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すみません、特定物の危険負担に関する質問です。

原則、民法では、危険負担は債務者主義ですが、不動産のような特定物の場合、債権者主義となるとあります。なぜでしょうか。不動産を入手せず買主が代金を支払うのは納得がいきません。

また、条件付の契約において、不動産が滅失した場合は債務者主義(売主の負担=支払なし)なのに、不動産が損傷した場合は債権者主義(買主の負担=損傷した不動産に支払う)なのは、何か理由があるのでしょうか。不動産売買は、何か特別な理由でこのような規定があると思いますが。

宜しくお願いします。

A 回答 (2件)

危険負担が問題となるのは、「契約が成立した時」から「契約が履行される時」までです。


不動産では売買契約と同時に所有権移転を目的とする契約が成立すると解されます。
一方で危険負担は所有者が行うという考えがあります。
所有権が移転しているから危険負担は所有者=買主負担という考えです。


>また、条件付の契約において、不動産が滅失した場合は債務者主義(売主の負担=支払なし)なのに、

>不動産が損傷した場合は債権者主義(買主の負担=損傷した不動産に支払う)なのは、何か理由があるのでしょうか。

停止条件付契約とは、ローン審査が通らなければ、とか売却物権が予定価格で売れなければ・・・契約は白紙撤回
という契約です。ですから契約=所有権移転と言い難い。よっていきなり債権者主義の危険負担は無理という話。

>第五百三十五条  前条の規定は、停止条件付双務契約の目的物が
条件の成否が未定である間に滅失した場合には、適用しない。

これはいいですよね。まだ、ローンが通るか、住み替え物権が売却できるかどうか
わかっていない段階の所有権はあきらかに売主にあるわけです。


>2  停止条件付双務契約の目的物が債務者の責めに帰することが
できない事由によって損傷したときは、その損傷は、債権者の負担
に帰する。

これは、停止条件成立前でも黙って受け取る義務があるということ。ものがなくなった
わけではないので傷物でもうけとりなさいという話。


>不動産売買は、何か特別な理由でこのような規定があると思いますが。

土地も建物も代替性がない。売買契約が成立してから先は買主が管理せよという話です。
ただし、現実には売主危険負担の条項をいれる契約が大半です。売主は火災保険をかけ
売価に転嫁しています。
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この回答へのお礼

早速のご回答有難うございます。535条の考え方や現実的な対応など、図表にまとめて整理した結果、点が線として結びつきました。火災保険や特約など、掘り下げた別の視点で捉える事ができるようになりました。ありがとうございます。

お礼日時:2012/02/09 15:43

双務契約では、一方の債務が消滅したら


もう一方の債務も消滅する、とするのが
公平です。

それなのに、特定物の危険負担では、債権者主義を
採っています。
これは、双務契約の相関関係を考えると
不合理のように思えます。

学説では次のように説明されています。

つまり、契約が成立すれば、通常はそれで
所有権が移転する。
なら、所有権を持っている者に危険の責任を
負わすのが公平だろう。

しかし、対抗要件を具備せずに、観念的な所有権が移転
されただけでは、あまりメリットはありません。
それなのに、観念的に所有権が移転したから、危険も
負担しろ、というのは不公平ではないのか。

学者も、この債権者主義には反対が多く、登記など
対抗要件を具備してから、適用しろ、という意見が
有力です。
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この回答へのお礼

早速のご回答有難うございます。学説も賛否両論という事で妙にすっきりしました。何をもって公平とするかという先人の知恵に触れたような気もします。

お礼日時:2012/02/09 15:25

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