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戦後の歴史を見ていると、結局資本主義国は財政危機に陥るのだという事はわかってきました。

そもそも生産性の低い人と高い人が混じっていて、生産性の低い人に対して生活保護や健康保険などで支援して普通レベルの生活を保障するのだから、それは税金でまかなうしかないし、賄えない分が財政赤字になる。
世の中が発達して、さらに平和に時代が続いて、人による生産性の差が付けば付くほどその収入格差を補填できなくなり財政赤字は増える。これはもう構造的なものです。昨今日本で言われている格差も平和が続いたからこそ、当たり前に起こる事です。

財政を好転させるには課税ベースか税率を上げるしかありませんが、課税ベースを上げるには経済の成長が必要。そのためには技術革新等で新しいサービスを生み出すしかないので、平和が続いて発展しきってしまうと財政を好転する事はできない。日本の財政赤字を何とかするにはイギリスの産業革命みたいなことが必要でしょう。

そういう歴史を知ってか知らずか、財政主導で景気対策だの、技術革新もないのに成長戦略だの、単純に日銀が札を刷ればデフレ脱却だのとわめいている政治家を見ているとうんざりげんなりです。

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それはそうと経済危機は歴史を振り返ると戦争後に解決しています。しかしそのメカニズムがわかりません。戦争が解決しているのでしょうか?

戦争はいわゆる「道路を掘って埋める公共工事」のようなものです。せっかくあるもの(町や兵器)をぶち壊して戦後に再び作る。その意味では「道路を掘って埋める公共工事」と変わりません。これで経済が成長するためには高い乗数効果が必要です。だから戦争が必ずしも経済成長やそれによる税収、財政再建に結びつくものではないはずです。
なのに、歴史ではそれを機に経済が好転している。これはどういうことによるのかがわかりません。

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仮説1:戦勝国が賠償金を取って財政を穴埋めし、それで財政の自由度が増して経済が好転。
仮説2:戦勝によってインフレが起きて借金をチャラにするので財政が再び借金ゼロからスタート。
仮説3:敗戦国では財政破綻し借金をチャラにするので財政が再び借金ゼロからスタート

結局、戦争の効果って借金の棒引きぐらいしか思い浮かばないです。どちらかというと経済危機や財政危機は基本的に徳政令で解決するのであって、戦争は徳政令のきっかけの一つに過ぎない気がします。

昨今のヨーロッパやその他の経済危機を見ていても、対処方法は産業革命か徳政令しかないのかな、と思っています。

A 回答 (4件)

戦争というには、それまでの社会基盤、社会制度が大きく変化するきっかけになります。



あなたが工場の経営者だったとしますね。今、最新の生産設備を100のコストで導入すれば、他社を圧倒し、市場の大半を握るシェアが取れたとします。毎年20の利益が上がったとします。
その後、他社も最新の設備を導入し、相対的にあなたの工場のシェア、利益が下がってきた時、あなたならどうします? もう一度、さらに最新の200のコストで設備を導入するか、経費削減と言って、働いている人や原材料への支払いを削減して、今の製品をより安く作っていく体制を作るか。他社を買収して生産規模を上げて、市場のシェアを維持するか。
今の日本の会社でいうと、前者がシャープ、中者が日産、後者がパナソニックですね。
で、昨年の決算で、成功を収めたのは、人とモノのコストカットを実施し続けている日産でした。

工場の生産は、原料をつくるところ、部品をつくるところ、組み立てるところと分かれています。その中の一部だけが設備を更新しても上手くはいかないんです。
戦争の効果、とくに敗戦側は、そういう老成化した仕組みそのものを0に戻す効果があるわけです。

日本の戦後の経済が成功した最大の要因は、財閥が解体されたことだと思います。そのため、従来だと叩き潰されていたはずの、新興産業、新興の会社がいくつも誕生しました。これらの会社は生産を行う産業に関わっていました。
今の日本で「新しい会社」は、生産に関わっているというよりは、流通やサービスに関わっている部分になります。モノは世界に輸出できますが、サービスはなかなかに難しいことは、ユニクロやmixiが証明しているように思います。これは日本人の特性な気がします。
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この回答へのお礼

