No.1
- 回答日時:
こんにちは。
クスの木の葉や枝を鍋に入れて沸騰させます。
この時、鍋の中心に傘を立てて置くと、水蒸気と共にクスの木の成分が蒸発し、傘の内側に結晶をむすびます。この結晶を集めて形を整えます。非常に根気の要る作業です。また、臭気も強いので、屋外で行うことが多く、温暖な薩摩での特産品となりました。
No.2ベストアンサー
- 回答日時:
江戸時代にヨーロッパで流通していた樟脳は、そのほぼ全てが日本産で、そのほとんどは薩摩藩の物でした。
薩摩藩は七十七万石と言われていましたが、桜島からの火山灰で土地は痩せ、思うように穀物を栽培できませんでした。他にも理由はあったのですが、天保年間(1830~49)頃には薩摩藩は五百万両もの借財を抱え、年間利息だけで八十万両を支払うまでになっていました。そんな薩摩藩の特産品の一つが樟脳で、鹿児島は日本一の大樟として知られている大木を始めとして数多くの樟が自生しており、元々亜熱帯性の植物なので鹿児島つまり薩摩の気候風土が適していたのです。
薩摩藩にとって、金銀に次いで輸出が多かったのは樟脳だったそうで、元禄十四年(1701年)には八千斤(4.8t)余り、宝暦元年(1751年)には三万七千斤(22.2t)余りを輸出しています。薩摩藩による樟脳の輸出は明治初期まで続き、その後日本政府が台湾に楠のプラントを作り、国の事業として樟脳の製造に乗り出すに至ります。
樟脳は、かつては防虫剤、防腐剤、香料、強心剤として用いられました。樟脳の別名をカンフルと言い、駄目になりそうな物事に『カンフル剤を打つ』と言う比喩表現に名前を残しています。
また1856年に製造法が確立されたセルロイド(ピンポン玉、人形、アニメーションのセル画)の可塑剤として、かつては大きな需要がありました。
医薬用としても血行促進作用や鎮痛作用、消炎作用、若干の麻酔効果が認められるなど、鎮痛剤・血行促進剤としても使われ、幅広い用途のある製品だったと言えます。化学合成品・プラスチックが台頭してくるまでは、当時世界最大の生産国だった日本の重要な輸出品でした。日本では1962年まで日本専売公社が専売しており、如何に重要な商品だったかが窺えます。
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