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職場の同僚で腰痛の方がいます。その方が有名な先生のおらえる病院で
予約をお願いしたら8年先になると言われたそうです。それでも予約した
そうなのですが・・・これって双方にとって現実的ではないような気がしますが・・・。
法的には何年、何十年先でも予約って有効なのでしょうか?
というか予約って受ける方も受けられるのでしょうか?素朴な疑問です。

A 回答 (1件)

 結論から言えば,実現可能性のない予約ならば無効になることはあるが,あなたの同僚の予約については,法的には有効(というか,あえて無効とするまでの理由はない)でしょう。


  
 「職場の同僚で腰痛の方がいます。その方が有名な先生のおらえる病院で予約をお願いしたら8年先になると言われたそうです。それでも予約した」ことについてですが,法律的には,腰痛診療という事実行為の準委任契約(民法656条,643条等)にあたります。
 契約の内容は,「某有名先生があなたの同僚に腰痛診療を行う。」「(診療という債務の)履行期は8年先」というものです。通常は履行期が「今週の金曜日10時から診療開始」とかなるところが,「8年先」になっているのです。

 「これって双方にとって現実的ではないような気がしますが・・・。法的には何年、何十年先でも予約って有効なのでしょうか?」というか予約って受ける方も受けられるのでしょうか?」:おっしゃるとおり,ありえないような契約は有効とはなりません。たとえば診療時期が8年じゃなくて100年先とか,死んだ人間を生き返らせる契約とか。(ちなみに,売買,消費貸借など債務者の個性に着目しない契約であれば100年後でも債務者の相続人などが契約交わした人に代わり債務を履行できるため,必ずしも無効とはなりませんが,診療契約は,医師の個性に着目した契約ですから,契約の当事者である医師自身が履行できない契約は無効です。)
 本件のように8年程度なら,先生や同僚が老い先短いとか特別な状況でない限り,将来実際に診療できないことではないでしょう?「腰痛は治っているかもしれないから現実的でない」と思うかもしれませんが,契約内容をどうするかは原則として当事者の自由であり,周囲や裁判所が必要以上に介入して契約を無効にすることはできないのです。

 当事者が病院(先生)じゃなくて美容院や旅館であっても同じことです。いざ履行期(:予約で美容院に行ったり旅館に宿泊することになっていた日)になって先方が廃業していたら,廃業した美容院や旅館が債務不履行で損害賠償責任を負うだけです。

 なお,混同しやすい概念で「時効」というのがありますが,債権者が債権を失ったりする消滅時効の起算点は「権利を行使することができる時」(民法166条1項)なので,本件の場合は,8年先の診療予定日からしか進行しません(原則として起算日から10年で時効になります)。


※民法の関連条文
(消滅時効の進行等)
第166条 消滅時効は、権利を行使することができる時から進行する。

(債権等の消滅時効)
第167条 債権は、10年間行使しないときは、消滅する。2 債権又は所有権以外の財産権は、20年間行使しないときは、消滅する。

(委任)
第643条 委任は、当事者の一方が法律行為をすることを相手方に委託し、相手方がこれを承諾することによって、その効力を生ずる。

(準委任)
第656条 この節の規定は、法律行為でない事務の委託について準用する。

※民法 : http://www.houko.com/00/01/M29/089.HTM
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この回答へのお礼

詳しく、わかりやすい回答に感謝!
ありがとうございました!
とても参考になりました。

お礼日時:2011/09/03 02:20

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