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なんだか基本の話ですが
・水蒸気蒸留の利点は「高沸点の物質の抽出効率を上げる」以外に何かあるのでしょうか?
・通常「水蒸気蒸留」と言えば、無条件でフラスコ2個を加熱、水蒸気を導入する側に試料を入れる。という操作法をさすのでしょうか?
(水蒸気を発生させずに試料が入ったフラスコ1個だけなら「直接蒸留」で「水蒸気蒸留」とはべつものですよね?)
・「直接蒸留」で同等の回収率が得られれば、元の文献で「水蒸気蒸留」と指定してあっても、特に気にする必要はないのでしょうか?

A 回答 (1件)

> 通常「水蒸気蒸留」と言えば、無条件でフラスコ2個を加熱、水蒸気を導入する側に


> 試料を入れる。という操作法をさすのでしょうか?

「加熱水蒸気の蒸気圧と目的物の蒸気圧の合計が外気圧以上になることで、目的物と
水を留出させる」のが原理だと思いますので、「フラスコ1つに水と試料を入れて加熱」
でも「水蒸気蒸留」と考えられなくはないでしょうが、やはり水蒸気発生用の容器は
別途用意するのが「通常」と思います。

こちらは参考として:
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%B0%B4%E8%92%B8% …


> 「直接蒸留」で同等の回収率が得られれば、元の文献で「水蒸気蒸留」と指定してあっても、
> 特に気にする必要はないのでしょうか?

通常の蒸留や減圧蒸留で回収可能であれば、特にこだわる必要はないでしょう。
ただ、普通は、理由もなく水蒸気蒸留を選ぶとは考えにくいように思います。

例えば、合成反応中にタール化した生成物から目的物を抽出する際には、通常蒸留や
減圧蒸留では、目的物を含む低沸点成分の留出に伴って蒸留対象の粘度が増加する
ため、目的物を完全に留出させきれなくなる可能性が考えられます。
(バルサム類などの天然香料から香気成分を留出させる場合も同様)

こういった場合、水蒸気蒸留であれば、目的物などの留出中も、残渣は水中を漂って
一箇所に固まったりしにくいため、比較的大きな表面積を保つことになり、より目的物を
留出させやすくできると考えられます。

また、フェノールのニトロ化によるo-ニトロフェノールとp-ニトロフェノールの合成時のように、
水蒸気蒸留での留出のされやすさの差(この例ではo-体の方がされやすい)を利用して、
目的物の分離ができる場合もあります。
(これを減圧蒸留などで対応してしまうと、o-体とp-体の分離に、さらにカラムを使用したり
 することになります:残留する側が目的物の場合は、結局さらに分離操作が必要ですが)


「水蒸気蒸留の利点」には、上記のようなことも含まれると思います。
(それらも「抽出効率の向上」であることには違いありませんが・・・)
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この回答へのお礼

ご説明、大変よくわかりました。
「残る側」のことは考えてなかったので・・・。
ありがとうございます。

お礼日時:2007/11/01 08:59

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