No.4ベストアンサー
- 回答日時:
横から失礼します。
tetsumyi様の御回答に補足させて頂きます。
紫外線であれば、皮膚のメラニン色素で吸収し、皮膚の下に届く量を減らす事が出来ます。
しかし、殆どの放射線は、紫外線よりもエネルギーが高いため、透過力が(紫外線よりは)高く、メラニン色素で遮る事が出来ませんから、皮膚よりも更に下にある細胞のDNAも傷つけるおそれがあります。
又、高エネルギーである故に、放射線の方が紫外線よりも、DNAを傷つける力は強いと言えます。(放射線の種類によっては、1個の放射線の粒子が複数回、傷つける事もあります)
γ線よりも透過力の弱いβ線であっても、金属の薄板一枚で遮蔽出来ますが、それでも皮膚の下、1cm程度の深さまで、透過する場合もあります。
【参考URL】
ストロンチウム90について http://oshiete.goo.ne.jp/qa/5372286.html
それに、紫外線は身体の外からしかやって来ませんから、体内の奥深くにある細胞のDNAが、紫外線で傷つく事はありませんが、放射線の方は、放射性物質が体内に入り込んだ場合には、皮膚のガードがない体内に放射性物質が到達して、体内の奥深くにある、内蔵等の重要な組織が、直接放射線を浴びるおそれもあります。
もし、体内に入り込んだ放射性物質が、重金属元素の放射性物質であった場合には、体内から排出され難いため、いつまでも体内に留まって、放射線を出し続ける事になります。
又、DNA分子の外から放射線が照射された場合には、放射線粒子は体内の水分子に当たる事が多く、放射線粒子がDNA分子に命中するとは限らないのですが、状況によっては、放射性物質が放射線を出した時に、必ずDNAが傷つく事になる場合があります。
放射性物質の原子核は、放射線を出した後は、別の原子核に変化します。
DNAの分子は炭素と水素と酸素と窒素の原子から出来ていますが、このDNAが体内で作られたり、傷ついたDNAが修復される時に、炭素や水素の放射性同位体の原子が、DNAの材料として使われると、その放射性炭素や水素が放射線を出して別の原子に変化してしまうと、DNAが必ず傷つく事になります。
炭素の放射性同位体の内、最も多く存在する炭素14は半減期が約5730年と、比較的長いため、頻繁には崩壊しませんが、自然界に元々存在している放射性同位体であるため、体内に含まれている量が比較的多く、炭素14を取り込んでいるDNAの割合は少なくありません。
水素の放射性同位体は、水素3(トリチウムとも言います)だけで、これは半減期が12.32年と比較的短いため、自然界には殆ど存在せず、原子炉や核実験から放出されたものが殆どです。
トリチウムは半減期が比較的短いため、DNAに取り込まれた場合には、比較的速やかに崩壊して、DNAを傷つける事になります。
福島原子力発電所で放出した水蒸気の中には、このトリチウムを分子内に含んだ水分子も、多少含まれている筈です。(濃度が薄いため、過敏になる必要はないと思いますが)
す、すごく詳しい解説をありがとうございました。
なるほど体内被曝とはそういうなんですね初めて理屈がわかりました!
ただ、今回のご回答で新たなキーワード「半減期」
が出てきましたが…
半減期が短い→元素の崩壊が早い→DNAへの影響力が大きい
という理解でいいのでしょうか?
No.6
- 回答日時:
アルファー、ベーター線は高速の粒子の流れ、ガンマー線は電磁波の一種、一口に放射線と言いますが、放射性物質により、アルファー崩壊、ベーター崩壊、ガンマー崩壊があります、半減期は数秒以下のものから数十年のものまで、崩壊すれば別の物質になりますので現実には種〃の物質が混在しているかも。
紫外線は電磁波の一種です。
No.5
- 回答日時:
>半減期が短い→元素の崩壊が早い→DNAへの影響力が大きい
>という理解でいいのでしょうか?
