アプリ版:「スタンプのみでお礼する」機能のリリースについて

現代の技術では、nm(ナノメートル)やμm(マイクロメートル)といった単位での部品の製造や加工が可能となっており、このような精密加工を担保するには、同様に長さや角度などの精密な測定技術が前提として必要だと考えられますが、このような精密な測定技術というのはどのように発展してきたのでしょうか?

まだ現代のような精密測定機器がなく、メートル原器などを利用し長さなどを測定していた時代から考えると、人間の知覚出来るレベルを超えるnmやμmといった精度の測定をすることは不可能であり、母性原理からもそういった精度の(測定)機器を製造することも出来ないように思えます。

鶏と卵のようではありますが、上記のような問題を解決し、現在のような精度での加工や測定が可能になったのはどのような方法や原理があるのでしょうか?
仮説として、例えば顕微鏡を使い人間の知覚出来る精度を高めることで、徐々に機器の加工・測定精度を向上させていくなどの方法があるのではないかと考えていますが、これは正しいでしょうか?

上記分野については全くの素人ですが、根本的かつ素朴な疑問として質問させて頂きました。
どうぞご教授よろしくお願い致します。

A 回答 (6件)

NO.4です。

前回の回答はご質問の測定技術の進歩という観点からはずれていたようなので、私自身の経験からその辺を少し書いてみようと思います。ご参考になるかどうか。

私が働き始めたころに存在した昭和30年代からの工作機械に使われていた構造原理はすべてすべり対偶でした。隙間に油脂を挟んで摩擦を減らし、滑らせるのですが、液体は不安定で隙間を作らないと動きません。特にネジ部分は良く減ることもあって、左右の動きにがたは不可欠であり、被削物の精度の向上がむづかしく、結局作ってはノギスやマイクロメーターで確認し、更に削るということの繰り返しでそこそこのものを作っていたのです。機械自身に細かいスケールを取り付け、それを顕微鏡で確認しながら加工するようになりました。それはある時期から磁気による目盛になってデジタル方式で表示する機械が現われました。磁気目盛りはネジの回転によって更に細かくなって、サブミクロンのオーダーが実現しているようです。従来の機械式のマイクロメーターはせいぜいミクロンオーダーが限度のようです。
工作機械やロボットなどの機械精度が飛躍的に高まったのは、やはり直進部分を含む軸受けに高精度の転がりベアリングが用いられるようになったからだと思います。特にネジ部にボールネジが採用されて隙間が0に出来るようになったことでしょう。ネジの回転数だけで移動距離が極正確に保障できるようになり、(もちろん工具や研磨砥石の品質向上もありましたが)ことで、コンピュータと結合して数値だけを完璧に制御することで安価に高精度の機械部品が加工できるようになったわけです。

コンピュータ技術の向上(高速化)はメートル原器などの「もの自体で長さを決める」のでなく、特定の汎用物質の光の波長を測定できるほどの高速度の周波数(微細な波長)のものをカウントできるようになったことで、ナのメーターの長さも特定できるようになったのでしょう。様々な分野の必要性と一歩一歩の進歩がお互いに連関してそういうことを可能にさせたというしかないと思います。
    • good
    • 0
この回答へのお礼

追加のご回答ありがとうございます。
非常に要領を得た回答を得ることが出来たと思います。

>機械自身に細かいスケールを取り付け、それを顕微鏡で確認しながら加工するようになりました。
>磁気目盛りはネジの回転によって更に細かくなって、サブミクロンのオーダーが実現しているようです。
>ネジの回転数だけで移動距離が極正確に保障できるようになり、コンピュータと結合して数値だけを完璧に制御することで安価に高精度の機械部品が加工できるようになった
>コンピュータ技術の向上(高速化)はメートル原器などの「もの自体で長さを決める」のでなく、特定の汎用物質の光の波長を測定できるほどの高速度の周波数(微細な波長)のものをカウントできるようになったことで、ナのメーターの長さも特定できるようになった

上記がまさに測定技術の原理と進歩の要点だと思います。
ミクロンオーダー程度までは、他の回答にもあるように顕微鏡によりスケールを細かくすることで実現出来そうですが、それ以上の精度を得るには、高精度の転がりベアリングによりネジの回転数をカウントする方法が必要だったと理解しました。
このネジの回転数により移動距離を測定する原理は、No.1の回答の歯車の組み合わせにより移動距離を測定する原理と近いように思います。

またそれ以上の精度の実現はコンピューター技術により汎用物質の光の波長を測定するなどの方法により可能になったという点は新たな知見だと思います。

追加のご回答により発展の原理と歴史を包括的に理解することが出来ました。ありがとうございます。

お礼日時:2013/04/10 14:59

平面研磨技術は昔からありますし、匠の技の領域なら人間はμmオーダの表面粗さの判別はできます。


また光学的に拡大して2次元平面的な大きさは判るかもしれませんが、それで見えないものは走査型電子顕微鏡などで見ることになります。

nmオーダとμmオーダで測定技術が変わりますが、このオーダで距離や膜厚を測定するのに基本になるのは古典的ですが光学干渉計だと思います。
その上でレーザー変位計などの原理となる三角測量で補ったり、nm以下であればトンネル電流で測定したり、目的に応じて測定手段が変わると思います。
    • good
    • 0
この回答へのお礼

