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 インドには女性が差別される風潮が今なお強く残っていると聞きます。そもそもインドにおける性差別はどのようなことに由来するのでしょうか?やはり宗教上のことなのでしょうか?よろしくお願いします

A 回答 (3件)

とりとめのない書き方になりますが、少々コメントさせて頂きます。



インドでは古来、女性の地位は極めて低いものでした。それは確かにヒンドゥー教が反映した部分もあります。

例えば、ヒンドゥー教の基本聖典である「マヌ法典」にはいわゆる“三従”という行動様式が説かれています。女性は、幼い時は父に、結婚してからは夫に、夫と死別してからは子供に、それぞれ従わなければならない、というものです。
このマヌ法典(岩波文庫で読めます)は、宇宙の創造の歴史から説き起こして、人間が生涯に行うべき祭式・儀礼や生活上の義務などの具体的なことまでが書かれていて、その基本的精神はインド民衆の生活を規定する一大根拠になっています。
裏から言えば、旧態依然とした体制派の理論的根拠にもなっており、リベラル派の攻撃対象でもあります。

また、「プラーナ」(いわゆる第5のベーダ)という、民衆の間でよく知られるヒンドゥー聖典には、夫と死別した妻が夫の遺体と一緒に生きたまま火葬されるという、“貞女殉死”を説いています。この殉死はサティーとも言われますが、最近までインドでは伝統的な習慣でした。

サティーが一般化したのは、基本的には女性軽視と言えるのでしょうが、寡婦に対するイメージの問題があります。夫が先に死ぬということの原因が、生き残った妻にあると解釈されるために、ヒンドゥーの特に上層社会では、寡婦はきわめて不吉な存在と受けとめられるのだそうです。
殉死しないにしても、寡婦はその不吉さの故に家族と共に食事をとることもできませんし、自分の息子の結婚式にも参列できません。性的アピールをなくすために、女性の象徴である長髪や、装飾品、派手な色のサリーなどはことごとく禁じられてしまいます。そういった寡婦の扱いは「犬にも劣る」などとも表現されることがあります。

ただ、ヒンドゥー教は即ちインド教であって、インド人の生活・思考パターンはヒンドゥー教とない交ぜです。インド人のエートスがその考え方の集大成として自然とそういう宗教を生み出したわけで、宗教が先にあってそれに規定されて女性蔑視が生まれた、という単純なはなしではありません。

加えて、インドでの女性の扱いは単純に女性差別であると断罪して済むものではなくて、位置付けはもう少し複雑です。

例えば、寡婦が不吉とされるのとは反対に、夫が存命である妻は吉なる存在として扱われ、結婚式などいろいろな儀礼で重要な役割を担います。息子が生まれていれば尚その価値は高まります。
サティーそのものは決して肯定できる習慣ではないと言えますが、火の中に身を投じた結果、その女性は女神になると信じられており、言わば女性の鑑として代々崇められる存在になります。こうした女性を出した家族、村も名誉が与えられます。
実際に女性の間にもサティーを支持する人達は案外多いのですが、その背景にはこういった事情もあるわけです。概して言うと、ヒンドゥー社会では女性への視点に中間が欠落していて、上か下か、という両極端が非常に強いと言えます。ヒンドゥーで信じられるところの「女性性」が発揮されれば崇められ、そうでなければ冷遇されるわけです。

このことはヒンドゥーの神話にも反映されているように思えます。
インドの神話ではことのほか女神の存在が大きく、静的な男神に対して女神の活躍ぶりが目立ちます。インド各地でカーリーやデヴィ、ドゥルガーなど沢山の女神が信仰されますが、創造をおこなうと同時に圧倒的な力で破壊と死をもたらすというのがおよその共通点でしょう。美と温和の面を持ちつつ、ある時にはプラス、マイナス両方向に圧倒的なエネルギーを放出すると受けとめられているのです。

その本質は「シャクティ」すなわち「(女性の)力」とされています。女性である神の力によって男性神が活性化される、世界の根本に女性の力がある、という風に認識しているのが神話に見るヒンドゥーの特徴です。

神話に現れるこういった認識が現実と通底しているわけで、女性に対する差別というのもいち局面からだけ断罪したのでは、ヒンドゥー理解の本質にせまれないように思えます。

余談ですが、仏教がヒンドゥー教に影響を与えて女性蔑視の遠因となったという回答がありましたが、この件に関して仏教を出すのは筋違いでしょう。仏教とヒンドゥーはもちろん互いに影響を与えあっていますが、女性の扱いについては、バラモン教から綿々とするヒンドゥー的なるものの影響を仏教が完全には排除できなかった、という方が正しいと思います。
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この回答へのお礼

大変参考になりました。ありがとうございました

お礼日時:2002/09/22 15:02

http://village.infoweb.ne.jp/~mariamma/india.htm
あまりにデカイページで全部は読んでませんが、それらしきことが書かれています。
参考URLは具体例。

参考URL:http://www.jca.apc.org/fem/news/events/350.html
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>やはり宗教上のことなのでしょうか?


だと思います。宗教が原因の一つかと。

インドで起こった仏教はもともと、女性を救済対象としていなかった宗教の様です。業欲が深いとみられてきた女性では、悟りを開けないと考えられていた様です。釈迦自身がそういう女性軽視の解釈をしていたそうです。

例外として、初めて女人救済を謳った仏教が、日蓮の法華経だったそうです。現在インドはほとんどヒンズー教の国ですが、ヒンズー教も仏教の影響を受けているので。
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