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1976年の『犬神家の一族』で梅子(草笛光子)が、夫から「おまえ警察嫌いなんだろ?」と言われたり、「我々に協力してください」と言う警察(加藤武)に対して「私の人生は協力のしどおしです」と返したりしていますが、これが何故なのかわかりません。
梅子は警察とどんな因縁があるのでしょうか?

A 回答 (1件)

梅子は犬神佐兵衛の三女です。

長女は松子、次女は竹子です(何と言う安易な名前の付け方)。梅子が警察が嫌いなのは、自分が竹子の長男「佐武」殺害の疑いをかけられたと勘違いしたからです。警察署長と梅子との会話。記憶を辿っているので細部は違うかもですが

署長「花バサミはどうされました?」
梅子「そう・・・・言えば・・・・佐武さんの葬儀に生け花をと思って探したんですが見当たりませんでした」
署長「その前はあったんですか!?佐武君殺しの前の晩です」(詰問調)
梅子「花バサミがどうかしたと言うんですか」(署長を睨む)
署長「実は、佐武君を殺害した凶器が花バサミである事が判明したんです!」
梅子「警察は私が犯人だと言うんですか!失礼な!」(ヒステリック)
署長「落ち着いてください!いいですか!犬神家の殺人事件は今や全国が注視しているんです」
梅子「それがどうしたって言うんです!」
署長「我々の捜査に協力してほしいんです」
梅子「私の人生は協力のし通しです!」(半べそ)

場面が変わる。猿蔵と本物の佐清との電話での会話。この時点で梅子の一人息子「佐友」は珠代さんを旧犬神屋敷に連れていき、あわや強姦されかかったのを本物の佐清が助けます。そこで猿蔵に電話をし、珠代さんの居場所を知らせ「一刻も早く迎えに行ってあげなさい」と言い、電話は切れます。

さてそれから佐友は行方不明になり、翌日、犬神の屋敷の屋根の上で琴の糸を首に巻かれた状態で発見され、梅子は半狂乱になります。

梅子「署長さん!あなたの責任です!私を犯人扱いしてる間に、大事な・・・大事な佐友が殺されてしまったんです~~~~」(もう錯乱状態)

という経緯です。梅子は署長に佐武君殺しの疑いをかけられたと勘違いしており、その状況下で自分の息子も殺されてしまった。それで署長に恨みをぶつけた訳です。実際、署長の言い方も悪かったんですが、これは梅子の完全な思い違いです。

それと「私の人生は協力のし通しです」発言は自分のこれまでの人生に対しての思いが出たという事でしょう。これは事件とは何ら関係ありません。梅子が勝手にヒステリックになり、署長に協力を要請され思わずそう言っただけの話です。

無実の人間である梅子を言葉の行き違いから犯人扱いしてしまった(と梅子は思っている)署長。そうしてる間に息子が殺された。梅子が警察、特に署長を恨んだのは至極当然の事ですが、そうゆう因縁と言うか経緯があったんです。
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この回答へのお礼

なるほど!「協力のし通しです」は、他愛無い泣き言だったんですね。
梅子は他者に協力的な人間には見えないこともあり、このセリフが妙に引っかかってしまったので、言われてみれば自然な流れなはずの「警察嫌いなんだろ?」というセリフまで併せて勘ぐってしまっていました。
とても丁寧でわかりやすいご説明、ありがとうございました。

お礼日時:2011/09/09 20:33

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