源氏物語のあらすじを読んでみて、平安時代の「女性の貞操観念」にふと疑問を抱きました。(ちなみに、結構ネットで調べてみましたが、明瞭な答えを得れませんでした・・。)
例えば、源氏は父の女御である藤壺と契ったり、頭の中将の元愛人の夕顔のもとに通ったり、終盤の薫と匂宮と浮舟の関係などなどに関して、なんだか凄く性に関してフリーな感覚を抱きました。
当時の貴族の女性は滅多に人前に出ないし、親は今より娘を大事にする時代のはず。いったい、当時の貞操観念はどのようになっていたのでしょうか。下記三項目が現在の疑問点です。
(イ)そもそも貞操観念はだいたいいつ頃定着し始めたのか。(貞操観念というよりは処女性や穢れという考えでしょうか。)
(ロ)(当時の人々に「穢れ」という考えがあったのならば)男性は女性の貞操を気にしてなかったのか。
(ハ)もしも浮気関係が露呈してしまった場合、どうなるのか。
もしまた違う疑問点が出ましたら、補足質問するかもしれません。宜しくお願いします。
No.9ベストアンサー
- 回答日時:
平安時代は「通い婚」ですから、男性が女性の家に通ってきてる間は結婚している事になるでしょうが、明日からはもう、通ってこなくなるかも知れないわけで、保証がないのなら、それに縛られる事もなかったんじゃないでしょうか?
男のほうも、毎日通っていても、毎日、家にあげてもらえる保証はないわけで、ある日突然「今日はダメ」となって、そのまま通っても通っても会ってもらえないという事も多々ありましたから、これまた何の保証もありませんから・・・
(イ)戦国時代に日本にやってきたルイス・フロイスが、その著書の中で「日本女性は処女の純潔を重んじない。それを欠いても名誉も失わないし、結婚も普通にできる」と書いていますし、大名のお姫様も、政略結婚などで、次から次へと、別の男性に嫁ぐという事もありましたから、少なくとも戦国時代までは、「一生ひとりの男性に・・・」という考えはなかったと思います。
江戸時代になって儒教の教えが浸透して、徐々に貞操観念なるものが生まれ始めた頃に、杉田玄白らが「ターヘルアナトミア」を翻訳した「解体新書」を発表して、その中に女性にのみ存在する「処女膜」なる物の存在が書かれていた事から、一気に純潔が重んじられるようになったようです。
もちろん処女膜という言葉も玄白が作った物です。
(ロ)上記のように、江戸中期頃までは、貞操を気にしないのが常識ですから、女性も男性も気にしてないと思います。
(ハ)源氏物語をご存知なら、宇治の浮舟の家の前で薫と匂宮がバッタリというのもご承知だと思いますが、あんな感じじゃないですか?
浮気した事を責めるのではなく、当人たちが、この先どうしたいか?という事だと思います。
「他の男が通って来てるなら、もういいや」とそのまま、どっちか(あるいは両方とも)が身をひくのか?
「いや、それでもモノにしたい」
と思ったて、何とか彼女の気をひこうとするか?
