦争の直後)があり、村の年寄り達は「軍曹、軍曹」と言うニックネームで呼んでいましたが、その彼にしても『いくさ』でした。
 小生は、太平洋戦争の終戦の翌年に『尋常小学校初等科一年』に入学した年齢ですので、戦時中の記憶が子供心にも微かに残って居る最後の世代ではないかと思っています。そんな僅かの経験と記憶を辿って見るとあの頃の大人たちは、満州事変、日支事変と言って日露戦争以降の中国大陸での戦を戦争とは呼んでいなかった、特に満州(清王朝・愛新覚羅一族の出身地)は、支那(シナと読む、英語のChainaにあたる)であっても、中国(その頃は蒋介石総統率いる『中華民国』:建国の父は孫文)領ではない、と言うのが大方の日本人の認識でした。だから戦時国際法で定義するところの所謂『戦争』ではなく、日露戦争に依って得た満州での権益(南満州鉄道、鉱山採掘権等)、及び在留邦人(満蒙開拓義勇軍による開拓地、そこへ派遣された開拓農民家族、満鉄職員、鉱山技師、教師、それらの家族など)の保護・防衛、が目的でしたから戦争ではなくて自衛のための武力行使であって、敢えて戦争と呼ばず「事変」と称して居たようです。
国と国とが軍隊と言う集団で以って、武力を行使して外交交渉の局面打開を図ることを『戦争』と言う概念で捉えるようになったのは、1648年のウエストファーリア条約(30年戦争の終結時に結んだ)以降、更に下って、ナポレオン戦争の後のウイーン会議(1809年)以降のことでは無いかと、小生は考えております。
日本史で取り扱う「戦」の歴史で「戦争」と言う言葉が使われているのは、明治維新の最中、鳥羽伏見の戦いで始まる「戊辰戦争」ですが、此れは内戦であり、アメリカの南北戦争にも匹敵する明らかな戦争ですが、当事者たちには戦争と言う意識はなく、『討伐』のつもりだったと思います。(戊辰戦争と呼ぶのは後に歴史教育の中で付けた呼び名)
明治の時代になってから欧米から入ってくる言葉を、当時のわが国のインテリゲンチャー達が、漢字を駆使して翻訳して作った幾つもの翻訳語の中に、戦争と言う、かって使って居なかった言葉と概念が定着していったと思います。(現在の中国にも翻訳語が日本から当時の留学生に依って伝播し其の儘生きている言葉が数々あります。例:資本主義)
 わが国が最初に国際的な武力紛争に晒された代表的なものは、鎌倉時代における所謂『元寇』です。此れなど明らかな戦争ですが、文永の役(1274年)・弘安の役(1281年) 共に『役』と呼びます。
『役』、『乱』、『合戦』、『陣』等と言う表現が戦国以前の『戦』の呼称です。江戸時代(1615年大阪夏の陣以降)には戦らしい戦がなかった、いたって太平の時代でしたから、「いくさ」と言う言葉があっても実態を知らない思出話の世界だったと思います。日本史の中で時代の流れの大きな変曲点になった様な『いくさ』も,、例えば、蝦夷征伐、源平合戦、応仁の乱、関が原の合戦、その他の国内の戦は、歴史に記されているものは殆どが朝廷から帝の詔勅を賜り、討伐の形で攻めて行きましたから、当事者には「警察行為」の様な意識しかなく、戦であっても所謂、近現代史的な意味での「戦争」と言う意識は無かったと思います。多分・・・・・。
 因みに、『軍』と言う字も訓読みでは『いくさ』と読みますね。
下世話のところでは、小生等が幼少の頃「お伽噺」に聞いた『サル』と『カニ』の戦いは『猿蟹合戦』であって、猿蟹戦争とは言いませんでしたよ。蛇足ながら・・・・・。 この程度しか知りません。宜しいですか。

参考URL:http://www.okwave.jp
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この回答へのお礼

的確なご回答有難うございます。
回答者様は戦争経験者なのですね。私の祖母は、幼い頃満州に住んでいたという事もあり、満州事変についての資料を読んでいて、「戦争」「戦」等言葉の使われ方を知りたくなったのです。

