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セシウム137は、ベータ崩壊するとの記述があるにもかかわらず、放出されるのはベータ線ではなくガンマ線であると記述されています。
セシウム137はベータ崩壊をするのでしょうか?
それともガンマ崩壊なのでしょうか?

A 回答 (2件)

まずセシウム137の崩壊図をみてください。


http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%BB%E3%82%B7% …

セシウム137は100%ベータ崩壊します。
(ここでいう100%というのはアルファ崩壊するといったような別の系統をたどらないという意味です。)
(※崩壊図、"55Cs137"から右下に青い矢印が出ている部分。)

ですが、そのうちの94.4%は準安定同位体であるバリウム137mになります。
(※崩壊図、"55Cs137"から右下"56Ba137m"に青い矢印が出ている部分。)
(バリウム137の後に"m"がついているのは、準安定同位体であることを意味しています。)

このバリウム137mがエネルギーを放出してバリウム137になる際にガンマ線を出します。
(※崩壊図、"56Ba137m"から真下"56Ba137"に赤い矢印が出ている部分。)
(この反応を核異性体転移(略号IT)といいます。(定義上はガンマ崩壊と違いますが、ガンマ線が出るという点では同じです。))

残りの5.6%は、いきなりバリウム137になります。
(※崩壊図、"55Cs137"から右下"56Ba137"に直接青い矢印が出ている部分。)

前置きが長くなりましたが、
>セシウム137はベータ崩壊をするのでしょうか?
>それともガンマ崩壊なのでしょうか?
「セシウム137だけ」をみればベータ崩壊のみです。
が、「セシウム137が安定同位体(つまりバリウム137)になるまで」をみるとベータ崩壊と核異性体転移が起きていますよね?
つまり、「セシウム137は放射能を失うまで(=安定同位体になるまで)には、ベータ線とガンマ線がでる。」ということです。
(一般的に遮蔽を考える場合は、放射性核種から安定同位体までを考えます。)

>放出されるのはベータ線ではなくガンマ線であると記述されています。
これについてはNo1の方が説明されているとおり、遮蔽の難度はガンマ線の方が高いために、そう書かれているのだと思います。
あと、セシウム137はガンマ線源として使われることもあるそうなので、そのように書かれているのかもしません。

以上、ご参考まで。
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この回答へのお礼

早速のご回答ありがとうございます。
最初の回答者の方の回答に、分かりやすく補足して頂き、大変勉強になりました。
ありがとうございました。
ところで、「セシウム137は放射能を失うまで(=安定同位体になるまで)には、ベータ線とガンマ線がでる。」とのことですが、セシウムを体内に取り込んで筋肉等に蓄積した場合にはベータ線とガンマ線の両方に被曝するということでよろしいのでしょうか?

お礼日時:2011/10/26 19:18

ベータ崩壊する際に出てくるベータ線は実体が電子であるため物質と相互作用が起こりやすく、簡単に遮蔽されてしまいます。

(遮蔽された際にX線を出しますのでその遮蔽は必要ですが)
むしろ面倒なのが、ベータ崩壊してできた核子であるバリウム137m。最後にmがつくこの原子核は不安定で安定なバリウム137に変化する際に余分なエネルギーをガンマ線として放出します。ガンマ線は波長の短い電磁波であり、かなり透過性が高い。そのため影響が大きくなるのです。
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この回答へのお礼

早速のご回答ありがとうございます。
私には、ガンマ線は電子が対消滅してできるものという浅薄な知識がありましたので、何か直接的な反応と考えており、バリウム137mというものが介在するとは、思ってもいませんでした。
大変勉強になりました。
ありがとうございました。

お礼日時:2011/10/26 19:10

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