http://www.dnc.ac.jp/center_exam/21exam/mondai_p …
某有名試験の問1のaですが、「どの選択肢も『分子(不要:「からなる物質」)』ばかりで一体どれを選べばいいの?・・・ていうか、どれも『陽子と中性子と電子からなる物質』じゃないの?」と思ったのは私だけでしょうか?高校生であれば、どのように解釈したらよいのでしょうか?出題があまり適切ではないとも思えてくるのですが。
http://www.dnc.ac.jp/center_exam/21exam/seikai_p …
No.5ベストアンサー
- 回答日時:
>「分子=物質」なのであって、分子で「構成」されているわけではありません。
物質の三態という言葉がありますね。
固体、液体、気体という言葉で表されています。存在する温度範囲が決まっています。分子1つでは気体でも液体でもありません。三態とは分子の集合状態によって出てくる性質です。
金属の原子1つでは金属の特徴は出てきません。電気伝導性も延性も展性も集合状態の性質です。
物質≠分子です。分子は物質を構成する要素です。
物質を構成する要素は原子、分子、イオンの3種類です。
この様に分類する立場で言うとあくまでも原子と分子とは異なります。
分子は原子の複合体なのです。
気体反応の法則(Gay-Lussac、1805年)を説明するために単体気体が構造を持つということが提案されました。それが分子です。それまでは単体気体は原子だとされていたのです。
アボガドロによる分子説の提出は1811年です。
(原子を結びつけて複合粒子を作る仕組みは何かというのはまた別の問題です。それが分かるのは100年後のことです。共有結合と呼ばれているものです。)
混乱の原因は「1原子分子」という言葉にあります。
原子1つで存在する物質が見つかった(Ar,1894年)からといってそれを分子と呼ばなくてはいけない理由はないのです。
それがそれまでの「分子」の概念に合っていれば「分子」と呼んでいいでしょう。でも「複合体」という分子の基本概念とは全く合わないのですから分子と呼ぶ必要はないのです。この言葉は「気体分子運動論」の中での比熱の表現で使われ始めたのだと思います。(この言葉の中にすでに「気体=分子」という偏見が入っています。ボルツマンやマックスウェルの時代では仕方がなかったことです。これが後に気体として存在するものは分子と呼んでもいいという立場になっていまったようです。逆転してしまッたのです。Naの蒸気などでは困った事になります。
「1原子分子」という言葉は、1原子気体、2原子分子、3原子分子、・・・と言葉を使い分けなければいけない事を面倒くさがっただけのもののようです。この言葉を最初に使った人は明確な定義を添えてはいないだろうと思います。単に便宜的に呼んだだけというのではないでしょうか。ワイスが「分子磁石」という言葉を使っています。単に「ミクロな大きさの磁石」という意味です。でもこれが出発点で「分子場近似」という言葉が統計力学の分野では最近まで使われていました。「分子」とは何の関係もないものです。)
#1に上げられている参考URLの中に
>「分子とは、物質としての性質を持った最小単位の一つである。」(←!)
>「1つ以上の原子から成り立っている。」
という表現と
>「分子からなる物質」と、「イオンからなる物質」、「原子からなる物質」の3つの区分に分けて説明する
という記述とがあるようです。
この2つの記述は整合性を欠いています。
1原子分子を認めれば金属は分子であるという事になります。(金属の蒸着膜のことを単分子膜としてある回答を見たことがあります。)
質問者様はこの部分から疑問を膨らませているのだと思います。
私は3つの構成要素で物質を考えるという立場ですから「1原子分子」を認めません。
両立しない定義を併記して平気な人がいるからこういう困ったことになるのだと思います。
化学辞典で1原子分子を認めてしまっているのは
化学の人の理論物理に対するコンプレックスの現われだと思います。
「1原子分子」を認めなければ困るような場面はありません。デメリットばかりが目に付きます。「1原子分子」を認めれば高校化学は破綻します。
以前の物理化学の本には気体のところで「1原子分子」という言葉が出てきました。
でもバーローの本でも、マッカーリ・サイモンの本でも「1原子気体」という言葉しか出てきません。
この回答への補足
丁寧なご回答をいただき、誠にありがとうございます。
・「分子」としての独立した構造がある「分子からなる物質」
・イオンが不特定多数結合した「イオンからなる物質」
・金属原子や炭素原子が不特定多数結合した「原子からなる物質」
といったところが、まとめになるでしょうか?
