二つの要因に強い相関が見られる場合の分散分析についての質問です。
例え話で話しますので、お願いします。
目的:「星野監督ファン度」と「阪神ファン度」が阪神グッズ購入に与える影響を調べる
従属変数:ここ1年間で阪神グッズにかけたお金の合計(千円単位)
要因1:「星野監督ファン度尺度」(5件法10問の平均得点)を元に高群と低群を構成(2水準)
要因2:「阪神ファン度」(5件法10問の平均得点)を元に高群と低群を構成(2水準)
以上のような研究があるとして、この分析方法に困っています。このような場合、2要因の分散分析(「星野監督ファン度」2水準×「阪神ファン度」2水準)を行っていいのでしょうか?当然、「星野監督ファン度」と「阪神ファン度」には強い相関がみられるので(例えば.6としましょう)、2要因の分散分析が成立するのか疑問なのです。
ちなみに、各群の被験者数も、2つの尺度の強い相関の結果、阪神ファン度と星野監督ファン度の両方が高いか両方が低い群に集中し、阪神ファン度低&星野監督ファン度高群と、阪神ファン度高&星野監督ファン度低群の2つの群はほとんど被験者がいません。(この時点で分散分析がかなり苦しいのですが、GLMのTypeIIIの検定などで被験者数の片寄りを考慮した上での分散分析ができるとします)
以上のような、二つの要因に強い相関が見られる場合の分散分析は、どのように処理すればいいのかアドバイスを戴ければ嬉しいです。
No.2ベストアンサー
- 回答日時:
再度登場します.
>つまり、この場合だと、2×2の2要因分散分析のかわりに、
>1要因2水準の分散分析を行うということになるわけですよね?
その通りです.一要因に水準データなのでt検定でも適用できます.
ただ,残念ながらこの方法では質問者さんの目的が検討できない,と(むむむ,かなり手強いなぁ)
>今回の研究では、「星野監督ファン要因」と「阪神ファン要因」
>のどちらがより強く「阪神グッズ購入」に影響を与えているかを
>検討できればと思っています。
うーんうーん.
独立変数間の相関が低ければ,重回帰分析が使えるのでしょうが,相関が高いので「多重共線性」の問題が生じますし……
かりに,かりに多重共線性を無視してしまえば……0.6の相関で無視するというのもかなり問題がありますが……無視をしてしまえば,重回帰分析では,各独立変数ごとに「その変数の影響性が有意であるか(t値,及びその確率で判定)」,また,「どの程度影響性があるか,影響の程度(標準偏回帰係数,β)」が算出されるので,標準偏回帰係数を見れば,変数1のβと変数2のβとを比べるということで調べることができる……のですが……
>なければ、相関係数の強さを記述的に比較するしかないのかなと
>思っています。
そうですねえ.これも最終手段かもしれませんね……
あと,相関係数を算出するならば,偏相関係数を求めることにより.独立変数間の共変分を除去して考察することもできます.
今回はピンとくる回答ができずに申し訳ないです.
たびたびのお返事ありがとうございます。今回も大変分かりやすいお返事で、感謝感激です。
重回帰分析は、私も考えました。でもやっぱり、多重共線性にひっかかりますよね。.6じゃ、厳しすぎます(涙)。
偏相関係数は、気付きませんでした。なるほど、そういう手がありますね!偏相関係数は今まで一度も使ったことがないので、速攻で勉強してみます。この方法なら、共通部分を除いた残りの部分で、どちらの要因がより強く「阪神グッズ購入金額」に影響を与えているのか比べることができそうです。願わくば、一方の要因が有意な相関で、もう一方が有意な相関でなければいいのですが(両方有意だと、偏相関係数の大きさを記述的に比較することになるので、骨が折れます)。
今回は、本当にお世話になりました。またご縁がありましたら、よろしくお願いします。
No.1
- 回答日時:
こんにちは.
「独立変数(原因)→従属変数(結果)」の図式を使った統計解析法である分散分析を使用する場合にはいくつかの前提条件があります.
各変数の平均値が母集団正規分布から抽出されている,分散が等しい,などが比較的有名ですが,その他にも,独立変数が独立している(独立変数間には相関がない,低い)というのも挙げられるでしょう.
最近は多少の相関があっても修正はされるの【かも】しれませんが,基本的には上記の前提があるようなので,例に挙がっている「星野監督ファン要因」と「阪神ファン要因」という,相関が強いデータでは「分散分析」を使うのが不適切である,と判断できます.
実験計画法や心理学研究法の授業であるならば,そのような相関がある要因を採用するな,と一言で片づけられるかもしれません.しかし実際にそのようなデータを取ってしまった後では,何とか分析をしなければならないでしょうので,次のような対処法をされるとどうでしょうか?
今二つの要因の相関が高いわけなのですから,そして分散分析は相関が高い要因を使ってはいけないのですから,ならば「相関の高い二つの要因」を「一つの要因」としてまとめるのはどうでしょうか?
相関が高いのであれば「星野:高&阪神:高」あるいは「星野:低&阪神:低」というように,両要因とも高いあるいは低いわけですから,これを一つの要因としてまとめても問題はないと思われます.
このまとめの作業として「因子分析」を使ってみてはどうでしょうか? 「星野」変数と「阪神」変数の二変数データに対して因子分析を行い,一因子の因子分析を行い,その因子得点を,改めて「独立変数」として採用すれば良いのではないでしょうか? (一変数の場合ならば,回転がないので,因子分析も主成分分析も同じことですね…)
1)相関の高い独立変数を因子分析にして,直交回転を行い,因子得点を新しい独立変数として採用する.
2)直交回転による因子得点なので,新しい独立変数は相関がない独立変数なので,安心して分散分析が使える.
例えば私ならば,このような方法をとりますが,いかがでしょうか?
回答ありがとうございます。なるほど!やっぱり、二つの要因は独立している必要があるのですね。そうでないとNの数が偏るし、何だかおかしな分析になるなと思っていました。分かりやすく説明して下さって、ありがとうございます。
>しかし実際にそのようなデータを取ってしまった後では,何とか分析をしなければならないでしょう
(^_^;;)。ご配慮ありがとうございます。ついでに甘えて、もう少し質問してよろしいでしょうか?
まずは確認です。新しく教えていただいた方法は、なるほどそんな手があるのだと目からウロコでした。つまり、この場合だと、2×2の2要因分散分析のかわりに、1要因2水準の分散分析を行うということになるわけですよね?
さらに追加の質問。今回の研究では、「星野監督ファン要因」と「阪神ファン要因」のどちらがより強く「阪神グッズ購入」に影響を与えているかを検討できればと思っています。つまり、教えていただいた新しい方法は今回の研究には適さなさそうなのです。このような場合に使える検定をご存知でしょうか?「影響を与えていない」という帰無仮説を棄却する検定(=影響を与えていることを示す検定)はあっても、「A尺度よりB尺度のほうが有意に影響を与えている」ことを示すことができる検定はないのでしょうか?なければ、相関係数の強さを記述的に比較するしかないのかなと思っています。
・・・もともとの研究計画が悪くて自業自得なのですが、お返事もらえれば嬉しいです。
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