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酸化物に電気が流れない仕組みを教えてください。

A 回答 (5件)

電気伝導の本質は,キャリア数とキャリア移動度です.


面倒なのでキャリアが電子の場合で話をしますが,ホールでも本質的には同じです.固体についてはイオン伝導では一般的には大きな電導性は得られませんので,ここでは考えないことにします.
まずキャリア移動度ですが,これを支配するのは主にバンド構造です.
要するにそこにある電子が強く局在するような状況なのか,広がったバンドで,しかも結晶の作る周期的ポテンシャル場が,肝心のキャリアの波に対して散乱的にならないか,というような.
そして伝導帯についてみれば,酸化物であっても大きな移動度を持てるような構造をしていることが数多く見られます.このことは,伝導帯にキャリアがあれば,それなりに電気が流れるということを意味しているわけです.
一方,実際の酸化物は電導性のものは必ずしも多くありません.それはキャリア密度の問題で,通常は伝導帯のキャリアはけっして多くないのです.それは,そもそも伝導帯は基底状態では空準位であり,そこにあるキャリアは熱励起(真性半導体の暗電導)や光励起(光半導体の光電導)によって強制的に発生させられたものか,不純物準位から発生するものがなければ,「いない」のが普通だからです.
ITO は電子電導性ですが,これは酸化インジウムに対してスズが不純物準位を提供することで,それによって構造的に大きな移動度が得られる伝導帯に非常に高い(金属にかなり近い)キャリア濃度を与えることで,かなりの電導性が得られます.
もちろん,このようなケースでなくても電導性の高い酸化物はあります.この辺の詳細な話は,たとえばそのものずばりの「電気伝導性酸化物(改訂版)」(津田ほか,裳華房)という本がありますので,探して読んでみるといいでしょう.前提条件として,バンド模型や固体の電子構造についての基礎的知識は必要ですが(いちおうその辺りから書いてはありますが),興味深い電導機構の酸化物なども解説されていて面白いです.
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透明電極のインジウムオキシド等は電気が流れますけど。


m(_ _)m
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物質は大きく金属、イオン性物質、分子性物質の3つに分類されます。


この3つの中で固体状態で電気を流すのはふつう金属だけです。

金属に特有の性質があるというのは昔からよく知られていました。金の様な性質を示すものと思えばいいです。きらっと光って、叩いて伸ばすことが出来て、・・・。電気を通すというのは近世になってから知られたものですね。
鉄や銅は金属ですのでその材料となる原子を金属原子と呼びます。でも原子一つでは金属の性質は出てきません。金属原子が集まった集合体の示す性質です。原子を結びつける働きを結合といいます。金属を作る結合は金属結合と呼びます。金属原子の集合体の中を自由に動き回ることの出来る電子が原子を結びつけるは働きをしています。電圧をかけるとこの自由電子が動くので電流が流れます。

イオン性物質は正、または負の電気を持った原子の塊(原子が一つの場合も2つ以上の場合もあります)が電気的な引力で結びついたものです。食塩の成分である塩化ナトリウムでは正電荷を持ったナトリウムイオンと負電荷を持った塩化物イオンで出来ています。固体の食塩でも水に溶けた食塩でもナトリウムイオン、塩化物イオンが存在します。化学反応が起こらない限り、イオンはイオンのままです。電気は流れません。金属元素の酸化物もイオン結合です。電気は流れません。電池と豆電球で回路を作って導線を食塩水に入れると電気が流れます。この時は電気分解が起こっています。ある値以上の電圧をかけないと電流は流れません。

いくつかの原子が一定の規則で集まった塊を分子といいます。原子と原子が電子を共有して結びついていますので共有結合といいます。隣の原子と共有するだけですから電子の総数は変わりません。分子は中性です。共有されている電子は自由に動くことが出来ませんので電圧をかけても電流は流れません。

イオン性物質でも分子性物質でも高い電圧をかければ電流を流すということは出来るでしょうが無理矢理流したということになります。だから普通は流れないとしています。金属がさびると電気が流れなくなります。錆は金属元素が化学反応で化合物に変わってしまったものです。普通はイオン性物質です。
※ 時々「食塩の分子が・・・」とか「食塩の分子式はNaClである」とか書いてある本がありますが間違いです。先日もメッキについての本を見ていたら「硫酸銅の分子式はCuSO4である」という記述がありました。これも間違いです。

これは大きな分類です。どこの世界にも変わり者はいると思いますので当てはまらないものもあります。変わり者の方が特殊な使い道に向いていますのでニュースになります。電気を流すプラスティックスとか、電気を流す酸化物は変わり者です。普通はない物質ですから導電性のプラスティックスの開発でノーベル賞が貰えたわけです。

物質の3つの分類と結合は高等学校の教科書に載っています。
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大切なのは、


なぜ、金属は電気が通るかです。


おそらく知っていると思いますが、

金属は金属結合をしています。

酸化物は共有結合をしています。


電気の本質は電子です。

金属結合と共有結合。

それぞれの結合のとき、電子がどのような状態にあるか、調べると疑問を解決することができるはずです。
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まず,貴方に伺います。



・貴方は学生さんですか?
・化学は習っていますか?

場合によっては,ここの禁止行為である「課題のまる投げ」になる可能性もあるので,確認
させていただきます。
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この回答へのお礼

私は、化学は習っています。
金属が酸化して酸化物ができてしまうと電気は流れなくなってしまう。
その酸化膜の電子状態が局在化してしまうなどあるていどの
知識と理解はしていますが、さらにつっこまれてなぜ??なぜ?
と疑問に思ったとき、極限までの理解をしたいと思い質問しました。

お礼日時:2007/03/10 16:47

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