A≧B>0 ⇒ B^-1≧A^-1 を証明する問題です。(A,Bはn×nの正方行列)
自分でどこまで考えたのかを以下に示します。
条件より A-B≧0 かつ A>0 かつ B>0
A,Bが正値なので固有値λ(A),λ(B)は全て正である。 …(1)
A-Bが非負なので固有値λ(A-B)は全て非負である。
任意のx(n×1)について x’(A-B)x≧0が成り立つ。(’は転置を表す)
A,Bにそれぞれに関して直交な行列V1,V2を選ぶことによりスペクトル分解する。(Λ1,Λ2はそれぞれの固有値を対角要素とした対角行列)
x’(A-B)x
=x’(V1Λ1V1’ - V2Λ2V2’)x
=x’V1Λ1V1’x - x’V2Λ2V2’x
ここでy1=V1’x y2=V2’x とおくと
x’V1Λ1V1’x - x’V2Λ2V2’x
=y1’Λ1y1 - y2’Λ2y2
=Σ[i=1~n]λi(A)*y1i^2 - Σ[i=1~n]λi(B)*y2i^2 ≧ 0 …(2)
(y1i, y2iはそれぞれy1,y2のi番目の要素)
ここまでが仮定からわかることです。
ここからB^-1 - A^-1≧0であることを示したい。
任意のx(n×1)についてx’(B^-1 - A^-1)x が非負であればよい。
x’(B^-1 - A^-1)x
=x’(V2Λ2^(-1)V2’ - V1Λ1^(-1)V1’)x
=x’V2Λ2^(-1)V2’x - x’V1Λ1^(-1)V1’x
ここでy1=V1’x y2=V2’x とおくと
x’V2Λ2^(-1)V2’x - x’V1Λ1^(-1)V1’x
=y2’Λ2^(-1)y2 - y1’Λ1^(-1)y1
=Σ[i=1~n] y2i^2/λi(B) - Σ[i=1~n] y1i^2/λi(A)
この式が非負であることを(1)(2)から示そうと頑張ったのですがどうしても無理でした。
非負であると示すことができるのか、
仮定部分からまだ情報を得ることができるのか、
もっとスマートな方法があるのか、なんでも結構です。
お力を貸していただけたらと思います。よろしくお願い致します。
No.3ベストアンサー
- 回答日時:
No.2です。
自分の回答ではA≦Bとしてるのでひっくり返して見て下さい。
{・・・}^*の記号は{・・・}の共役転置(adjoint)を表しています。
それから(2)において最後の∥・・・∥を{1/2}乗するのを忘れました。
この回答への補足
丁寧な回答をありがとうございました。
色々説明が抜けており申し訳ありません。No.1の補足に定義とその他について記載致しましたのでそちらもご覧いただけたらと思います。
今回扱う行列は(特に記載がないのですが)実対称行列として考えて大丈夫です。
>重要なことは、行列A,Bが共に対称正定値であるので√(平方根)をとったり色々好きなことが出来るということです。
正値行列Aの√A、A^(-1)が存在し、それぞれ正値であるということは証明できましたが、
0≦ (√B)^{-1} A (√B)^{-1} ≦ (√B)^{-1} B (√B)^{-1} = I
をいうためには
・A≧0、B≧0 ⇒ AB≧0
ということを証明しなければなりません。これさえ証明できれば完成なのですが…。
回答ありがとうございました。
・A≧0、B≧0 ⇒ AB≧0
を証明しないといけないと書きましたが、これは特定の条件の下でしかありえない命題でした。代わりにB'AB≧0を証明することができましたので、解決にかなり近づきました。
本当にありがとうございました。
No.4
- 回答日時:
#2 と類似だけど線形代数だけで途中は全部すっ飛ばす:
A, B を対称行列と仮定していいなら, 実は
A は単位行列, B は対角行列
と仮定できます. よって証明終わり.
No.2
- 回答日時:
関数解析的にやってもいいでしょうか?使うことは基本的なものばかりなのでとりあえず参考までにやってみます。
まず確認ですが順序を考えてる行列はすべて対称だと仮定してますよね(すなわちself-adjointであること)?それを仮定して話を進めます。
以下、行列をC^n上の有界線形作用素とみなし、行列Aに対して作用素ノルムを二重線∥A∥で表すことにします。重要なことは、行列A,Bが共に対称正定値であるので√(平方根)をとったり色々好きなことが出来るということです。
0≦ (√B)^{-1} A (√B)^{-1} ≦ (√B)^{-1} B (√B)^{-1} = I (単位行列)
より、
∥(√B)^{-1} A (√B)^{-1}∥≦1 ----(1)
です。
ここで、(1)を使うと、
∥√A (√B)^{-1}∥=∥{√A (√B)^{-1}}^* √A (√B)^{-1}∥≦1 ----(2)
が分かります。
次に、(2)より
∥(√A) B^{-1} (√A)∥=∥{(√A)(√B)^{-1}} {(√A)(√B)^{-1}}^*∥
≦∥(√A)(√B)^{-1}∥^2≦1
です。
何が言えたかというと、X=(√A) B^{-1} (√A)とおいたとき、∥X∥≦1という評価が得られたわけです。これからすぐにX≦Iが導かれます。(例えば、f(t)=1-tという連続関数を考えればスペクトル写像定理によって、f(X)のスペクトル(この場合は固有値ですが)は非負、すなわち、f(X)=I-Xは正定値行列になる)
あとは両辺(√A)^{-1}を両側からかけてやれば求める不等式が得られます。
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