プロが教えるわが家の防犯対策術!

エレクトロポレーションで形質転換をしている生物系の大学4年生です。
以下の手順で形質転換をしています。

PCRで増幅

アガロースゲル電気泳動

目的分子量のバンドをDEAEセルロースペーパーで吸着・切り出し

洗浄・溶出

エタ沈(CH3COONa 最終濃度0.3Mになるよう添加、2倍量エタノール添加)

滅菌水に溶解、blunt end処理(タカラDNA Blunting kit使用)

ligation(上記キット使用、ベクターはSmaI cut済pUC19で、且つ脱リン酸化済、エタ沈も上記と同様、滅菌水に溶解)

フェノール・クロロホルム抽出

コンピテントセル50μl+抽出した上層0.5μlでエレクトロポレーション

SOCと混合し37度で30min incubate後寒天培地に散布

また寒天培地はLB+ampです(IPTG,X-Gal添加し、青白判別)

エタ沈の際の塩濃度は間違えてはいませんし、培地のアンピシリンも量を間違えてはいません。
しかし白コロニーどころか青コロニーすら生えてきません。

電気穿孔時しょっちゅう火花が散ってしまっているのでそれが大いに原因なのでしょうが、そうでないときでTime constantがけっこうなときですら、1つも生えてきません。

特にお聞きしたいのが3点ありまして

・切り出したDEAEペーパーから抽出したものからエタ沈する際に、塩が必要なのか(もともと溶出液はNaCl含有)
・共沈剤を入れないとやはり収率が悪いのか
・キュベットの水気はしっかりと取っているのに火花が散っている原因はそもそもどこにあるのか(残留塩濃度が高すぎるのか?)

以上です。院生に質問してもう日を傾げられてしまいまして・・・
よろしくお願いします。

A 回答 (4件)

#3です。

寝酒が入っていたので寝ぼけたことを書いてしまいました。

>3'リン酸化されていませんので、脱リン酸化ベクターにはligationできません。
5'リン酸化のまちがいです。3'は基本いつでもOH基ですね。
したがって、T4 polでbluntingしたら末端リン酸基がでるかもというのも間違いです。

現行の方法に手を加えて対処するなら、PCR産物をT4 polynucletide kinaseとATPで末端リン酸化するステップを入れるといいでしょう。
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>ligation(上記キット使用、ベクターはSmaI cut済pUC19で、且つ脱リン酸化済、エタ沈も上記と同様、滅菌水に溶解)



フェノール・クロロホルム抽出

この後、エタノール沈殿、洗浄して、滅菌脱イオン水に溶かしなおしてますか?

フェノール・クロロホルム抽出はひょっとするとligation buffer中のPEG(polyethylene glycol) を取り除くためかもしれませんが、むしろこれは必要なくて、エタノール沈殿で塩を除くべきです(これでPEGも除けます)。Takaraを始め、ligation系にPEGと塩が入っているものがありますが、塩は電導性を高めてelectroporationでスパークをおこし、これは雷に打たれたようなもので、大腸菌が死んでしまいます。

また、PCR産物の末端は、リン酸化するかリン酸化プライマーを使う、または制限酵素で切り落とすかしないと3'リン酸化されていませんので、脱リン酸化ベクターにはligationできません。

Taqのように、末端に一塩基の3'突出をつくる酵素だと、bluntingキットのT4でそれが削られて、3'リン酸化された平滑末端ができて、脱リン酸化されたSma I末端にligationされる可能性はあるんですが(proof-reading活性があり平滑末端を生じる耐熱性ポリメラーゼだとますます見込みがないですが)、あまり一般的ではないのではないでしょうか。この場合、TAクローニングしたほうがいいと思います(市販のT-vectorを使わなくても、たとえばSma I末端にTを付加してベクターを自作することもできます)。