ご回答ありがとうございます。

ご指摘の一つは既得権益の破壊という事だと思いますが、つまり高所得者への課税や資産家への資産課税のようなものですね。
もう一つは古くなった都市の効率化ということでしょう。戦争で破壊されたので低コストで高効率の都市に作り変える事ができた。最近は都市に地下鉄や道路を作ろうにも一から作るのと違って、既存の路線の間を針の穴を通すコントロールで線路を敷いたり、高いお金を払って土地の買収をしたり。一から作る中国にコストで全然勝てません。

前者は結局徳政令、後者は産業革命に類するものですね。


>日本の戦後の経済が成功した最大の要因は、財閥が解体されたことだと思います。

一面そのとおりかもしれませんね。

高度成長の要因はいろいろに言われますが(安保のせいで防衛予算が安く済んで巨額のお金が資本ストックに回った、日本にはそもそもそれだけの潜在成長率があって戦争で失われた分を取り戻しただけ、東西両陣営にうまく取り入って輸出しまくった外交の勝利)、どれもそこそこ真実だと思います。が、日本経済全体は一人で見渡すにはあまりにも巨大で全体把握ができないので結局よくわかりません。高度成長というのは意外とつぶさに観察すると面白いです。

お礼日時:2012/06/17 21:37

「わかってきた」のではなく「妄想に取り付かれた」だけのようです。


残念さまです。
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この回答へのお礼

ご回答ありがとうございます。

お礼日時:2012/06/17 21:08

米国は第二次大戦によって、未曾有の経済不況からの


脱出に成功しました。
この例から戦争と経済の関係を考えてみます。

1,戦争前は不況であった。
 それで、戦争により需要が増えた。
 白人の若者が戦争に行ったので、黒人や女性労働者が
 社会進出して、供給、つまり生産力が増えた。
 このように、需要と供給が増えたので、経済が回復し
 経済規模が大きくなった。

2,戦場が外国であった。
 これが国内なら、生産設備や労働者に損害が出る、
 つまり、供給面からはマイナスである。
 需要はあるが、上手くやらないと、供給が減る
 ので、経済は発達しない。

第一次大戦でも米国は大儲けしましたが、それは
やはり、海外の需要が増え、国内の供給力が増えたから
でしょう。
その後、供給力はそのままで、需要が減じたので
不況になった訳です。

ベトナム戦争では、米国経済は好調でした。
だからベトナム戦争は、クラウディング効果を起こし
民間資金を圧迫し、供給力を減らしたため経済を鈍化させました。


”歴史では戦争を機に経済が好転している。これはどういうことによるのかがわかりません”
    ↑
戦争があれば総て経済が好転している訳ではありません。
ケースバイケースです。

”戦後の歴史を見ていると、結局資本主義国は財政危機に陥るのだという事はわかってきました”
    ↑
資本主義というよりも、民主主義の問題だと思っています。
民主制では、国民の意思が重視されます。
だから福祉が発達します。
福祉は一度施行されると、減額が出来ません。
政治家が票を失いのを恐れるからです。
これを福祉の不可逆性と言います。
先進国が赤字なのはこれが原因だと思います。

”財政を好転させるには課税ベースか税率を上げるしかありませんが”
    ↑
福祉予算削減をすればよいのです。
サッチャーがこれをやり、一応成功しています。
これをレーガンが真似し、やはり一応の成功をみています。
日本もこれに習おうと、中曽根時代から、試みていますが
反対が強く、さっぱりです。

”対処方法は産業革命か徳政令しかないのかな、と思っています”
    ↑
新自由主義に基づく改革は、サッチャー、レーガンと
成功していますが、それは根本的なものでは無いですね。
徳政令は信用不安を引き起こすので逆効果でしょう。

