No.1ベストアンサー
- 回答日時:
便宜上、話を自然数に限定することにします。
4の倍数は、任意の自然数nを用いて、4nと表わすことができます。
このとき、
4n = 2 × 2n = 2m
と表わすことができます。2mとはすなわち2の倍数のことですから、
命題「4の倍数は2の倍数である」は真であることが証明できました。
この回答への補足
さっそくご意見ありがとうございます。
つまり、この命題の真偽の判定方法は、「証明できるかどうか」ということですね。
カラスの場合の真偽の判定方法とは異なるように思いますが、
「証明できる」ということが、なぜ、真であるということになるのでしょうか。
No.2
- 回答日時:
変数や厳密な式変形などを使います.
(証)nを整数として,任意の4の倍数は4nとかける.4n=2(2n)であり,2nは整数なので4nは2の倍数である.(終)
n=0,±1,±2,±3,・・・は一つの文字ですべての整数の値をとることができます.「・・・」の部分は無限に続くから書けないのですが,論理的にnはすべての整数を動くと考えて良いのです.したがって,4nはすべての4の倍数を動くと考えて良いのです.
nがすべての整数値をとるかどうかを調べられるのか,4n=2(2n)は本当に正しいのか,と言われると説明するのに困ってしまいます.
まあ,数学は論理の世界なのでいろいろ考えるといくつも難しい問題がでてきます.論理を考えすぎて生活に困ってしまうようなら,数学で便利なところだけを使うなどといった態度が精神的にも健康かもしれません.
この回答への補足
ご意見ありがとうございます。
実は、「数学は論理の世界なのでいろいろ考えるといくつも難しい問題がでてきます」
と私も考えたところで、数学が論理の世界なら、数学の命題の真偽とはどのように判定するのか、
ということがわからなくなり、このような問題が発生しました。
No.3
- 回答日時:
4の倍数⊂2の倍数であるので、4の倍数⇒2の倍数となる。
4の倍数の方が真なら、4の倍数は2の倍数に含まれているから4の倍数⇒2の倍数が成り立つ。
逆に4の倍数が偽であったなら、その数は2の倍数かどうかは分からない。
つまり、4の倍数⊂2の倍数を示せれば4の倍数⇒2の倍数は真である事がわかるが、偽である事は証明出来ない。
この回答への補足
ご意見ありがとうございます。
「p(x)⇒q(x)」という形式と解釈できる命題は、「p(x)の真理集合⊆q(x)の真理集合」
のときに真である、というのが真偽の判定方法だという主張だと思います。
確かにカラスの場合の真偽判定もこの考え方に沿っているとも思えます。
実際「⊆」を示すには、どのようにすればいいのでしょうか。
No.4
- 回答日時:
ひと言でいえば、ポイントは「悉皆検証 (exaustive verification) 」の可能性の有無。
おっしゃるように、現実世界のカラスの場合は無し。
閉じた系に収まらず、際限のない作業になるから。
倍数の場合は、「整数モデル」で検証可能。
「整数モデル」は、いわば「バーチャル・リアリティ」の閉じた系。
ご意見ありがとうございます。
「悉皆検証 (exaustive verification) 」ということばは始めて聞きました。
検証対象の全体からなる「系」というものがあって、系に含まれる要素(カラス
あるいは4の倍数)が無数にあっても、「閉じて」いれば、全体として真偽が
検証可能である、というご意見と解釈しました。
私にとっては、まったく新しい考え方ですので、もう少し考えてみます。
No.5
- 回答日時:
>「カラスは黒い」という命題の真偽は
何を以てこれを命題だと思われたのでしょう。
例えば、黒いというのはどんな状態ですか。病気で変色したカラスは?突然変異で
色が変わったら?
数学で使う言葉は意味が明確なものに限られますので、これを命題と考える場合はカラスの意味や黒いということの意味をはっきりさせる必要が有ります。
例えば、時間などは数学的な意味が明確でないので、数学では扱わない言葉です。
ご意見ありがとうございます。
「黒い」という状態は特に他の言い方をしなくても、多くの人がわかると思います。
といいますか、「黒い」ということばの意味を説明することは不可能だと思います。
同じく「カラスは黒い」という主張も限りなく明確であり、つまり、「カラス」と
いう概念は「黒い」という概念に包含されるということで、単純に真偽を問えるから、
命題であると考えました。病気や突然変異は、「カラスは黒い」という主張をあいまい
にする要因ではないと思います。
「数学で使う言葉は意味が明確なものに限られます」とおっしゃられています。
数学に限らず、使う言葉の意味を明確にするために、また、新たな言葉を使う、
ということを繰り返していくと、最後にはこれ以上説明できない言葉に到達する
と思います。明らかにこの最終的な言葉は「無意味」です。そうしますと、意味の明確さ
を追求していくと、結局、数学的な主張は、無意味な言葉の羅列、ということになり、
真偽を問うことはできない、つまり、数学の命題というものは存在しないという結論に
なるのかな、と思いました。
No.6
- 回答日時:
なぜ証明できると真かというと…根拠は無いですね。
しかし、自然数論では偽な命題を証明することはできないと信じられています。
数学としては、そう仮定して話を始める…ということだと思います。
自然数論を含む無矛盾な論理系では、その論理系の無矛盾性を証明できない
ことが、証明されていたような気がしますが?