まだ、いろいろ気になる点はありますが(ゲルからの切り出しの様子とか)まずこのへんで
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私が実験でつまずいた場合、まず簡単に確認できるところをから確認していきます。


学生に教える時も、同じように簡単に確認していくことから始めろと言います。
また、そういうトラブルにぶち当たった時、自分でチェックすべきところを考えてチェックする、ということをやることこそが大事である、
人にどこが悪いのか聞くことよりも大事であると私は思います。

私だったらどうするか参考までに書いてみます。

PCRで増幅

アガロースゲル電気泳動

目的分子量のバンドをDEAEセルロースペーパーで吸着・切り出し

洗浄・溶出

エタ沈(CH3COONa 最終濃度0.3Mになるよう添加、2倍量エタノール添加)

滅菌水に溶解
私だったら、この時点でちゃんとPCR産物を回収できているか電気泳動で確認します。
少なくともPCR産物がないとどうにもなりません。
(たまに、ほんとうにたまにですが、
どんなにbpが大きくても水に溶かすと
Denatureすることがあることを私は確認しています。
高分子の専門家にも聞いたことがありますが、
TEくらいの微量の塩でもあったほうがいいそうです。)

ligation
私だったら、ligationを自分がコントロールできているか確認します。
方法はベクターはSmaI cut済pUC19があるのならば、
それを脱リン酸化せずに用い、セルフライゲーションを
使っているキットやってみます。
そのサンプルを次のエレクトロポレーションに使用します。

エレクトロポレーション
私だったら、ベクターを単にエレクトロポレーションしてみます。
それをまいてみて大腸菌が生えてくるかどうか。
生えてくれば少なくとも機械とかは大丈夫ってことになります。
生えてくれば、生えてこない時との違いもわかるでしょう。
また、セルフライゲーションさせたサンプルをエレクトロポレーションしてみます。
そうすれば少なくとも、ligationから大腸菌のまきかたまでは大丈夫ということになります。

blunt end処理これは確認が難しいです。
結構コツがあるので、ここでは頑張ってくださいとしか言いようがありません。

あと、キュベットが火花が散るとのことですが、
私は、火花が散った時のサンプルは失敗として、
プレートにまくことはしていません。
火花が散らないことが前提だと思います。
塩の存在も原因だと思いますが、
DNAの量が多すぎる時も火花が散るような気がします。

このように最初のうちは、結果を求める実験を急ぐよりも、
実験が成功するための実験、
自分の手技がちゃんとしているのかを確認するための実験、
これらを自分で考えて、確認することも重要だと思います。
先輩等に聞いても、実際は人がやった実験のどこが悪いのかは、
自分でやっていないからわかりづらいものです。

偉そうにすみません汗
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一番の問題は、インサートのリン酸基について考慮しているかだと思います。


各ステップで何を確認したのかも書きましょう。

滅菌水に溶解、blunt end処理(タカラDNA Blunting kit使用)
↓滅菌水ではなく、bluintig kitのバッファーをx1にした溶液に溶解すること。プライマーにリン酸基を付けていないのならば、リン酸化すること
ligation(上記キット使用、ベクターはSmaI cut済pUC19で、且つ脱リン酸化済、エタ沈も上記と同様、滅菌水に溶解)
↓滅菌水ではなく、Tris溶液に溶かすこと
フェノール・クロロホルム抽出
↓上層をエタ沈すること、その後の収量を調べておくこと。
コンピテントセル50μl+抽出した上層0.5μlでエレクトロポレーション
↓コントロールに適当なプラスミドをポレーションすること
SOCと混合し37度で30min incubate後寒天培地に散布

>切り出したDEAEペーパーから抽出したものからエタ沈する際に、
NaClが十分量入っていれば必要ありません。

>共沈剤を入れないとやはり収率が悪いのか
DNA濃度が十分濃いのであれば、収率は特に悪くありません。

>キュベットの水気はしっかりと取っているのに火花が散っている原因
塩でしょう。
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