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複素解析の入門用の教科書を読んでいます。
正則関数の定義で、zに依存するが、z(バー)には依存しないといった表現が出てきて、困っています。
「依存する」という言葉の意味はわかるのですが、zに依存するけどz(バー)に依存しないということがどういうことなのかがよくわかりません。
僕の理解では、zに依存するというのはzが動いたら、f(z)の値も変わるということで、それだとzバーが変化したら、おのずとzの値も変化するのでf(z)の値も変わるんじゃないのかなって思ってしまいます。
(つまりz=1+2iとしたらzバーは1-2i。これが例えば1-3iになったらzは1+3iなわけで...といった感じです。まあ見当はずれなんでしょうが...)
簡単な具体例つきで解説してくださるとありがたいです。

ちなみに全ての複素関数はzもしくはz(バー)に依存するのでしょうか?それとも依存したりしなかったりなんでしょうか?

A 回答 (6件)

z = x+iy,


w = x-iy で変換すると、
x,y が実数という条件下には
z,w が連動してしまい、
偏微分を考えることができません。
だから、u,v を複素変数 x,y の関数と
見なければ、w で偏微分すると 0
という表現が意味を持ちません。

しかし、u,v は x,y の実関数として
与えられたものだから、いつでも
複素関数へ拡張できるとは限らないのです。

例えば、一変数の例として、
g(x) = [x>0 のとき] exp(-1/x),
g(x) = [x≦0 のとき] 0
は、全実数 x に対して、正則なばかりか、
任意階微分可能でもありますが、
正則な複素関数 g の定義域を実数に制限
したものと見なすことはできません。
x>0 の範囲で g(x) に一致する複素関数は、
複素全域で exp(-1/x) に決まってしまい、
x=0 で正則にはならないからです。

さて、二変数関数で適当な例があったかなあ…
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ANo.3です.そもそも



∂f(z)/∂z^*すなわち∂f(z)/∂w

が誤解を招きやすい表現です.ここでは

f(z)=f(x+iy)=u(x,y)+iv(x,y)にx=(z+w)/2,y=(z-w)/(2i)を代入してz,wで書きなおしたものF(z,w)

としてみなくてはなりません.それだけです.

例えば前回挙げた例f(z)=|z|^2のとき,これがwに依存していないとみたら大間違いですね.f(z)=F(z,w)=zwとなるからです.
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z が動けば、zバー が動くのは当然です。


「zバー に依存しない」は、単に諳記し易くするための標語であって、
額面どおりの意味ではありません。

f(z) が z の複素正則関数であるためのコーシー・リーマンの条件は、
z = x+iy, f(z) = u+iv (x,y,u,v は実数) と置くと
∂u/∂x = ∂v/∂y, ∂u/∂y = -∂v/∂x と書けます。 ←[0]
この式は、u,v が x,y の実正則二変数関数であるという条件下に
f(z) が z の複素正則関数となる条件だと見ることができます。

ここで u,v は実数値をとる実二変数関数なのですが、
強引に、u,v を複素正則二変数関数とみなしてみます。 ←[1]
複素正則関数で引数が実数のとき実数値をとるものは、
定義域を実数に制限すると、実正則関数になりますから、 ←[2]
u,v がタマタマそういう関数のときには、[1] は上手くいきます。
[2] の逆は必ずしも成り立たないので、[1] の見なしかたは
どんな u,v でも可能とは限らないのですが…

[1] と見なせる場合には、w = x-iy と置くと
(x,y) と (z,w) の対応が正則な一次変換となって、
合成関数の微分則より、[0] は ∂u/∂w = ∂v/∂w = 0 と書き換えられます。
f(z) = u+iv と置いたのだから、∂f(z)/∂w = 0 です。
ただし、全ての実正則関数 u,v について [1] と見なせる訳ではないので、
よく言われるこの説明は、本当はマズイのです。

頭記のように、
「zバー に依存しない」は、単なる標語と心得るのが安全と思います。
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この回答へのお礼

No3の回答者の回答でわかった気がしていたのですが、やっぱりわかってませんでした
細かい確認で申し訳ないのですが、
>ここで u,v は実数値をとる実二変数関数なのですが、
強引に、u,v を複素正則二変数関数とみなしてみます。 ←[1]

というのはu:R^2→R, v:R^2→Rだが、これをu:R^2→C, v:R^2→Cとみるということで、

>複素正則関数で引数が実数のとき実数値をとるものは、
定義域を実数に制限すると、実正則関数になりますから、 ←[2]

