よく重犯罪の判決で容疑者の反省や後悔、謝罪があったから求刑より軽い判決が出ることを良く耳にします。何故でしょうか。容疑者が本当に反省や後悔、謝罪をしていると、いかにして判断するのでしょうか。演技が上手く出来る人なら騙す事も可能では無いでしょうか。一旦起こした犯罪を後悔や反省、謝罪で罪が軽減されるのはおかしいと思うのですが如何でしょうか。裁判は容疑者を罰する事より、容疑者の社会復帰、更正が目的なのでしょうか。では容疑者によって被害を受けた方や家族は納得行かない事もあるのではないでしょうか。容疑者は犯した罪を認めた上の、反省や後悔、謝罪は必要ですが、罪を否定しているのに、反省や後悔、謝罪で刑罰を逃れようとする人もいないでは有りません。反省や後悔、謝罪が刑罰軽減の原因とする根拠は何でしょうか。また、反省や後悔、謝罪が容疑者の更正に役立つのかお教え願います。
No.7ベストアンサー
- 回答日時:
No.4、5です。
No.6さんのいうとおり、刑事司法は応報刑思想を基本としています。
(私が「裁判は罰することが第一」と書いたのはこのことを踏まえてのもの)
刑事行政は応報刑を基本としつつも教育刑的要素も入っていますが…。
(社会復帰、更生『も』目的にしているのは、むしろこっち)
で、もしNo.6さんの回答を「難しくてよくわからない」と思うようでしたら、
「ご質問のようなことを考察するには勉強不足」と言うしかないです。
刑事学の本を読まれることを強くお勧めします。
そして3回目の繰り返しになりますが「実際の裁判を見」てください。できれば何回か。
No.6
- 回答日時:
他の回答を拝見し、気になったので、私も少し回答致します。
他の方の回答に、「先進国の刑罰は教育系が基本で、応報刑が独裁国家やイスラム系で残っている野蛮な刑罰」的なものがありましたが、誤りですね。
我が国の刑法の基本的な立場は、応報刑です。
近代法は、自主性の確立からはじまりました。つまり、人は自由な意思に基づく選択の自由をもっており、その行動に対して個人が責任を負う、という自由主義・個人主義が近代国家の基本です。
この大原則から言えることは、自分の自由な意思に基づいて行った行為に対してのみ責任を負うことです。つまり、刑法でいうところの、「責任主義」です。
自ら、適法な行為ではなく違法な行為に出ることを選択したからこそ、その結果に対して責任を負えるわけです(非決定論)。
逆に、生まれながらにして犯罪傾向があったとか、生まれ育った環境によって犯罪傾向にあったなどという、いわゆる新派刑法学の考え方ならば、そういった犯罪者には刑罰ではなく、「犯罪傾向を取り除くための」教育が必要であるとうい教育刑論に傾きます。
これは、ロンブローゾやリストといった、刑法学者の主張ですね。
自ら、悪い行為を行うことを選択し、その行為を行ったら刑罰に処せられることをわかっていながら、一線越える以上、そこには教育や更生などという目的は本来入らないのが原則です。つまり、刑罰引き受け責任です。
人間を、教育し直してある方向に向かわせるという発想は、現在では影をひそめています。
刑事政策的に、懲役刑・禁錮刑に処せられている者に、更生プログラムが組まれているのは、「懲役・禁錮の場合は、定められた期間が経てば、再度社会に出すことになるので、だったら再び犯罪を行って社会に迷惑をかけないようにしておこう」という付随的な発想からです。だから、死刑囚にはこのようなプログラムが組まれていません。
起訴猶予の際に、犯罪後の事情を考慮する場合は、被害者にきちんと謝罪しているか否か、損害賠償などがなされているかが重要な判断基準になり、それに付随して被疑者も十分反省してもう二度と犯罪を行わないかを判断材料の一つに入れています。
結果が重大な犯罪の場合は、公判においても執行猶予は付きません(3年以下の懲役・禁錮にしか執行猶予は付けられません)。
また、刑罰の軽重に影響を与えるもっとも重要な判断材料は、犯罪後の情況ではなく、犯行に至った動機です。
「なぜそのような犯行に及んだのか?」という点が、刑罰の軽重を決める最大の基準となります。
上記の責任主義の考えからは、犯行後の情況は考慮されないのが原則です。
10という刑罰を科す必要のある行為に対しては、10というい刑罰を科すことが必要であり、それ以上でもそれ以下でもあってはなりません。
これを「正義の原理」と法の世界では呼びます。
もし、質問者が、
10という刑罰を科す必要がある行為に対して、15くらいの刑罰を科すべきだ、と考えていたり
10という刑罰を科す必要がある行為に対して、その「人」だったら15くらいの刑罰を科すべきだ
という考えをもっているのならば、それは明らかに正義に反します。
求刑よりも判決で示された刑の方が軽かったのは、単に、公判手続でいろいろ調べた結果、それが被告人の行為に見合った刑罰だったというだけです。
調べてみるとわかるのですが、検察官の求刑よりも重い刑の判決が出ることもありますよ。
目には目を 歯には歯を
というタリオの法は、近代刑事法の根底にある正義の原理であることは、今も変わりません!