いいえ、そうとは限りません。
確かに半減期が短い方が、早く崩壊しますし、その結果、同じ時間内に放出される放射線の粒子の数も、半減期が短い方が多くなりますから、半減期が短い方が沢山放射線を出すとは言えます。
ですが、放出される放射線粒子1個が持っているエネルギーは、放射性物質の種類によって異なりますし、何より放射線の種類(α線、β線、γ線)によって、分子を傷つける(即ち、粒子が持っているエネルギーで、原子同士の結合を切断する)効率が異なっています。
放射線が原子同士の結合を切断するのは、原子同士の結合は原子核の周りを回っている電子の作用によるものなのですが、放射線の粒子が、原子に衝突したり、原子の直ぐ側を通過したりすると、放射線粒子が持っているエネルギーが、原子核の周りを回っている電子に移り、エネルギーを得た電子が、原子から飛び出してしまい、原子同士の結合を担っていた電子がいなくなるからです。
電子の数が減るという事は、原子がマイナスの電荷を失って、プラスに帯電するという事ですから、放射線が原子中の電子を飛び出させる働きを、放射線の電離作用と言います。
一般的に、α線は電離作用が強く、γ線や中性子線は電離作用が弱く、β線はその中間だとされています。(勿論持っているエネルギーに大差があれば、この限りではありません)
ですから、同じエネルギーの放射線粒子であっても、α線はDNAに当たった時に傷つける力が強く、γ線は弱く、β線はその中間という事になります。
【参考URL】
緊急被ばく医療研修のホームページ > 資料・ビデオ > 地域フォーラムテキスト > 第1章 放射線の性質と単位 > 4. 放射線の性質
http://www.remnet.jp/lecture/forum/01_04.html
処で、電離作用の強さは、丁度、透過力の強さとは逆になっている事が判ります。
電離作用が強いという事は、持っているエネルギーを、物質中の原子に与え易いという事です。
エネルギーを与え易いという事は、物質中で早くエネルギーを失ってしまうという事です。
エネルギーが無ければ物質を透過する事は出来ませんから、電離作用が強い程、透過力は弱くなる訳です。
つまり、γ線や中性子線は、電離作用こそ、α線より弱いものの、透過力が強いために、身体の奥深くにまで届きますから、電離作用が弱いからと言って危険性が低い事にはなりません。
従って、電離作用が強いα線は簡単に遮る事が出来ますが、DNAにまで届いた場合には、DNAを傷つける力が強く、
γ線や中性子線はDNAを傷つける力はα線よりは弱いものの、体内の奥深くまで到達するため、内蔵の細胞のDNAすら傷つけるおそれがありますから、
どちらが危険であるかは、状況にもよります。
例えば、体内に放射性物質が入った場合には、電離作用が大きいα線を放出する放射性物質の影響が大きいでしょうし、放射性物質が皮膚に直接付着したのを放置した場合は、透過性がある程度高く、電離作用も低くはないβ線の影響が大きいでしょうし、体外から放射線の照射を受けた場合には、透過力の強いγ線の影響が大きくなるのではないかと思います。
放射性物質によって、α線、β線、γ線の何れの放射線を放出するのかは異なりますから(中性子線を出す放射性物質は殆どありません)、半減期だけではDNAに対する影響の大きさを、一概に論じる事は出来ないのです。
No.2
- 回答日時:
A#1です。
α線は、高速のヘリウムですが、正確に言えばヘリウムイオンですね。
崩壊して出てきたばかりのヘリウムには、電子がありません。
ですから、何か物質にぶつかったときに、その電子を奪い去って、安定になろうとします。
これって、γ線のところで申し上げた、電離作用と同じですね。
つまり、DNAを損傷する可能性があるわけです。
しかし、γ線のように電磁波ではありませんから、その遮蔽は簡単で、
紙一枚もあれば、防ぐことが出来ます。
ただ、もし体内にα粒子を放出する物質が入った場合は危険です。
これを、内部被曝といいますが、α崩壊する物質では特に内部被曝が危険です。
No.1
- 回答日時:
放射線と一言でいいますが、いろいろな種類のものがあります。
α線、β線などと言いますが、
それらは、元の物質があり、例えばα線はヘリウムです。
原子崩壊で出てきた様々な物質やらなにやらが、放射線とくくられているわけです。
その中にはγ線というものがありますが、これは電磁波です。
紫外線も、やはり電磁波です。
可視光線も、赤外線も、電磁波ですね。
γ線は、紫外線よりも波長が短いものです。
波長が短いと、確かに電離作用が強いので、紫外線よりも強いですが、
損傷するかどうかは、透過能力や量も重要です。
まとめると、
・どちらも、電磁波
・γ線と紫外線の違いは波長の違い
・γ線のが強い
こんな感じです。
なるほど!!
わかりやすいです、有難うございます。
そうか、放射線にもいろいろあるんですよね
えっと…そしたらヘリウムも損傷を招いてしまうんでしょうか
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