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第二次大戦前の太平洋航路に用いられた客船には立派なマストが2本、3本と立っていました。当時は蒸気エンジンが多かったと思いますから、いわゆる蒸気船であり、帆船の時代は過ぎております。

あのマストは何のために立っていたのでしょう。旗を揚げるには立派すぎます。特に3本マストにする理由は何であったのでしょう。

A 回答 (1件)

今の海上衝突予防法の話ではありますが、長さ50メートルを超える大型船では特に夜間に全後部のマスト等と、それとは別に「全周灯」を設けなければならず、さらにマスト灯は6海里(12km弱)先まで見える事を要します。


遠距離だと、水面からの高さが低い目印は、地球が丸いせいで水平線の下に隠れてしまいますから、そこそこの高さが必要ですね。

現代の船でも、上のルールは適用ですが、ただ、現代の船は昔の船より船体の、特に上部構造が非常に大きくなっているので、水面からの高さの点では、特に目立ったマストを作らずともクリアできているケースの方が圧倒的に多いです。
現代でも、特殊用途で船の背が低い外航大型船の場合は、マストが必要ですし、実際に高いマストを持っている船もある事はあります。

昔のルールには詳しくないんですが、特に灯火のルールは、現行ルールより厳しい事はあっても緩い事はなかったろうと想像します。

また、外航客船の場合は別の(もうちょっと厳しい?)ルールがあったかもしれません。もちろん、安全対策のためにです。
そのため、灯火の位置も、もっと高く(より到達距離が長く)する必要があったかもしれません。

それ以外には、当時の短波無線のアンテナを張るために、なるべく高いマストが必要だったということもあると思います。
これも、当時の技術では、なるべく高い位置に、なおかつなるべく長いアンテナを張る必要があったと聞きます。

先ほどの前後のマスト灯は、現行ルールでも「船体長の半分より遠い間隔」にする必要がありますから、大きい船だと船首側と船尾側のマストの間に、もう一つマストが無いと、アンテナの電線が真っ直ぐ保持できないということもあったのでは?

それと、他船に対して旗流信号や形象物を使った通信信号を送る場合には、船橋のすぐ側に高いマストが必要です。(でないと、船長の指示に対して速やかに旗を掲げられない)
第2次大戦前なら、船橋は船体中央付近に置く(いわゆる三島型)のが普通なので、これもさきの前後マストの規程上必要な間隔を考えると、物理的及び機能上の問題で、マスト3本にしないといけない理由になりそうです。
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この回答へのお礼

kenta58e2 さん 有り難うございます。
目的を明らかにし、技術的可能性も示していただき、とても感謝しております。今後ともよろしくお願いいたします。

実は私、数十年前に造船所に勤務していた技術者です。今頃、こんな質問をしなければならないのは、恥ずかしいことだと思っております。

他の方も回答を準備しておられるかも知れないので、この質問はしばらく閉じずに置きます。

お礼日時:2008/09/07 11:13

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