さて、元々の私の発想法は、「分子からなる物質」を考える際、演繹的に、
「分子」とは?「からなる」の意は?「物質」は何を指す?を考え、
そこから“分子からなる物質”を理解しようとしていました。
「難しく考えるな」と言われても、それ以外(inputがなく)ムリでしたので。
塩化水素1分子でも、水中で電離し酸性を示したり、塩基を中和しそうです。
でも「三態」となると・・・あまり塩化水素の特徴はなさそうですね。
多分子の集合を「物質」とすれば、「分子からなる物質」も当然アリです。
学問的な分類ならば、MECE感があると、より妥当な分類に感じます。
http://ja.wikipedia.org/wiki/MECE
分子も「原子からできている」ので、「分子から」と「原子から」の両立は、
MECE感に欠いた気持ちの悪い分類だと思え、受容が困難になってしまいます。
また最近個人的に、ポリエチレンなどの高分子や、フラーレン“分子”、
イオンを含む生体分子などに思いを巡らすことがあり、
「大きくても、ひと固まりが分子」だと思い込んでいました。
が、それらの物質は、化学の基本に収まらない、特殊なものなのかもしれません。
(下に続く)
(上からの続き)
さて、私のとは別の発想法として、
前提として、物質の構成を3種類に決めてしまう方法があります。
たぶん「3種類」は本質的でなく、人間の主観にすぎないと思います。
実際「原子からなる物質」は金属/非金属を別々にできそうです。
希ガスは3種のどれか分かりませんが、これもかなり特殊です。
しかし、現実世界を説明するのにとりあえず3種類で都合がいいのでしょう。
前提として3種類だとすれば、「分子」「からなる」「物質」の
各語の定義は、案外どうでもいいということになるかもしれません。
「分子からなる物質」「イオンから…」「原子から…」という名前は、
あくまでも、各グループの「ネーミング」に過ぎないという見方です。
ならばMECE感も気になりません。「分子という中間構造が見出せるか?」
や、他の特徴的な条件で3つのどれかに分類すればいいのでしょう。
私のとは逆転の発想法ですが、それが初歩の学び方の常道かもしれません。
ところで、3種の共通の要素は「原子」なのでしょうか?
イオンは「原子から(も)なる」のか・・・ちょっと悩ましいです。
ともあれ、多数派指示は得られない(「皆分子」という)私の逆転発想は、
修正しておきたいと思います。
No.1にリンクした英語のウィキでは、分子は at least two atoms とあり、
日本のウィキには、「1つ以上の原子から構成される」とありました。
基本中の基本である「分子」の定義が曖昧では、化学を語っていけません。
でも良心的に解釈すれば、化学というものは、整合性・一貫性のある
「(人による)説明・形容」が難しい、複雑なものかもしれません。
「論理からなる学問」(数学)ではなく、「現象からなる学問」が化学。
説明をつけることが本質ではないので、ほどほどなのかもしれませんね。
日本の場合、希ガスだけを「1原子分子」としているように解釈しました。
そうならば、金属やダイヤモンドは「原子からなる物質」になりますね。
かなり納得のいく説明をいただいたと思います。
いろいろ教えてくださり、心より感謝いたします。
No.4
- 回答日時:
#1です。
実はご紹介したサイトのページ一番下あたりを見ていただきたかったのですが、
物質を、まさにご質問のタイトルと同じ、「分子からなる物質」と、「イオンからなる物質」、「原子からなる物質」の3つの区分に分けて説明が記載されています。
この説明が、きっと現時点の ye11owさんにはピンとこないのだろうと思いますが、これから色々学習なさっていく中で、それぞれの意味合いが少しずつ理解できていくようになると思います。
現時点では、亜鉛は鉄や銅の仲間かな?塩化ナトリウムや炭酸水素ナトリウム、ミョウバン(はちょっとわかりにくいでしょうか?)は食塩や塩化銅の仲間かな?じゃあ、残った塩化水素が水やドライアイスの仲間かな?くらいの感覚で、あまり難しくなく考えられたほうが良いように思います。
No.3
- 回答日時:
亜鉛…金属。
Zn原子(あるいはZn2+と自由電子)がくっつきあって出来ている。塩化水素…分子性物質。HClという分子がある。
塩化ナトリウム…イオン性物質。Na+とCl-という2種類のイオンからできている。
炭酸水素ナトリウム…イオン性物質。Na+とH+とCO3^2-という3種類のイオンから出来ている。
ミョウバン…イオン性物質。K+、Al3+、SO4^2-という3種類のイオンから出来ている(H2Oという分子も含まれると思いますが)。
というわけで、分子で存在するのは塩化水素だけです。
(水に溶かすと塩酸になって、H+とCl-に電離しますけど。)
ご回答ありがとうございます。
「分子からなる物質」という表現に、私としては違和感を感じてしまいました。
「分子=物質」なのであって、分子で「構成」されているわけではありません。
分子は、ひとまず原子によって構成されているのです。そして原子は…。
「分子からなる物質」とは、酵素のような「タンパク質複合体」などを言いそうです。
今ひらめいたのですが、1分子でなく、複数分子としての「塩化水素」を考えれば、
塩化水素は、「分子で構成されている」といえるのかもしれません。
一定量の塩化水素ガス(分子の集合体)を想定し、その構成成分を考える)ことです。
では、サラサラと多数ある食塩の結晶(の集合)として見たら?
