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以前はかなり社会的にも注目を浴びていたMRSAも、今では病院であればどこでも見られるようになってきているようですが、病院によって個室に隔離したり、大部屋で普通に入院している状況などもあると聞きました。MRSAの隔離の必要性はなくなってきているのでしょうか?

A 回答 (3件)

一概には申し上げられません。



まずMRSAの説明から申し上げます。
MRSAとは、ある抗生物質が効かない黄色ブドウ球菌のことで、毒性は変わりません。
黄色ブドウ球菌は日本人の4割程度が持っている一般的な菌です。
つまり、治療の必要の無い人にとってMRSAは全く問題にならない菌です。
事実、病院で生まれた健康な新生児の半分はMRSAを持っているという
報告さえあります。

ではMRSAが何故これほど注目を浴びているかというと、
MRSAは日本では1980年代より出てきた菌で
当時MRSA感染症治療の経験が無かった上に、
MRSA治療薬が日本で認可されておらず病院でパニックが起きたからです。
しかも当時のパニックを引きずり、未だにマスコミが
怖い菌だといって取り上げていることもあるでしょう。

次にMRSAを持っていてはいけない人ですが、感染症を発症
しやすい患者さん(免疫機能低下患者、又は易感染性患者
といいます。一ヶ月程度で退院出来るような患者さんは
概ね免疫機能低下患者とは言えません。)
と、その様な患者さんにに接触する全ての人です。

つまり、同室にMRSAの患者さんがいても免疫機能低下の
患者さんがいない限りは隔離の必要はありません。
免疫機能低下の患者さんがいる場合はどちらかを隔離し、
(MRSAの患者さんを、と言わないのは上記の通り今では一般の人も普通に
MRSAを持っている可能性があり、どちらの方が特別だと言えないからです)
#2さんの仰る様な対策が必要となります。

余談ですが、病院を評価する際には上記を参考にして頂ければと存じます。
極めて重症の患者さんとMRSAを持っている患者さんが同室の病院はいけませんし、
逆にMRSAを持っているというだけで同室の人の状態に関わらず隔離し、
無理に薬を使ってMRSAを消そうとするような病院もいただけません。
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隔離することは院内感染に効果的であるのは確かです。


ただMRSAが昔ほど厳しい隔離をされなくなったのは、この菌が接触感染であるからです。
菌のついた手で触らない限りうつらないからです。
ならばなぜ院内感染で蔓延したかというと間接的接触感染が起こるからでしょう。
今は院内感染対策がかなり注目を浴びたので直接的接触感染(医療者が保菌者とかかわったあとそのまま次の患者に触れる)はほとんどないでしょう。
間接的接触感染はドアノブやカーテンなど生活上誰かが触ったりくしゃみなどで飛んだ菌がついていたところを触ってそのまま傷に触れたりすることでうつってしまうものです。これだと医療者・家族・患者本人誰でも菌を移すことになります。
患者・家族・医療者がきちんと管理できるなら隔離の必要はないのではないでしょうか。
ちなみにうちの病院では重症患者にMRSAが出た場合は隔離(他の重傷者にうつさないため)します。
MRSA患者にはその勤務中にMRSAの患者としか接触しない看護師が担当し間接的接触感染も防ぐようにしています。
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この回答へのお礼

わかりやすい説明で納得できました。ありがとうございました。

お礼日時:2004/02/27 19:36

MRSAがどこから、どの程度出ているかと言うことと、大部屋の方たちの重症度と関係がありますね。



よくあるのは、鼻腔・喀痰・尿・褥創(床擦れ)ですが、隔離の対象になるのは、おそらく通常は、クシャミや咳のある鼻腔の人と喀痰の人くらいでしょう。

隔離、というのは他人様にうつさないように、ということですから、菌を吹っ飛ばさなければ普通は大部屋で十分です。
本人の体力が菌に負けないような治療をします。

医療スタッフは、尿や褥創にMRSAがいる場合には、格段の注意を払っているはずですし、処置した手で他の人の傷等に菌を運ばないように、消毒の回診の時には順番まで気を使っています。
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