回答有難うございました。参考にさせて頂きます。
処女膜の存在がはっきりしたのが江戸時代からというのは今更ながら驚かされました。破瓜の際に血が出る出ないなどという事実は、視覚的にも明らかであるように私には思われるのですが・・。というか、血が出ても驚かないのでしょうか・・・。
もっともはっきりした事は分からないので、平安時代などは真暗の中で情事が行われたようなのであまり意識されることは無かった・・、と考えておきます。そもそも処女性も重視されなく、性教育も為されなかったかもしれない時代、単純にそういうものであると考えられていたのかもしれませんし。(深く考えないようにします。)
No.11
- 回答日時:
#6です。
妻問婚の場合,生まれた子供は母が育てたようです。同母兄妹(姉弟:以下省略)は一つ屋根の下で育ちますが,異母兄妹は別々に育つので血縁の意識が薄いのでしょう。
同母兄妹で愛し合った軽皇子は伊予に流され,敏達天皇は異母妹の推古天皇と結婚しました。
古代エジプト(プトレマイオス朝)の場合は,もともとエジプト人ではないため純血を保とうとして兄妹婚を繰り返したのではないでしょうか。
ただし兄妹が子を成しそれが一族の祖となったという伝説も多く,必ずしも人類共通のタブーではないかもしれません。
No.10
- 回答日時:
#5です。
コメントありがとうございました。世界的に近親相姦を避ける民族は多そうなので、
経験的に、血縁関係が近いと出生に異常が増えるのを知っていたのかもしれません。
昔からのタブーというのは、「神様が禁止した」とか「こんな伝説があった」とかいう言い方をしていても、実は意味があってやっているものがありますから。
古代エジプト王家では兄弟姉妹で結婚することがありましたね。
これは権力のためですが、
性的関係があったのかどうか知らないんですが・・・。
どうだっけと思ってWeb検索したら教えて!の記事が引っかかりました。
インセスト・タブーだそうです。
http://oshiete1.goo.ne.jp/kotaeru.php3?q=1631202 …
贈与論とか構造主義とかいうのもあるみたいですが、よく知りません。
レヴィ=ストロースなど。ネットで検索してみるといろいろ記事や本の紹介があるみたいですよ。
(言葉としては「贈与」とか「交換」とかいう考え方、レヴィ=ストロースは女性を蔑視しているわけではなく、女を品物と言っているわけでもないと思います)
近い中で繰り返し交配していると多様性が失われるんじゃないでしょうか。
そうすると、種(しゅ)として弱くなりそうな気がします。
偏った種類だと一つのトラブルで大打撃になることがあります、昔のアイルランドのジャガイモ飢饉みたいに。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B8%E3%83%A3% …
No.8
- 回答日時:
「女の人は、結婚する前にセックスしちゃダメ!」という思想が下々の間に「教育」されたのは少なくとも明治時代から始まったようです。
欧米ではキリスト教の教えで「結婚までは処女」が常識でありかつ良識だったのですが、「脱亜入欧」を目指す明治政府もそこんところを輸入したようです。戦前までは、まだ各地に夜這いの風習があったようです。そもそも昔の日本人はおおらかなところがあって、江戸時代は子供の顔が明らかに父親に似ていなくてもあまり気にせず、挙句に未亡人が妊娠すると「菩薩様のお恵みだねえ」なんていっていたようです。お祭りの夜にやっちゃうのはオッケーでしたしね。今でもブラジルではリオのカーニバルの10ヶ月後に生まれる子供が多いらしいですけど。
戦国時代には、宣教師ルイス・フロイスが「日本人に処女を大切にっていっても皆な笑って相手にしてくれない」と嘆く手紙を残しています。ただ、当時は戦争が身近にあった時代でしたから「明日には死ぬかもしれないし」といつも以上におおらかだったかもしれません。
平安時代に至ってはそういった資料が全くといっていいほどありませんから、源氏物語などで想像するしかないのですが、男性は和歌が上手じゃないとモテなかったようですね。男性は和歌をラブレターとして女性に贈り、それが認められたら女性と親しい関係になれたようです。源氏物語っていうのはあくまで「小説」ですから、多少はデフォルメされているところはあると思います。「なんとなくクリスタル」や「コインロッカーベイビーズ」を読んだからって80年代の日本人が全員ああいう感じではありませんでしたから。
