昔の管楽器は、今のものと比べると、見るからに細身でシンプル、音もおそらく小さくきれいで繊細なもののように聞いています。当然、昔の弦もそれに対して釣り合いを取っていたのでしょう。鍵盤楽器も然りです。
質問は、なぜ現代になるにつれて、音量を要求するようになり、それが常識的になり、楽器もその要求にこたえるような方向になったのでしょうか?
いろいろと騒音が大きな社会になってきたので、人々の音量識域が上がってしまったのでしょうか?
つまり、耳が悪くなったのでしょうか?はたまた、大食豪華主義みたいな感覚が一般的になってしまったのでしょうか?
あるいはもっと別なところに理由があるのでしょうか?
No.3ベストアンサー
- 回答日時:
演奏場所の関係です。
昔は「演奏会」と言っても小さな部屋で演奏会のすぐそばで聴くような形のものでした。また、西洋音楽の中心場所は教会であり、石造りの教会は小さな音量でも十分に聴き取れるばかりか、大きすぎる音量は耳障りなだけでした。
たとえば、ヴァイオリンが発明された当時は、その大きな音量のため「卑しい楽器」として敬遠されていたといわれ、おもに庶民の楽器とされ、公式の場ではヴィオール(ヴィオラダガンバ)属が使用されていました。また、最も重要な楽器に撥弦楽器(チェンバロ、リュート)があったことからも、当時の音量に対する考え方が推測できます。
音楽が大衆化してくると、「大ホール」で演奏会が行われるようになり、音量が求められるようになりました。そのため音量の小さな撥弦楽器は廃れ、管楽器や擦弦楽器は音量アップのため改良や改造が行われて現在に至ります。
>つまり、耳が悪くなったのでしょうか?はたまた、大食豪華主義みたいな感覚が一般的になってしまったのでしょうか?
あるいはもっと別なところに理由があるのでしょうか?
耳が悪くなったというのが正解ではないでしょうか(医学的あるいは音楽的意味において)。もしくは「音楽」の意味が変わって来たということでしょう。楽器の改良(改造)の際、音色を犠牲にしてでも音量アップをしてきたわけですから、古楽器の、モダンな楽器には無い微妙な音色は、現代人には必要なくなったということです。大きな音にあふれる現代においては、医学的にも耳は悪くなっていると思われます(耳は使えば使うほど劣化することが分かっています)。
他方、楽器製作の技術水準が下がってしまったことも原因の一つかもしれません。大量生産が当たり前となった現在、かつての名工が作ったような楽器は現在の科学をもってしても再現すらできません。またフルートなど、材質自体が木から金属となり、それまでの技術の継承は完全に途絶えました。
たとえば都会の喧騒から、田舎の空間に言って何が1番違うかといえば、「静寂」ではないでしょうか。音があるのが当たり前というのはどうもおかしいと思います。なんだかんだで音音、つかれますね。実際疲れて、刺激に対応するように、耳の感度が落ちる、十分ありえます。昔はあんな細くて繊細な楽器なのに十分迫力があったのです。
製作技術も、ヴィンテージへの憧れなんていう逆説的状況があるということから鑑みても、どうもあまりほめられた方向には進んでいないようです。木管フルートは復活してますけどもメジャーにはなれませんね。
現代の悲劇的な現状の一旦かもしれませんね。
No.2
- 回答日時:
ことオーケストラに使われる楽器に関して考えれば、大音量に麻痺して
きたというような考え方はちょっと違うかなぁと思います。
現代のようにアンプやスピーカーなどPAがない時代では、楽器には
常に「音量」が要求されてきました。
バロック時代に全盛だったリコーダーが、現代のオーケストラに入って
いないのは、その音量の小ささゆえだと言います。
>見るからに細身でシンプル、音もおそらく小さくきれいで繊細なもののように
単純に楽器製造の技術が未熟だったためか、演奏者側の技術の問題だったと思われます。
管楽器が現在のように複雑な鍵機構を備えるようになったのは、ベーム式の
運指が発明されたのちのことです。
それまでは、フルートやオーボエなども現在のリコーダーのような
音孔のみか、指の届かない音孔に補助的につけられる鍵機構が数カ所
あるだけでした。
楽器製造の技術が進歩するにつれて、複雑な機構が搭載できるようになり、
音域や音量の拡大が可能になりました。また、物理学の進歩によって、
音色の改善や音律の安定化が図られました。
技術が未発達な時代の楽器は音量も小さく、音律も大変不安定なもの
でした。それを「繊細」という表現で表すこともできるでしょう。
音色については、昔の楽器と過去の楽器とどちらがいいか、という
議論は多分に主観が入ってくるでしょうから、どちらがきれいかと
安易に断ずることはおすすめしません。
>昔の弦もそれに対して釣り合いを取っていたのでしょう
今も昔も、管楽器に対する弦楽器の音量の小ささは変わりません。
オーケストラの編成を見ても、管楽器は各パート1~2名に対し、
弦楽器は数十人です。特に金管楽器は音量が大きい楽器です。
管楽器の音量にあわせるため、弦楽器の音量の小ささを人数でカバー
しています。
>いろいろと騒音が大きな社会になってきたので、人々の音量識域が
上がってしまったのでしょうか?
現代の音楽、特にPAを使用するジャンルが発展してきてから、演奏者、聴衆の
音量閾値は上がったといえるかもしれません。
それを職業としている人々は揃って難聴になっています。
ということで、オーケストラに使われるようなアコースティックな楽器
の音量が上がってきたのは、音楽表現の幅を広げるための要求に
応えるだけの製造技術の発展が理由だと考えます。
スポーツの世界でも、どんどん道具とそれをう買う人間の側のパワーアップが計られていますから、それと大体に多様なことはあるのでしょうね。あとは、会場演奏形態の変化。音量の大きいな者は製作技術もいるということもあるのかもしれません。聴衆がなにより、音量を求めるようになったやはり耳が悪くなったという面もあるようですね。
No.1
- 回答日時:
>なぜ現代になるにつれて、音量を要求するようになり、それが常識的になり、楽器もその要求にこたえるような方向になったのでしょうか?
>いろいろと騒音が大きな社会になってきたので、人々の音量識域が上がってしまったのでしょうか?
全く関係ありません。
楽器が大きいからと言って常に大音量で演奏していますか? 違いますよね。
大勢の前=大きな空間での演奏が必要になり全体的な音量を求められることが大きくなった一因でもありますが、出せる音域の幅を広げること、表現できる幅を広げることが目的です。
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