というのは、f:C→Cが複素正則関数で、xが実数であればf(x)∈Rならばf:R→Rと書き換えられて、実正則関数(fはR上の全ての点で微分可能)となるということで、

>u,v がタマタマそういう関数のときには、[1] は上手くいきます。

u,vの値域を複素数と見たときに、u,vが複素正則関数であれば1は成り立つ。

>[2] の逆は必ずしも成り立たないので、

は、f:R→Rが実正則関数でも、f:C→Cが複素正則関数になるわけではない。

というところは自分なりの解釈ができたのですが、

>[1] の見なしかたは
どんな u,v でも可能とは限らないのですが…

というところがいまいちわからないのですが...

お礼日時:2012/10/08 08:20

z=x+iy(x,yは実数,iは虚数単位)とおき,zバーをz^*=x-iyと書きます.



★ x=(z+z^*)/2,y=(z-z^*)/(2i)

ですから,f(z)=f(x+iy)はx,yに依存し,★を通してz,z^*に依存しますのでそれをF(z,z^*)と書きます.このときz,z^*は独立変数のようにみなします.そういう意味でf(z)の正則性を表すCauchy-Riemannの方程式

☆ ∂F(z,z^*)/∂z^*=0

をみて下さい.この式ではzを止めて(定数とみて)z^*を動かして,偏微分しているのです.この式の証明過程をみればわかるように,★に基づく偏微分の合成関数微分則を使っています.そこでは,z,z^*での偏微分はこれらを独立変数のようにみて行われます.

☆は本当はz^*をwなどと文字を置き換えてやるべきものなのです.そのままの記号を用いているから,質問者様は

z,z^*が独立に動く

ということがおかしいとお考えなのでしょう.

z^*をwと置き換えてやってみましょう.少し印象が違うと思います.f(x+iy)において,(x,y)を別の変数(z,w)へ変換

x=(z+w)/2,y=(z-w)/(2i)

を用いて行った結果,f(x+iy)はz,wで書きなおされF(z,w)となったとします.すると,Cauchy-Riemannの方程式は

∂F(z,w)/∂w=0

と同値になるのです.

偏微分は例えz,wに関係があっても,形式的に独立とみなして行う微分操作です.例えば,2変数関数z=f(x,y)において実はx,yはともにtの関数で関係があるとします.このときz(t)はtの関数で微分することができます.それは連鎖律

dz(t)/dt=(∂f/∂x)dx/dt+(∂f/∂y)dy/dt

で行われますが,ここで∂f/∂yはxを止めてfをyで偏微分しますよね.∂f/∂xも同様です.でもx,yは実際にはtを通して関係があるのにです.偏微分の計算はそうやって行われるのです.

同様に∂F(z,w)/∂wにおいてz,wに関係があってもzを止めて,wを動かして偏微分するのです.

すべての複素関数f(z)はz^*に依存するかどうか.例えばz^2はz^*に依存せず,|z|^2=zz^*はz^*に依存します.こういってもよさそうに思えます.☆によれはz^2は正則で,|z|^2は正則ではありません.

しかし,zとz^*は関係があります.だから,そういう意味では定数関数以外の複素関数はすべてzに依存し,したがってz^*にも依存すると言えるでしょう.

要は日本語の問題だと思います.「zに依存する」という意味を「zの関数である」,「zを陽に含む」など,場合によって微妙に使い分けるからです.
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この回答へのお礼

>f(z)=f(x+iy)はx,yに依存し,★を通してz,z^*に依存します
いうところが、すごいわかりやすかったです。ありがとうございます。

お礼日時:2012/10/08 07:51

これは、前回・参考 URL に


>複素解析学特論

式 (1.21) に到る説明があります。

  
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正則関数の定義で、zに依存するが、z(バー)には依存しないといった表現が出てきて、困っています。


演算子

(ラウンドd)/(ラウンドzバー)
の定義を
(ラウンドd)/(ラウンドz)
の定義の右辺のーを+に変えたもので定義します。
実際にはxによる偏微分とyによる偏微分の計算です、


(ラウンドd)/(ラウンドzバー)(f)=0
より、右辺の計算結果から
正則性の必要十分条件が出てきます。

このことを、
上記のように表現したのでしょう。
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この回答へのお礼

回答ありがとうございます。では実際にzが動いたら...とかいう話ではないのでしょうか?

お礼日時:2012/10/06 08:29

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