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論文を読んでいて気になったことがあったので質問させていただきます。

イオン液体EMI-TFSIにリチウム塩としてLiTFSIを入れた系における電解液に関する論文なのですが、そこで、リチウムイオンはアニオンのTFSI-四つと溶媒和するという記述がありました。

しかし、もしリチウムイオンがそのような溶媒和構造をとるなら、溶媒和物の価数は-3となってしまいます。そうなるとリチウムイオン電池への応用を考えた場合、例えば充電時にリチウムイオンが本来動くべき方向(グラファイト電極方向)とは逆向きに動いてしまい、電池として作動しないのではないでしょうか?

もしよろしければどなたかご教授願えないでしょうか。
よろしくお願いします。

A 回答 (1件)

注意しておきたいのは、酸化還元反応を考えるときにイオンの正負やその動きを中心に考えるのは正しいとは言えないことです。



Cu2+を含む水溶液の電気分解では
Cu2+ + 2e- → Cu
の反応が「陰極」で起こりますが、これはCu2+が「陽イオン」だから「陰極」に引っ張られて起こるわけではありません。

これは、例えば、[MnO4]-を含む水溶液の電気分解ではどうなるか考えればわかると思います。
[MnO4]-を含む水溶液では
[MnO4]- + 8H+ + 5e- → Mn2+ + 4H2O
の反応が「陰極」で起こります。
[MnO4]-は「陰イオン」なのに「陰極」で反応するのです。

逆に、例えば、Fe2+を含む水溶液の電気分解では
Fe2+ → Fe3+ + e-
という反応は「陽極」で起こります。
「陽イオン」なのに「陽極」で反応するのです。

・・・というわけで、酸化還元の起こりやすさが問題で、酸化還元する種の正負は関係ないのです。


実際の酸化還元反応では、電気二重層や拡散が絡んできますので、より複雑になります。
しかし、イオンが十分な速さで拡散できるなら問題ないでしょう。

イオン液体では、拡散スピードが問題になると思います。
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この回答へのお礼

返事が遅くなってしまい申し訳ございません。
詳しい回答ありがとうございました。

正負は関係ないのですね。根本的なことが理解できていませんでした。
ご親切にありがとうございました。

お礼日時:2008/06/03 18:47

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