No.7
- 回答日時:
(1)いつ頃、と問われても答えづらい部分はありますが、あえて言うならば、鎌倉時代でしょうか?御成敗式目で、不倫・浮気は「いけないこと」として明記されています。
しかし、男の浮気については黙認されていたようですし、割と底辺の階級の人々は違ったようですが。
(2)そのような考えを持ってたかは人によるでしょう。
(3)キマヅイ空気になる・・・・・
としか、言いようが無いです。とある男が女性の寝室に夜這いしようとしたら、既に他の男性がいた、と言うことはしばしばあったようです。
男性の浮気に関しては、正妻から、嫌な目で見られる、てことぐらいでしょうか・・・・
そこで、女性から、男性に別れを切り出すことが出来ませんから。
もっとも、江戸時代とか、特にそうですが、妻が浮気していた場合、妻を切り捨てていい、てことになっていますが、実際に、そのようなケースは無かったようです。大事にしてしまうと、妻に浮気されていたと、周りに知られてしまいます。それは、男のプライドとして、許さないでしょう。なので、不倫相手とお金で解決していたのが、大多数のようです。
No.6
- 回答日時:
参考URLは三田村鳶魚の「間男成敗」です。
落語などにも「間男は七両二分」とよく見られますが,江戸時代「不義はお家の法度」とされていたにもかかわらず,金で話がついたようです。鎌倉時代には「三十貫文乃至五貫文の過料(参考URLより)」だったようで,やはりある程度の制限はあったように思われます。
上古では「歌垣」のように,かなり自由な状況がありました。生まれた子は母が育てる母系性社会が一般的だったのではないでしょうか。妻問婚はその延長にあると思われます。
「穢れ」かどうかはわかりませんが,同母兄妹(姉弟)婚は許されないとする考えはあったようです。異母兄妹(姉弟)婚は問題なしですから,今日的な遺伝の問題は無関係です。これも妻問婚の影響でしょう。
武家社会の成立に伴って父の元で子を育てる父系性社会に移行するにしたがって,「不義密通」が禁止されるようになったのではないかと思います。
参考URL:http://csx.jp/~amizako/mitamuramaotoko.txt
この回答への補足
以下、推論でも構いませんので回答して頂けないでしょうか。
○同母兄妹(姉弟)婚(以下、同母婚)は、なぜ昔も忌避されていたのか。実際、神代から平安時代までの天皇家の系図などを見ましても、近親相姦と考えられる状況はあっても同母婚という状況はあまりないように感じられました(少しはありました。神代の天皇系図に多少、聖徳太子など・・)。政略結婚などが目的だったから、同母婚はあまり為されなかったのか。明確な答えがあるとは思いませんが、疑問です。
○「妻問婚」について、当時(主に平安、貴族)の男性は妻と同居するもしないのも自由だったのか。
No.5
- 回答日時:
先日たまたま夜這い文化の話を読んで、興味深かったのでご参考に。
(真面目な話ですよ)
http://oshiete1.goo.ne.jp/kotaeru.php3?q=2605907
源氏の時代、平民と貴公子では違いがあったでしょうが、いずれにしても何かしら暗黙のルールはあったんでしょう。
男女関係の感覚が今と違うのもそうですが、そもそも、結婚観や家制度も違います。
女性が男性の家に嫁ぐのでなく、男性が女性の家に通ってくる「通い婚」でしたし。
高貴な身分の女性がさらに高貴な人の子を産めば、実家のステータスが上がります。
貞操観念と言っても、複数の異なる女のところに通ったのは源氏(男性)のほうで、女性の側は受身だったでしょう。
まあ、女性の側にも他の男性が訪ねてくることもあったのかもしれませんし、恋人選びの選択権は女性にもあったでしょうけど。
他の男性もそうしているんだから(そういう社会的慣習だったのだから)、文句のつけようがないと思いますが・・・・。
嫉妬はあるにしても。
藤壺と源氏の関係は、当時でもちょっとまずかったんじゃないですか?
源氏も苦しむでしょう。子が生まれちゃったりして。
私はほとんど「あさきゆめみし」しか読んでないので源氏を語る資格はないんですが(^^;
古今東西、文学作品には普通だったら問題ある関係も出てきますから、全部がその当時に普通だったとは考えないほうがいいんじゃないでしょうか。
「穢れ」でしたら、月経がそうだったのではないでしょうか。
宮参りなどを忌むとか。どういうところから始まった概念なのか知りませんが。
ヒンドゥー起源?