産業革命が必要だ、という意見には賛同します。
経済成長は、需要と供給がバランスをとって、大きくなることですが
先進国では、どちらも限界に来ているように思えます。
欲しいモノなどはあまり無いし、供給力も技術的に限界に
近づきつつあります。
根本からひっくり返さないと、どうしようもないんじゃ
ないですかね。
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この回答へのお礼

長文を丁寧に読んでくださりありがとうございます。財政だけ考えれば産業革命と徳政令以外には、仰るとおり稼げない人を見捨てるという手がありましたね。ただ経済は縮小均衡になるでしょうけれど。

今回の疑問はテレビなどで多少歴史を理解していそうなパネラーが、結局戦争にでもならないと解決しないというのをたまに聞きますが、ちょっと違和感を覚えていろいろ考えてみた次第です。
またテレビで東日本大震災の復興需要によって経済成長するとか言っている識者や政治家がいて、そんなわけないだろうと思ったというのもあります。稼げる人がモノを失ったならその人が稼いでモノを買うので経済は成長するでしょうけれど、1次産業中心の高齢化の進んだ地方が震災で被災しているのであって、そこまで稼ぐ力はないでしょうから税金で復興して財政赤字を増やすだけでしょう。そんなの震災なんかなくても掘って埋める景気対策をすれば同じ事です。

そうこう考えているうちに、政治家が経済学をまるでわかっていないクセして、専門知識が必要な政策の舵取りを無理やり担当している現状を見ると、これは根が深いと思います。原発の再稼動もそうですが、専門知識で判断すべきところを「総理の私の責任で」とかいってる時点でダメですね。この国は。

お礼日時:2012/06/17 21:21

>戦後の歴史を見ていると、結局資本主義国は財政危機


 好景気と不景気の波はありますが、資本主義は財政危機に絶対なるとは言い切れ内規がします。

>そもそも生産性の低い人と高い人が混じっていて
 それは資本主義ではないと思います。
 いわゆる『大きな政府』『小さな政府』と呼ばれる国家としてのあり方だと思います

>財政を好転させるには課税ベースか税率を上げるしかありませんが
 いえ違います。他に方法もあります
 先ほど述べた『小さな政府』いわゆる『夜警国家』最近では新自由主義と呼ばれる形態です。いわゆる支出をできるだけ減らすという方法です。
 米国などは軍事費の抑制でこれに成功しています

>戦争が解決しているのでしょうか?
 していないと思います。
  WWI以降のドイツなんて戦争以降国内経済は悪化しています。
  あくまで自国の戦争は関係なくその後の要因があります。
   日本の場合は米国との貿易で1ドル350円という固定相場制による為替による利益と朝鮮戦争などによる外国の戦争による外需の拡大です
 他にアメリカなどみてるとわかります。
  アメリカの場合しゅっちゅう戦争してますが、戦争の時期とGDPの伸び率は比例してません。逆にベトナム戦争の時は度重なる戦費により経済は低迷してますし、国庫も圧迫してました。第一ニクソンショックはベトナム戦争の時代ですよw
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この回答へのお礼

ご回答ありがとうございます。大体おっしゃるとおりなんでしょうね。戦争で儲かるわけでもないし、経済危機も財政危機も解決しない。結局弱者を助けるための支出(=社会福祉)が混乱を生むというだけの事。

>資本主義は財政危機に絶対なるとは言い切れ内規がします。

おっしゃるとおりですね。

「1990年に社会主義は敗北をしたが、その数十年後に資本主義もまた敗北することになるだろう」と言われて久しいです。でも冷静に考えると結局資本主義の敗北の原因は社会福祉(による財政赤字)であって、結局それは社会主義の敗北じゃないかという気がします。

国の借金は民間の借金とは性質が違う(だから返せるかどうかは考えずに借金してもいいんだということか?、返せないのがギリシャショックだろうが!)、とテレビで政治家が言い放っていますが、長期的にはそれはないだろうと思います。やはり先は暗いと思ってしまいますね。

それはともかく、欧米はどこか(=アジア)で代理戦争を起こして自分たちの財政赤字を何とかしようとするだろう事はみえみえですね。大変な時代になったものです。

お礼日時:2012/06/17 21:47

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