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勉強していて混乱してしまいました。お助け願います。

電気双極子による遷移 (光を入れて、電子励起するとか) を考える場合に、行列要素
<f| H_dipole |i> を考えて、これが0か否かで選択則を考えますよね。
(<f|, |i> はそれぞれ始状態, 終状態)
この時、教科書その他を見ると電気双極子による演算子は H_dipole = A・p とか E・r などと
書かれます。(A等はどれもベクトル)
で、電気双極子の場合はこの演算子は空間反転に対して奇なので、始状態と終状態の対称性
として許されるのは……といった具合に議論は続いていくのですが、

E・r って空間反転(or 鏡映操作)に対して奇なんでしょうか?

鏡映操作によって、E -> -E, r -> -r. 結局 E・r -> -E ・ -r = E・r となるように思えてしまいます。
(A・p と書いても同様。)

実際には実験によって「電気双極子のパリティは奇」であるような結果は山ほど出ているわけ
なので、何か僕がしょうもない間違いをしているのは確かなのですが、何がいけないんでしょうか?

よろしくお願いします。

A 回答 (1件)

こんにちは。



標語的に考えるのではなく、基本に戻ることが重要です。

問題は、次の積分を対称性から考察することです。

<f|Er|i> = \int dr Ψ*_f(r)(Er)Ψ_i(r)

積分範囲は基本的に全空間なので、r と -r の対で足すと考えると、

dr[Ψ*_f(r)ErΨ_i(r)+Ψ*_f(-r)E(-r)Ψ_i(-r)] ------(*)

ですから、もし

Ψ*_f(r)Ψ_i(r)

がr-->-rで符号を変えなければ、(*)は

dr[Ψ*_f(r)ErΨ_i(r)+Ψ*_f(-r)E(-r)Ψ_i(-r)]
=
dr[Ψ*_f(r)ErΨ_i(r)-Ψ*_f(r)ErΨ_i(r)]
=0

と明らかにゼロとなりますので、
行列要素もゼロになります。

すなわち始状態と終状態の波動関数の空間反転対称性が同じなら、双極子による遷移は(上の近似の範囲で)ゼロと結論できます。
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この回答へのお礼

どうも、E・r を定数のように考えてしまっていたのが間違いのもとであったようです。
E は全空間に渡って一定(この積分を考える上では)ですが、rは違いますね。

早速のご回答ありがとうございました。

お礼日時:2011/12/04 16:16

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