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発光素子の実験をしました。発光ダイオードの特性という部分で先生が、
『二重異種接合(DH)構造がキャリア閉じ込め、光閉じ込めに有効である』
『量子井戸構造について、その発光素子としての有効性がある』

と言っていて調べたのですがよくわかりません。レポート提出の部分ではないのですが、この分野に興味があり知っておきたいのでだれか教えていただけませんか!?

A 回答 (2件)

DH構造についてはNo.1でよく説明されていますが,間のバンドギャップの狭い層を更に狭くして量子効果が現れる程度にしたものが"量子井戸"です。


光を発生させるためには電子と正孔をうまく出会わせて再結合させる必要がありますが,量子井戸構造では電子と正孔の動ける範囲が限定されるので,再結合効率が増加します。
但し広いバンドギャップ材料内に量子井戸を設けても電子や正孔がその中に落ち込まないと再結合もしにくいので,量子井戸を中間のバンドギャップを持つ層で挟んだり,バンドギャップを徐々に変化させたりして注入効率を高める工夫がよくなされます。

尚,量子井戸の中には新たな量子準位(バンドギャップのようなもの)が形成され,井戸の幅により準位が上下するので,バンドギャップをある程度自由に制御することができます。
また深い井戸内に落ち込んだキャリアは熱により外に飛び出しにくいので,温度特性も改善されます。

次に光閉じ込めについて
一般にバンドギャップの小さいものは屈折率が高くなります。
屈折率の高い物質から低い物質との境界へ光が当たると,一定以下の角度では光が全反射されるので,結果的に光が閉じ込められることになります。
これを利用したのが半導体レーザであり,反射率と誘導放出のゲインとの積が1を超えたときにレーザ発振します。

発光ダイオードも原理的には同じですが,光閉じ込めは使わず,むしろ障害(光取り出し効率の低下)となります。
もちろん誘導放出もゲインもありません。
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この回答へのお礼

なるほど!!わざわざありがとうございます!!

お礼日時:2008/10/23 21:08

>『二重異種接合(DH)構造がキャリア閉じ込め、光閉じ込めに有効である』



こちらについて。

まずはキャリア閉じ込めから。

ものすごく簡単に言ってしまうと、普通のpn接合のダイオードが一定幅のバンドギャップを持っているのに対して、DH構造のダイオードはバンドギャップの途中が狭くなっているということです

こんな感じに

普通のpn接合
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄伝導帯
_______価電子帯

DH構造
 ̄ ̄ ̄__ ̄ ̄伝導帯
___ ̄ ̄__価電子帯

上の図はフラットに描きましたが、実際は上の図の左右どちらかが高くなります。
説明のために、ここでは左側が高くなるとすると、
普通のpn接合では、伝導帯に励起された電子は左上から右下に落ちてきます
一方DH構造では、伝導帯に励起された電子は左上から右下に落ちていく途中で、バンドギャップが狭くなっている部分があるのでそこに溜まります

つまり、DH構造によりバンドギャップの谷間にキャリアが閉じ込められたことになります
キャリア閉じ込めが起こった部分では、価電子帯にあるキャリアよりも伝導帯にあるキャリアの方が多いという状態(負温度状態)を作りやすくなります

次に光閉じ込めについて

こちらの話は簡単で、DH構造において間にはさむ物質と周りの物質の屈折率の違いを利用して光を反射させてしまおうということです
これにより光はDH構造の間の部分から出にくくなり、光閉じ込めが起こります

閉じ込められた光は、DH構造の中で誘導放出を繰り返し、一定の強度(確かゲインが1)を超えたところで外部に取り出されます
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この回答へのお礼

大変わかりやすい解説ありがとうございます。勉強になりました♪

お礼日時:2008/10/23 01:29

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