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熱力学で自由エネルギーというのが出てきますが、
G=U-TS+pV  のような式ばっかりで具体的なイメージがわきません。よく、エントロピーの例として、部屋が散らかることを用いてる記述を見ます。厳密に正しくなくてよいので何か具体的なイメージが持てる説明をいただけないでしょうか。例えば、火薬の爆発前と爆発後はこの自由エネルギーに関しては何か変化があったのでしょうか。

A 回答 (4件)

> 「エントロピーが増大する方向に自然は動く」ということは


> 「自由エネルギーが小さくなる方向に自然は動く」と読み替えてもよい
> と言うことでしょうか。

以下のような意味でしたらいいと思います。

エントロピー増大則は、一般に系が断熱系、特に孤立系のときに成り立ちます。
そうでなければ一般にエントロピーは増大しません。
「エントロピーが増大する方向に自然は動く」というときは、
大きく考えて、宇宙を孤立系だと考えて、エントロピー増大則を適用しています。
(孤立系の信憑性には問題がありますが。)
そのとき、例えば温度、体積一定の部分系を考えると、ヘルムホルツの自由
エネルギーが減少する方向に動きますが、この部分系も含めた宇宙全体
を考えれば、エントロピーが増大する方向に動くということになります。
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この回答へのお礼

ありがとうございます。おかげさまでもやもやとしていたものがすっきりしました。熱力学はここで躓いていたのでなかなか進まなかったのですが今後の勉強がはかどりそうです。

お礼日時:2002/09/14 19:39

力学で出てくる位置エネルギーのようなものをイメージすればいいのでは。


物質は位置エネルギーが高いところから低いところに向かいますね。
これと同じで、状態は自由エネルギーが低いところに向かいます。
2つの状態を考えて、どちらの自由エネルギーが低いかを考えるだけで
どちらの状態が実現するかが決まります。(←やや厳密でない。)
自由エネルギーとしてエネルギーを考えれば十分なことも多いですが、
そうはいかない場合があります。
例えば、空気は酸素と窒素から成り立っていますが、エネルギーだけを
考えれば酸素は重いので地表面に近いところに、窒素は少し軽いので
上空にある状態が実現するはずですね。
でも実際にはそうではありません。これは、お互い交じり合った方が乱雑
なため、エントロピーが大きくなるからです。
つまり、エネルギーが大きくなっても、エントロピーが大きくなった方が
自由エネルギーが小さくなるために、交じり合います。
これが-TSの項の意味ですね。

火薬の例は少し難しくなり、あまり適切でない気がします。
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この回答へのお礼

ありがとうございます。位置エネルギーと似たようなものということならわかります。ただし、エントロピーとの関係でエネルギー的に高くても自由エネルギーは負になることがありうるということですね。「エントロピーが増大する方向に自然は動く」ということは「自由エネルギーが小さくなる方向に自然は動く」と読み替えてもよいと言うことでしょうか。

お礼日時:2002/09/13 17:14

爆発反応のギブスの自由エネルギー変化を次式で考えてみます。

(ΔH=CpΔT+VΔPとおく)
ΔG=ΔH-TΔS
火薬の爆発前後で,系の自由エネルギー変化が,負なら自発的に爆発したことになります。正なら,吸熱的(ΔH>0)に反応したことになります。しかし,爆発の場合,余剰エネルギーが放出されたことになるので,発熱的(ΔH<0)に反応したことになります。つまり,系は自発的に進んだ(ΔG<0)。エントロピー変化(ΔS)は,当然,反応による急激な体積膨張を伴なうので正となり,これも自発的(ΔG<0)な反応に寄与します。

自由エネルギー変化は,反応の自発性を知りたいときに必要になると考えればいいと思います。また,爆弾が,自発的に反応が進むとしてもすぐ爆発する分けではありません。これは,熱力学的に不安定でも速度論的に非常に時間がかかるためです。ダイアモンドがすぐには炭にならないのも同じことです。
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この回答へのお礼

ありがとうございます。
>自由エネルギー変化は,反応の自発性を知りたいときに必要になると考えればいいと思います。
だから「自由」というんですね。ようやくイメージがつかめてきました。

お礼日時:2002/09/13 17:06

そうですねー回答が少ないところをみると難しい質問かもしれません.私もついこの間熱力学の試験があったため勉強した限りで分かることしか書けませんが…



エントロピーは「乱雑さ」の指標といわれますが,これはあらかじめ「乱雑さの指標を作りたい!」と研究者が思って発見されたものじゃないかと思うんです.
でもエントロピーの計算は簡単ではない.そこでもっと簡単に計算できるものを探していた.
そこで見つかったのが自由エネルギーなのかなと思います.これは「計算に簡単」というレベル以上ではないように思います.
#専門な人がいたらバシバシつっこんで下さい

だから実際には自由エネルギーとエントロピーは似ている.
熱力学第2法則は「孤立系のエントロピーは増大する」ですが,Gibbsの自由エネルギーでは「圧力温度一定では,孤立系のGibbs自由エネルギーは減少する」です(Sの係数は-Tですから分かりますね).Helmholtzでは定圧定容.

そして自由エネルギーを導入した成果として,Maxwellの関係式という,計算に素晴らしく便利な式が導かれるわけです.
Joule-Thomson係数やら何やら複雑な数がいっぱい出てきますが,それらを実際の実験でも求められるようにするために様々な関係式があるのです.
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この回答へのお礼

ありがとうございます。教科書にも、計算式の羅列で計算的に矛盾がなく体系化されてるのはわかるんですが、やはり物理的なイメージがわかないもんで次の日には読んだ内容が残ってないんです。

お礼日時:2002/09/13 17:01

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