No.5
- 回答日時:
No.4です。
回答を見た後で他の回答へのコメントを読みました。
「社会を乱した犯罪者に人権などない」という考え方であれば、
すでに法律論から離れているので、
法律カテゴリーで適切な回答は得られないと思います。
# 「人権」という概念がなぜ生まれたのか歴史を調べてみるのもいいかもしれません。
まぁ「実際の裁判を見ていただくのが一番分かりやすい」ことだけは間違いないと思います。
この回答への補足
日本人は未だ民主主義後進国である事が司法界でよく判ります。早く先進国並みになって欲しいものですが、時間に追いつく事は出来ません。
補足日時:2011/03/05 09:20No.4
- 回答日時:
まぁ実際の公判を見ていただくのが一番分かりやすいと思いますが…
>容疑者が本当に反省や後悔、謝罪をしていると、いかにして判断するのでしょうか。
言うだけなら基本的に信用はしないでしょう。
・容疑事実を素直に認める
・捜査に積極的に協力する
・被害弁償をきちんとしている(謝罪だけでなく行為として)
・再犯しないと言うだけでなく、具体的な対策を挙げる
etc...
>演技が上手く出来る人なら騙す事も可能では無いでしょうか。
それはない、とは確かに言いきれません。
でも裁判官だって海千山千ですからね(そうでない場合もあるけど)。
>裁判は容疑者を罰する事より、容疑者の社会復帰、更正が目的なのでしょうか。
裁判は罰することが第一ですよ。
罰する「程度」を決める材料の1つに犯後の情状があるだけです。
ちなみに「更正」じゃなくて「更生」ね。
>また、反省や後悔、謝罪が容疑者の更正に役立つのかお教え願います。
反省や謝罪はあるかないかだけではありません。程度、性質も関係します。
この回答への補足
失礼、漢字変換を間違えたようです。眼鏡をかけます。
勿論、反省や後悔、謝罪が判決の全てとは言ってません。
ところで、検察の反省会議で自白を第一にしないと検察総長が言ってましたが、明らかな物証があれば、自白を拒否できるのでしょうか。やったと言っているのに、反対の証拠があれば如何するのでしょうか。
No.3
- 回答日時:
>よく重犯罪の判決で容疑者の反省や後悔、謝罪があったから求刑より軽い判決が出ることを良く耳にします。
根本的に誤解があるようです。そもそも検察は妥当な求刑などしません。一部の犯罪を除き常に重めの求刑をします。
だから反省の結果求刑より軽くなっているケースもありますが、反省が見られないとした判決でも求刑より軽いケースが一般的です。
>いかにして判断するのでしょうか。
最終的には判事の判断です。
外形的に誰がどう見ても反省していないケースは簡単ですがね。
>一旦起こした犯罪を後悔や反省、謝罪で罪が軽減されるのはおかしいと思うのですが如何でしょうか。
なんら反省の様子が見受けられない犯罪者と反省している犯罪者で刑が同一なのはおかしいと思いますがいかがでしょうか?
