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スライドガラス上へ有機薄膜(数nm程度)を作製し、XPSで測定を行いました。
ケミカルシフトから化学状態(結合等)がわかるとありますが、
どのような計算をしなければいけないのですか?
手順を教えて下さい!
また、文献や資料を読むとピーク値が非常に正確であるようですが
「だいたいこの値」などと安易に考えては駄目なんでしょうか。
ラマン測定などと違って(厳密に言えばこれも正確ですが)。

例えば、基板のスライドガラスを測定した場合、Si2pでは106.1で
ピークを確認しましたが、文献ではSiO2は103.4でピークが発現すると
あります。確かにスライドガラスはSiO2のみで形成されてはいませんが
SiO2が最も多く含まれるものであり、測定値(106.1)をSiO2と見なし、
全体的に2.7だけシフトしていると考えました。
有機薄膜を作製したもので同じようにSi2pでの測定を行うと106でピークが
発現しました。文献値からは2.6シフトしていて、これもSiO2のピークかと
考えましたが、有機薄膜中にもSi元素を微量に含むため、2.6のシフトを
化学状態の変化とみなすか否かでも考え込んでいます。ちなみに、ピークの強度はスライドガラスよりも小さくなっています。
どんな場合では全体のシフトとみなすか等、指針となっているものがあれば
教えて下さい。
「X線で何がわかるか」加藤誠軌著、「X線分光分析」加藤誠軌/編著、
島津製作所さんの講習会テキストなどを読んでみましたが、
やはり実際頻繁に測定を行っている方からお聞きしたいです。
宜しくお願いします。

A 回答 (2件)

今はXPS分析から離れていますが、これまでの経験から回答致します。



ケミカルシフトによるピーク位置は、文献によって微妙に異なります。
これは測定器や測定条件による影響です。
一般には 銅(Cu)及び金(Au)、この2つの金属のピーク位置によって
装置を補正します。しかし、これで一致させても、試料のアースの取り方や
絶縁物ではズレ生じますので、試料固定の際には注意が必要です。
 
ケミカルシフトがどうか?見分ける方法は、以下があります。
1)試料を一端取外し後、再取付けして測定する。
2)ピーク位置が既知な金属(Cu,Au等)を測定する。
3)プラズマエッチングして、表面を掘ってみる。
( 3)は測定対象物によっては 適用できない場合があります。)

  Si は Si,SiO,SiO2 のピークが出現しますので難しくなります。
測定角度を変えると、それぞれのピーク高さが異なります。
 これは表面の状態が異なっているため、(酸化層の厚さが異なる)
光電子量が変化する為です。
スライドガラスも絶縁物ですから、測定には注意必要です。

 また、ピークが鈍っている場合には、いくつかのピークが重なって
いることを考慮する必要があります。
 1)できるだけ少ない本数で、元となるピークが再現できるか?
2)波形の根元をいかに合わせるか?
特にこの2点を注意して波形分離していました。

 ご参考まで・・・ケミカルシフトは複雑な計算で求められますが、
 一般的に電気陰性度と比例関係にあります。 これで代用すると
 四則演算の簡単なおおよその値が求められる為、分析現場では
 役立ちます。(特にカーボン関係。)
 
こう言ってはなんですが、島津製作所がXPS装置の取扱説明書に
添付しているデータ集は、私が測定したデータと異なっていることが
多々ありました。そこで、私はケミカルシフト量のみを参考にして、
ピーク値は無視していました。
それよりも アルバックファイから出版しているデータファイルが
大変役立ちます。 こちらはよく一致しました。
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#1です。

 (補足説明。)
基準となる元素として、カーボン(C)の
ピークが必ずといって検出されます。
これは大抵 C-Cならば 285eV に出ます。
C-Oならば 286.6eV近傍、C=Oならば 288eV
これで判断できると思います。
尚、スパッタリングされたカーボンは
284.5eV付近にピークが出ます。 
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この回答へのお礼

ありがとうございました。
+お礼が遅くなってすみません。実は、緊急度は高く(先日修士論文の発表を終えました!)お礼を書き込む時間がありませんでした。。
akuzさんのご回答を参考にし、結果の裏づけを行うことができました。
結果をより説得力のあるものにできたかな?と思っています。
本当にありがとうございました。

お礼日時:2003/02/15 22:01

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