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%A9%A2%E3%82%8C
回答有難うございました。参考にさせて頂きます。
その「夜這い」質問私も読んでました。(質問する前)
「あさきゆめみし」も途中まで読んだのですが、どうしても絵が私には好きになれなかったです・・・(まあ、雅や美を表現するにはああいう絵になってしまうのかもしれませんが)。しかし、研究家も薦めるほどいい本なので十分ではないでしょうか。
「穢れ」について。今一度よく考えてみれば、日本古来においては「処女性」=「穢れ」ではなかったですね。少し表現に誤りがありました。単なる女性の貞操ですね。
他の回答者さんに対する補足欄も見てくださると嬉しいです。
No.4
- 回答日時:
日本で重婚が禁止されたのは大正時代です。
大正天皇が側室を設けずかつ皇后の男子生産性の良さがあり、欧米の一夫一婦制の取り入れからきています。
> 貴族の女性は滅多に人前に出ないし、親は今より娘を大事にする時代のはず
娘は大事です。親王の子供を懐妊すれば外戚政治が出来るのですから…
親王の子供は母の父が養育しますのでそれが天皇になれば我が世の春になるのです。つまり貞操観念がないのです。
(イ)そもそも貞操観念はだいたいいつ頃定着し始めたのか
大正末期から昭和時代に形成され、昭和30年代に定着したと思われます。そして昭和60年代から現在になり貞操観念が緩んできたと考えられます。昭和60年に当時美男子歌手として人気のあった中川勝彦ができちゃった婚をして話題になりました。この頃から貞操観念が緩んだと思われます。
(ロ)男性は女性の貞操を気にしてなかったのか
子供を産む女が良い女、気持ち良い思いが出来るのが良い女じゃありませんか?
(ハ)もしも浮気関係が露呈してしまった場合、どうなるのか
浮気という概念は1970年代以降にフェミニズム運動が高まる中生まれた概念です。現在でもそうですが、金持ちならば2号さん(愛人ですね)を持っている人は多いです。フェミニズム運動が高まる中『女性は一人の男の奴隷となっているのに男性は他に女を作ったりしてけしからん!』が広まったのです。
No.3
- 回答日時:
民俗学の本によれば(さしさわりがあるかも知れませんのでボカしますが)日本のとある地方では昭和四十年代まで通い婚の習俗が残っていたくらいですし、現在一般的な一夫一夫制があまねく行き渡ったのはほんの四十年ほど前からです。
また、明治期以前は、処女性は軽んじられていたといっていいでしょう、江戸期において未通女(おぼこ)はからかいの対象でしたし、むしろ穢れているとさえ考えられていたようです。
そして、江戸の長屋においてはある種、一妻多夫的な関係があった(ビンボーな亭主も数いりゃなんとか一人前的発想です)ともされており、さらには、男色も社会階層に関係なく一般的で、江戸城中での痴話喧嘩の末に刃傷沙汰になり、その挙句歌舞伎のネタにされるなんて事件もあったくらいで、やはり現代の貞操観念とは大きく異なっていたようです。
そして、浮気が露見したときは寝取られ側が嫉妬するというのは、いつの時代でも(どんな性の組み合わせでも)同じでしょう。しかし、平安時代の貴族たちにとっては恋愛は政治や経済と密接に関わっており、より有力な貴族が寝所に忍んでくれば親族の出世の足がかりになるのですから、(得になる限り)浮気は善だったといってもいいでしょう。和歌にも不倫を誘う歌も結構ありますしね。
やたらと女性の性を抑圧するようになったのは明治期以降で、それまでとはまるきり違う文化をもった別の国になったくらいに思っとくのがよろしいかと。
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