>では容疑者によって被害を受けた方や家族は納得行かない事もあるのではないでしょうか。
被害者感情を納得させるというのは刑罰の目的の一つに過ぎません。
社会秩序の維持、犯人の更生なども目的です。
>罪を否定しているのに、反省や後悔、謝罪で刑罰を逃れようとする人もいないでは有りません。
どういった例をもって言われているのかよくわかりませんが、行為を認めず行為を反省するというのは論理が破綻しています。
それで判決が影響されるケースは無いと思うのですが。
>反省や後悔、謝罪が刑罰軽減の原因とする根拠は何でしょうか。
更生の可能性が高い・再犯の可能性が低いと考えるからです。
>また、反省や後悔、謝罪が容疑者の更正に役立つのかお教え願います。
一般論で言えば、当然に必要条件でしょう。もちろん十分とはいえませんが。
この回答への補足
文節毎にお答え頂きご丁寧な事で有難う御座います。でも何を仰りたいのか解りません。日本の刑法では罪を罰して犯罪者を罰するのではないかと思うのですが、この点は如何でしょうか。
補足日時:2011/03/04 20:21No.2
- 回答日時:
いや、反省があったこともふまえて検察は求刑を出してるので、
「反省があったから求刑より軽い判決が出る」というのは間違いです。
求刑より高い判決が出てしまうとその判決を有効にするために再度手続きが必要になるため、
検察は通常より高めの求刑を出しています。
だから判決が求刑より低くなるのはごく当たり前のことなのです。
まあ反省といってもどのぐらい反省しているかで減刑の度合いも変わってきますから、
それについては完全に裁判官から見た客観的な視点≒独断ということになります。
他人の心の中は誰にもわからないですからね。
演技が上手い人なら有利になるのも当然です。
ただ、少なくとも「明らかな口だけの反省」を理由に減刑にすることは無いです。
例えば、罪を犯して、逃走して、取り調べでも反抗的な態度を取っていたのに、
裁判で不利になったとたんに「反省しています」と言っても、判決では「反省の色は伺えない」となります。
他にも、初犯ではなく再犯なら謝罪の信用性が無くなるのは言うまでもありません。
司法はあくまでも客観性に基づいて結論を出す場ですので、
総合的に見て再犯の可能性が低いと思えれば減刑するのが妥当だということです。
刑罰は単に悪いことをした人に罰を与えるというものではなく、
「更正」を目的とした制度ですからね。
この回答への補足
私は社会を乱した犯罪者には人権はないと思っていますので、当然犯罪者の社会復帰は不要です。犯罪者が復帰できると思うから犯行するのです。イスラム圏の刑罰が重いのはこの点が有るからです。犯罪が一向に減らない日本はイスラムを見習うべきと思うのですが、如何でしょうか。
補足日時:2011/03/04 20:26No.1
- 回答日時:
あなたの言い分は、応報刑論という考え方です。
加害者が相手に苦痛を与えることは罪になるのに、被害者(その立場を代理する国家)が苦痛を与えることは罪にならないというのは矛盾しますね。
また、加害者がいない場合(覚せい剤使用とか)は、応報刑の立場からは犯罪となりえませんね。
よって、先進国と言われる国々では、教育系論の立場をとっています。
つまり、刑を科すのは犯罪者の更生のため。更生が期待できない場合は最高刑を貸す。改悛の情や同情すべき事情など、更生が期待できる要素があれば、それに応じて減軽するという仕組みになります。
イスラム諸国や独裁国家は応報刑の立場をとっています。
日本が応報刑の立場をとると、これらの国と同等にみなされてしまい、欧米から疎外されてしまいます。
欧米から疎外されることは国策に反するというのが、応報刑論を採らない最大の理由です。
この回答への補足
そういったお考えの方が多いから一向に日本の犯罪は減りません。社会を乱す犯罪者は抹殺してこそ社会が維持できます。
『加害者が相手に苦痛を与えることは罪になるのに、被害者(その立場を代理する国家)が苦痛を与えることは罪にならないというのは矛盾しますね。』 のことですが、
加害者が苦痛を得ることは当然の報いですし、被害者が加害者に罪を苦痛を与える事は罪ではありませんから、矛盾していません。
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