(イオンならぬ)「結晶(の粒子)から構成される」物質??
・・・もー、よくわかりませんね。
もっとストレートに、「どんな結合でできているか?」などを問うているのならば、
すっきりとわかるのかもしれません。
さて、話をまとめていきますと、No.1への回答にほとんど書きましたが、
解釈のズレの原因は、一つに「分子の定義」の問題のようです。
「分子とは?」を考えてみて、多角的な意味でとても勉強になりました。
(これまでの回答に書いたことや、No.1のリンクの内容のことです)
高校生的には、まず「物質の構成」は3種類とされていることを理解し、
それぞれに属する代表的な物質をいくつか覚え、
それぞれが具体的にどんな構造をとっているかを知り、
その物質の分類が妥当であることを確認すれば、この単元を征服できるように思いました。
これ以上、また何かありましたらお願いします。
P.S. 「塩化水素」よりも「塩酸」のほうが一般的で、
解離した状態をイメージしてしまうと誤解しやすく、そこがこの問題のやや難しいところですね。
No.1
- 回答日時:
そう思われたのが ye11owさんだけであることを祈りたい気持ちでいっぱいです。
高校生向けに解説されたページをご紹介します。
頑張ってください。
http://ja.wikibooks.org/wiki/%E9%AB%98%E7%AD%89% …
ご回答ありがとうございます。
ご提示いただいたリンクのページは、実は以前に見たのですが、
「分子とは、物質としての性質を持った最小単位の一つである。」(←!)
「1つ以上の原子から成り立っている。」さらに、
「イオンは、原子や分子がある条件のもとで電荷を持った粒。」(←!)
とありましたので、現実の物質は基本的に皆分子なのかな?と思われました。
「イオンとは、分子が電子を得た・失ったもの。特殊な状態の分子」もしくは、
「解離したアニオン・カチオンの一方を指すのでなく、全体を指せば分子」
といったところでしょうか?
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%88%86%E5%AD%90
↑こちらには一応、「イオン性物質や金属は結晶やクラスターを単位としてみれば、
電荷や表面ポテンシャルの面では巨大分子と考えられるが…」とあり、
そんなところが私の解釈したところです。
ZnZnZn Na+Cl-Na+
ZnZnZn Cl-Na+Cl- ←こういうまとまりがそれぞれ「巨大分子」というような。
ZnZnZn Na+Cl-Na+
http://en.wikipedia.org/wiki/Molecule
↑ところがこちらには、分子とは「very strong (covalent) chemical bonds.」
[=とても強い(共有)結合]によって結ばれているものをいうらしいです。
だとすると、イオン結合性の物質は分子に含まれませんね。
高校生が理解できそうな考え方としては、
高校化学の「物質の構成」は、「分子/イオン/原子からなる物質」の3つに分けられ、
原子が不特定多数連なって構成される金属やカーボン、イオン性物質などの
“巨大分子”を除いた、(化学式の見た目の通りの)単分子として存在するものが
「分子からなる物質」に分類されると考えればよさそうに、今のところは思います。
ともあれ、お付き合いいただきありがとうございました。
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