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「押絵と旅する男」は入れ子構造になっているらしいのですが、具体的にどの部分が入れ子構造なのでしょうか。
どなたか教えていただけないでしょうか。

A 回答 (1件)

入れ子構造だと言われれば、なるほど、そのとおりですね。


私なりに考えてみたことを書いてみます。

この話を語り始めた「私」は、
蜃気楼を見るための旅に出たはずなのですが、
友だちにはそんな旅には出かけていないと言われ、
旅自体が「夢」だったのかという疑いを持ちます。

「私」は、旅の帰りの車中で押絵男と遭遇し、
押絵男の兄に関する奇妙な語りを聴かされるのですが、
聴き終わった「私」は、押絵男が、押絵の中の兄にそっくりなのに気づいて、
兄の話は押絵男の「夢」なのではないかという疑いを持ちます。

つまり、押絵男の「夢」は、押絵男の「現実の語り」の中にはめ込まれ、
その押絵男の「現実の語り」は、「私」の「夢」の中にはめ込まれ、
さらに「私」の「夢」は、「私」の「現実の語り」の中にはめ込まれているという、
四層構造を形成している、ということです。

「うつし世はゆめ よるの夢こそまこと」と書いた乱歩の真骨頂ですね。
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この回答へのお礼

回答ありがとうございます。
やはり、夢か現実かのところに入れ子が入っているようですよね。
文学は読めば読むほど謎につつまれていく作品が多いので、入れ子構造だといわれるといろいろ考えがでてきてしまうんですよね。

参考にさせていただきます。詳しく説明していただきありがとうございました!

お礼日時:2012/04/20 15:01

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