参考URLで検索してみると、似たような質問があり、そこからまたいろいろ探ってみるとなかなか興味深いHPに出会いました。
dreidorf68様がご存知かどうかは分かりかねますが「つかはらの日本史工房」様http://web.kyoto-inet.or.jp/people/tsuka/では「乱・役・戦争・事変などの呼称について」詳しく記載されておりました。

大いに参考になるご回答でした。
有難うございます。
 

お礼日時:2006/12/01 14:06

 敵味方が、武器を持って戦う意味での、「戦争」という単語は古くから存在します。

例えば唐代の詩人・呂岩「漁父詞一十八首·活得」の一節
  位立三才屬五行 陰陽合處便相生
  龍飛踊 虎●獰 吐個神珠各戰爭 (●=獣偏に生)

 また、武力による民族・国家間の戦いという意味では、『史記』「秦始皇本紀」にも記述されているようです。

 ただし日本で現在使われる意味での「戦争」は、明治に西洋式近代軍事学で「war」の訳語として用いられてからでしょう。
参照:大修館書店『大漢語林』
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昭和20年以降です。


日清戦争は明治27・28年戦役
日露戦争は明治37・38年戦役
第一次大戦は大正3年至6年戦役
シベリア出兵は大正3年至9年戦役
満州事変
支那事変
大東亜戦役

が正式名称です。
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この回答へのお礼

ご回答有難うございました。
先の回答者様も仰っているように、「戦争」という言葉は後の人達が作り出した言葉だったのですね。
それ以前は
「日清戦争は明治27・28年戦役」
のように「戦争」に近いことばを使っていたのですね。
余談ですが、「戦役」を調べてみると(以下
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%88%A6%E5%BD%B9より抜粋)

戦役(せんえき)は、戦争状態にある両軍が行なう相互に関連する一連の軍事行動を言う。戦争の一局面であり、機動や戦闘などの行動の総和である。
~~古い時代の日本や中国にも、類似の思考はあるが、独立した用語を作るまでにはならなかった。日本史に出てくる「××の役」は、軍事動員を指して間接的に戦争を表現したもので、本項でいう戦役とは異なる。

・・・らしいです。普通の辞典でしらべてみると、例に「日露―」と書かれています。ウィキペディアに記載されていたものとは基本的に別物なのですね。

お礼日時:2006/12/01 13:26

推測ですが、森鴎外の頃からだと思います。


http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%97%A5%E6%9C%AC% …
によれば、戦争の初出は薩英戦争ですが、同時代の長州征討は、長州側では、四境戦争と呼ばれたとありますが
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%95%B7%E5%B7%9E% …
他では、四境の役と呼ばれていたようです
http://www.town.suo-oshima.lg.jp/sightseeingguid …
つまり、当時としては○○戦争とは呼んでいなかったのを、後で○○戦争と呼び習わすようになったという気配があります。

では 戦争という語彙はいつから出てきたか?
これは、森鴎外(本職は、陸軍軍医)が、「戦争論」の翻訳に深く関わったときです。

http://clinamen.ff.tku.ac.jp/Clausewitz/Ougai.html

戦略や戦術など、現代の戦争関連用語は、このときに生まれました。
森鴎外は、漢籍に関しての深い理解がありましたので、漢語から多くの日本語を作り上げました。
「たたかい」という和語を使わずに、戦争という漢語を使ったのではないかと想像します。
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この回答へのお礼

ご回答有難うございます。
「戦争」という言い方は結構最近なのですね。
知りたかったのは国内での使われ方なのですが、これには漢語も関わってくるのですね。

>「たたかい」という和語を使わずに、戦争という漢語を使った・・・
漢語が出てきたので、関連するような言葉を自分なりに調べてみました。

せんそう【戦争】
・戦争(←『戦』の簡体字が入力できないですが)
せんそう【戦争】~をする
・作戦
・打仗
とうそう【闘争】
・斗争
せんとう【戦闘】・いくさ【戦】
・戦斗
たたかい【戦い】
・作戦
・役
いろいろな言葉が出てきました。
大変興味深いです。
もっと調べてみようと思います。
興味深いご回答有難うございました。

お礼日時:2006/12/01 13:11

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