ご意見ありがとうございます。
数学では、証明できたものは真だという立場で話を始める、ということで、非常に明快なご意見ですね。
「まあ、それが数学さ」ということでしょうか。大変参考になりました。
後半の「自然数論を含む・・・」の部分は、難しくて関連がよくわかりませんでした。
No.7
- 回答日時:
#5で回答したものです。
はじめにご質問に対する回答を書いておきますと、「カラス・・・」は謂わば生物学的命題(私は生物学は詳しくないが、一応命題としておきます)、「4の倍数・・・」は数学的命題というように異なる範疇の概念ですから、真偽判定が異なるのは当然です。
さらに、数学とそれ以外との大きな違いとして現実をきちんと反映しているかどうかが挙げられます。数学は飽く迄概念的体系であって現実には立脚していません。従って、「全ての4の倍数」という架空のものを意識として共有できますが、「全てのカラス」はそういうわけにはいかないことはご質問に書かれた通りです。
>「黒い」という状態は特に他の言い方をしなくても、多くの人がわかると思います。
目の不自由な人にとっても明確でしょうか。
>最後にはこれ以上説明できない言葉に到達すると思います。
その通りです。そのような言葉を無定義用語と言います。但し、インターネットでこの言葉を確認しようとしたら誤解を招く説明が多かったので注意喚起のため以下簡単に纏めます。
無定義用語の例として、点や直線などが挙げられます。が、これらが無定義(学校では説明しませんよね。或いは、簡単なイメージで済ませるでしょう)なのは、定義できないのではなく、定義していないだけです。要するに高校以下の数学では定義できるレベルに達していないということです。
大学レベルでは勿論きちんと定義します。点の定義は、「点とは・・・という条件を満たすもののことを言う」のような形になります。そして、・・・という条件の部分は1通りとは限りません。そして、この条件の異なる定義がいろいろあり、それらからいろいろな幾何学が生まれます。
従って、大学レベルで、「点は・・・のような性質を持ちますか?」などの質問は、「それはどの幾何学の話ですか」という応答が返ることになります。
引き続きご意見ありがとうございます。
異なる範疇の概念だと、真偽判定の方法が異なるということですね。まさに、その違いについて質問したつもりだったのですが。
たしかに、「黒い」という状態は、目の不自由な人にとっては明確ではないかもしれません。でも、このようにことばの意味を追求していくと、命題というのは成立しないような気がします。ほとんどすべての言明は、0歳児から3歳児ぐらいには理解できないでしょうから。
定義は説明なのでしょうか。もし、説明だとしたら、やはり、定義にあらわれていることばをさらに説明することばも必要になってきて、結局は、無意味にたどりつくような気がします。
No.8
- 回答日時:
(補足への応答)
後半は、「証明されれば真」であるということは
その「証明」を行う論理系自身の上では証明できない:
証明できないことがキチンと証明されている…という話です。
だから、前述のように「仮定」するしかない。
興味があれば、ゲーデルの業績について
調べてみればよいのですが、たいへん難解な代物です。
スマリヤンの書いた一般向け解説書(数種類ある)
が、比較的読みやすいかも知れません。
哲学系の人が書いている本は、著者自身が
理解していないことが多く、注意が必要です。
引き続きご意見ありがとうございます。
「証明されれば真」である、の中の「証明」は多分、一定の条件をみたす命題の列のことだと思いますが、「真」は何でしょう。何かここに回答の鍵があるような気がしてきたのですが。
ゲーデルの業績についてですが、岩波文庫の「不完全性定理」を一回だけ途中まで読みましたが、何がなんだかさっぱりわからないところです。機会があったらまた読んでみます。
No.9
- 回答日時:
>「4の倍数は2の倍数である」という命題の真偽はどのように判定すればいいのでしょうか。
この例に限れば、「悉皆検証」の手抜きが可能。
…というより、手抜きの悉皆検証しかできない。
(10 進表示にかぎられるけど) 最右一桁の数字が 4 で整除可なら全体も 4 の倍数。
最右一桁が 2 で整除可なら全体も 2 の倍数。
を知っておれば、カラスの場合には避けられそうもない「悉皆検証」に挑戦する必要なく、命題の真偽を判定できている。
カラスの場合は、個別のカラスとその色を悉皆調査するしか、命題の真偽を確かめようが無い。
4 と 2 の倍数の場合、それこそ無数の対象から抽出した「自然数」という一種の「仮想現実」の体系 (完全か不完全か、という疑惑は残るだろうが…) を構築し、その中にて矛盾無く判定できているようです。
"exaustive verification" というのは、コンピュータ・ソフト業界の願望をこめたターゲット、という代物らしく、真の実現例は未達成の模様。ソフトも「仮想現実」の一体系なので、いい線行けるのかもしれませんが…。
引き続きご意見ありがとうございます。
「4の倍数...」の場合は、すべての4の倍数を調べなくてもOKということですね。確かにそう思います。でもその根拠は、「自然数」が「仮想現実」だからではなく、最初に回答をいただいたasuncionさんや、2回目に回答をいただいたereserve67さんの「証明」にあるように、「4の倍数」を変数nを使って4nと表したところにあるように思います。つまり、変数という手段によって、無数にある4の倍数が一挙にとらえられ、「4は2の倍数」、「8は2の倍数」、「12は2の倍数」、...という無数の個別の場合がいっせいに正しいことが示されたからだと思います。カラスの場合はそのような変数がないのでうまくいかないようです。
"exaustive verification"を検索してみましたが、どうもぴたっとわかる記事(しかも日本語で)にあたりません。
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