ご回答ありがとうございます。
匠の技ならμmオーダでも判別出来るのですね、驚きました。
光学干渉計やトンネル電流に関しても初めて知ったので、Webで参照してみます。
ありがとうございます。

お礼日時:2013/04/08 18:27

私見ですが、英国を中心とした近代工業の発展、特にスチームエンジンのピストンやシリンダーなどを極精密に加工せねばならなかったことから起こった精密旋盤、ねじ加工それらのマザーマシン(精密旋盤を量産するための旋盤)をいかに精緻に、ばらつきなく、しっかりした直線や円筒面を理想に近づけて加工するかというところから現在のテクノロジーが始まったのではないかと思います。

それはアメリカに移って有名なコルト拳銃の部品の互換性をおもいついたところからも規格の厳密な標準化の必要性が理解できるようになって、実用面からの精密化が進んで行ったのだと思います。その後はガソリンエンジンの高速化、ジェットエンジンの高回転化、更にはIC、LSI などの生産に光学系と加工系が結びついたことも精密度が高くなった理由でしょうね。
要は、なんらかの画期的な発明や発見があったわけではなく、古来から分かっていた原理を使って、その時々の必要性が地道な努力を生み、それらの前進に寄与したのだと私は思います。

雑駁ですが。
    • good
    • 0
この回答へのお礼

ご回答ありがとうございます。
様々な技術や原理が歴史の中で重なりあって発展してきたとのことは全くその通りだと思います。

お礼日時:2013/04/08 18:25

精密測定の原理というものは測定対象(長さ、重さ、時間、電流)によって異なりますが、工学の一つの普遍的原理を目指すもので質問の意義は大きいと思います。

学問的には精密工学、計測工学、ナノテク等にまたがるものでしょう。

長さの精密測定に基本的な訳を利を担ってきたのは光学的拡大技術でしょう。光学顕微鏡で100倍に拡大することは十分可能です。したがって1mmのものを10cmに拡大していることになり、これを1mmに切り分けることは可能であり、元のものを10μmに切り分けることができるわけです。
ただし切り分けるには鋭利な刃物が必要であり、その性能確保の問題は別にあるでしょう。光学顕微鏡は数百倍が限度で、それ以上は電子顕微鏡等別の原理による顕微鏡が必要です。

重さ測定は基本的には天秤をいかに精度高い方法を使用するかがカギであって、むかし、時間をかけて5ケタの精度で計れた記憶があります。今は電子天秤でもっと高精度で瞬時に測れるでしょう。

時間と電流の話は省略しますが、ネットで検索していけば結構答えが得られます。
    • good
    • 0
この回答へのお礼

ご回答ありがとうございます。
求めていた回答に最も近い答えを得ることが出来ました。
やはり工学的拡大技術が一つの基礎として必要だったことが理解出来ました。

また長さ以外の重さや時間・電流等の測定についても、同様の基本原理についてご紹介頂きありがとうございます。時間・電流等の測定原理についてもネットで検索してみます。

お礼日時:2013/04/06 17:11

その国の機械工作の技術レベルは「ルーリングエンジン」を見れば分かると言われていました。



ルーリングエンジンは光のスペクトル分析に使用する回折格子を作る機械です。
回折格子はガラスや金属の平面に細かい平行線を等間隔に引いたものです。
平行線の間隔はμmオーダーです。
この平行線は出来る限り均一で細かい事が要求されます。

日本製のルーリングエンジンが完成したのは1964(昭和39)年です。
http://www.nikon.co.jp/channel/recollections/12/

ルーリングエンジンを最初に作ったのは Henry A. Rowland です。
http://www.jhu.edu/jhumag/0400web/02.html
    • good
    • 0
この回答へのお礼

ご回答ありがとうございます。
ルーリングエンジンについて初めて知りました。
やはり日本初のルーリングエンジンを作製する際にも必要とされる精度を得るのに苦労したことがうかがわれました。

お礼日時:2013/04/06 17:07

歯車を組み合わせて(複数個)作られているようでした


たとえば
テーブルの移動距離ですが
1:10:100の3個歯車で1千分の1精度(計算あってると思います)だったと記憶してます
mm単位は歯車の組み合わせと理解しているのですが!
    • good
    • 0
この回答へのお礼

ご回答ありがとうございます。
なるほど、歯車を組み合わせることでよりメートル原器等以下の微細な精度を得ていたのですね。
もし歯車による測定方法について記載されているサイトや資料等ご存知でしたら、ぜひ教えて頂ければと思います。
よろしくお願い致します。

お礼日時:2013/04/06 17:04

お探しのQ&Aが見つからない時は、教えて!gooで質問しましょう!